木枯らしが吹く季節になると、あっという間に街のあちらこちらクリスマスがクリスマスモード。
欧米ではクリスマスは最大のイベントの一つですが、日本だってそうですよね。
こんにちは、まのん (@ManonYoshino)です。
ご存知の通り、クリスマスはイエス・キリストの降誕祭なわけで、キリスト教のお祭りです。もちろん神聖なお祝いの日ではあるけれど、家族や親しい人たちが集まってごちそうを食べたり、贈り物を交換したりする楽しい行事でもあります。
宗教的な意味合いだけでなく、娯楽的かつ商業的なイベントになっています。
これはキリスト教の信者数自体が、ごく少ない日本ではもちろん、欧米でも「クリスマス=パーティーイベント」的な色彩が濃いように思います。
欧米のクリスマス
街が輝くシーズン
イギリスやアメリカなど英語圏のクリスマスは、全体的にとても華やかでにぎやかな印象があります。
11月にはショッピングモールやデパートなどでクリスマスのデコレーションが始まります。大々的なサンタクロースパレードなどのイベントが行われるところもあり、一気にクリスマスに向かってエンジンがかかるという感じですね。
デコレーションだけでなく、クリスマスグッズの売り場ができ、さまざまな店舗でクリスマスプレゼント用のアイテムが売られるようになります。
12月になると、目の色変えたおじさん&おばさんが(いや、若い人もいるけれども)買い物袋をたくさん抱えてショッピングモールや街中を歩き回り、街の中心部の駐車場はいつも満車。
「え、それって日本ぽくない?」って思いますよね。
「欧米って、もっと宗教的でマジメなクリスマスじゃないのーー???」
確かに、商業的な賑わいって「宗教的」じゃないような。。。?
宗教的な色合い
欧米のクリスマスは、キリスト教のお祭りで、とても宗教的なものである一方で、日本のお盆や年末年始のように家族や親戚との大切な時間でもあるのですね。
アドベントカレンダー
12月に入ると、子供達はアドベントカレンダー( Advent Calendar )を1日一つずつ開けていきます。紙でできたカレンダーや、箱型のものもありますが、24個の窓がついているもので、窓を開けると、その中に詩やキリスト教に関わる物語の一片が書いてあったり、小さな贈り物が入っていたりします。
アドベント( Advent )というのは、イエス・キリストの降誕を待っている期間である、「待降節」のことで、毎年実際は暦ごとに期間は変化しますが、アドベントカレンダーは12月1日から24日で作られていることがほとんどですね。
フランスで、クラッシックタイプの箱型のものを見つけました。木製の家(シャレー)の形で、24個の小引き出しがついているもの。
ここに、チョコレートやアメ、ちいさなおもちゃなどを入れます。
子供達は、12月1日から、毎朝起きてくると一つずつ引き出しをあけては、小さなプレゼントに歓声をあげる、、、というしくみ。最後の24個目の引き出しをあけると、その夜はクリスマスイブというわけです。
スーパーには11月に入ると、各チョコレートメーカーや玩具メーカーの「既製品アドベントカレンダー」が並びます。ちょっと出遅れると人気のメーカーのアドベントカレンダーはすぐに売り切れてしまうようですよ。
クリスマスコンサート
教会や学校、コンサートホールではクリスマスキャロルのコンサートがいろいろ開かれるのも12月です。
チケット代などは、教会の維持費、恵まれない人への寄付などに使われるようです。
うちの近くの大聖堂でも毎年、クリスマスキャロルのコンサートが開かれ、キリストの生誕を祝福する歌声が響きます。ああ、クリスマスが来るなあと思う瞬間ですね。
クリスマスイブ(12月24日)
クリスマスイブまでは普通に仕事をしている人も多いかもしれません。商店なども、基本は、開いているところが多いのではないでしょうか。
実家や、家族がクリスマスを過ごす場所までの移動時間が長い人などは、もうこの日から休暇に入る人もいます。
クリスマスイブのミサは夜、行われます。
もともとは深夜に行われるのが基本だったらしいですが、現在は夜7時とか8時とかに行われるところが多いのではないでしょうか。
クリスマス(12月25日)
クリスマスのミサは、通常、午前中に行われます。
やはり、通常の日曜礼拝などどは参加する信者の数が違いますし、信者以外の一般参加者も増えるので時間も長くなります。
フランスでは、クリスマスにブッシュ・ド・ノエルと呼ばれるクリスマスツリーのほかに、クレッシュ・ド・ノエルとよばれる、キリスト生誕のジオラマを飾る伝統があります。
イエス・キリストが生まれたとされる馬小屋のミニチュアに、小さな聖人人形サントンを飾ります。これは、クリスマスの準備期間に飾るのですが、ミニチュアや人形などはインテリアデコレーション専門店や、各地で開かれるクリスマスマーケットなどで入手可能です。
そして、25日クリスマスの朝、クレッシュ・ド・ノエルのジオラマのなかでひとつだけ空いていた、「赤ちゃんのかご」にイエス・キリストの人形(赤ちゃん)を置き、キリスト誕生となるわけです。
ファミリーイベント的な色合い
年間行事の中で、欧米のクリスマスの位置付けは、日本のお正月とほぼ同様と考えてもよいと思います。
「家族や親戚とともに過ごす休暇」、という位置付けですね。
日本のお盆の場合、必ずしも休みが取れるわけではないので、遠方の実家に帰省できる人ばかりではないと思います。一方、お正月のほうが(もちろんお正月も休みなく仕事という人もたくさんいますが)休みが取りやすいという人が多いのではないでしょうか。
欧米では、25日クリスマスは「国民の祝日」。イギリスやカナダなどの英連邦では、翌26日も「ボクシングデー」と呼ばれる休日です。
1月1日もニューイヤーデーで祝日なので、この辺りでまとめて休みを取る人が多く、遠方の実家などに帰省するようです。親兄弟、甥や姪、親戚など、山のようなプレゼントを準備していきますよ。
クリスマスは、「国中の母親たちが子世代の帰省を期待している日」なので、毎年、夫側の実家に行くか妻側の実家に行くかで揉める家庭も多いとのこと。(どこの国でも同じですねえ)
クリスマスは恋人と?
基本、クリスマスは自分の家族と過ごすのが欧米の人です。
クリスマスだから恋人と二人きりでロマンチックな旅行を、という考えの人は少ないかと思います。
ましてや、クリスマスイブだからセレブなホテルで二人でラブラブナイト!なんてことは、欧米の人との恋愛では期待してはいけないかも。
でも、公認の恋人同士になったら話は別です。
「二人きりのロマンチック・クリスマス」はもちろんナシですが、公認の仲となると、どちらかの実家でクリスマスを過ごすというカップルも多いとおもいます。
どっちに行くか、でケンカになったりして。。。
まとめ
クリスマス、というと「ロマンチックな夜」というイメージが先行しがちな日本。宗教的な意味合いを少し離れてしまっています。
欧米のクリスマスはキリスト教という宗教に基づくお祭りなので、ちょっと色合いが違います。
それでもクリスマスならでは風物詩が各地で見られるので、機会があったらぜひ12月の欧米も訪れてみてはいかがでしょうか。