よく、「暮らすように過ごす海外の旅♪」なんていいますよね。
外国のアパート暮らしって、なんだかとても素敵なイメージ。
実際はどうなのでしょうか。
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
海外で、自力で住むところを探のは、かなりエネルギーがいります。
駐在員として、赴任する場合は引っ越し荷物のお世話から入居先まで会社がお世話してくれますが、単身で海外に飛び出した場合、全部自己責任。
結構なオドロキ体験ができます(ポジティブに言えば…)。
今回の記事は、実際に体験した海外での住居探しについてのレポです。次のような方のために、笑われるのを覚悟で書きましたのでどうぞお楽しみください!
- 面白い海外体験を読んで笑いたいかた。
- 海外住居探しの様子をのぞいてみたいかた。
- 単身での海外移住をお考えのかた。
目次
海外での住居探しは大変なの?
一言で言えば、大変。
会社や大学などの組織のサポートなしに、ゼロから自分で探す時。これは、結構大変です。
まず、どうやって情報を得るのか?というところからスタートしなくてはいけませんよね。ネットだけに頼るサーチでは、なかなか思い通りにいかないと思います。
「大変」な理由は、次の5つの点が原因と思われます。
- すべて現地の言葉なので、まず語学ができないと辛い
- 不動産業者があまり動いてくれない
- 東京のように不動産情報のネットワークが徹底していない
- 不動産業者も、家主も、内見などの約束の時間を守ってくれないことも多い
- 「清掃・消毒済み」の物件は皆無
どうやって探すの?
筆者が単身海外に飛び出した頃は、インターネット自体まだ普及していませんでした。なので、タウン紙や新聞の「空室あります」広告から探すのが一般的でした。
良い部屋はすぐに決まってしまうので、発行日の朝、すぐにリストアップして電話をかけまくるという方法。
それから、地元大学の学生サービスセンターが配布するリストから探すという方法もありました。
でも、もっとも頼りになる方法は友人や同僚経由の口コミでしたね。
現在は、おそらくネット経由の部屋探しが主流だと思われます。
「賃貸マンション」は存在しない
英語圏で、「賃貸マンションを探しています」というと、きっと現地の人はびっくりすることでしょう。
マンションというのは、大邸宅を意味する言葉。昔も今も、大きなお屋敷のことしか指しません。
賃貸でワンルームマンションを、という場合は、次のような言葉を使います。
- イギリス: Studio flat (ステューディオフラット)
- アメリカ: Studio apartment(ステューディオアパートメント)
- カナダ: Bachelor(バチェラー)
カナダのアパート探し体験
さて、「今だから笑える」物件探しの珍体験、ご紹介します!
20代の時に、単身飛び込んだカナダでの体験です。
トロントの恐怖体験
オンタリオ州のトロントで数年を暮らした頃のこと…。
引っ越ししたら、「部屋が空いてなかった」
ちゃんと契約を交わし、契約金も払い、大きな車を借りて引っ越し先に向かいました。
ダウンタウンの安アパートでしたが、ようやく見つけた独り住いの1LDK。アパートの管理人室に行ったら、「え?来ちゃったの?」みたいな反応。
実は、契約した部屋の前の住人が「引っ越しを取りやめた」とのこと。
信じられないですよね、これって。絶対に日本だったらありえない話です。
かわりにあてがわれた部屋では…
「でも、ラッキーだよ、君。ペントハウス(最上階)がちょうど空いているんだ!」と言ってあてがわれた代わりの部屋。
まあまあきれいだったので、「まあいいか」と引っ越しに合意し、荷物を運びいれました。
ところが夜になると…
ちょっと古めの普通の部屋、と思っていたのですが、恐ろしいことが起こりました。
夜が訪れると同時に、あらゆるところから小さな茶色のゴキブリ!!が湧いてきたのです。
トイレを使った後、しばらくしていくとトイレの中に数匹が浮かび。。。
お風呂を消毒して湯船を張っていたら、やはり数匹がお湯に浮かび。。。
冷蔵庫も消毒して、「さて食品を入れよう」と思ったら、さっそく数匹が庫内に。。。
台所の引き出し、クローゼット、床、ありとあらゆるところに、気づけばそこに数匹が…
それだけじゃなかった
『地獄絵図ゴキブリ屋敷の恐怖』は、まだ続きました。
夜も更けると、今度は天井からポタポタと、ベッドの上にゴキブリが落ちてくるではありませんか!
もう、寝てる場合じゃない! と、いうか絶対寝るわけにいかない。。。。頭からシーツを被って室内ビバーク体制ですよ。
あまりにありえない状況。
虫はもともと得意ではなかったのですが、この一件で「恐怖症」レベルになりましたね(笑)。
さらに最悪なことに…
玄関のドアノブが壊れました。
鍵をかけようとしたら、あっさり、ドアノブごと取れてしまったんです。
なぜこんなアパートを選んだのか?
こんな不潔で恐ろしいことが起きるアパートをなぜ選んでしまったのか?
数人の女子とハウスシェアをして嫌な目にあったので、焦って「一人で暮らせるアパート」を探していました。収入が低かったので、家賃の予算はかなり抑えめ。
でも、多少古いけれど、普通に人が住んでいるし、街の中心地から近いし、交通も便利。知り合いもすぐ近くにいたし、特に危険な地区でもなかったんです。
ただ、筆者は若くて、まだまだ世間知らずでした。
そこは、移り住んできたばかりの移民が多く暮らすアパートだったんです。
一人暮らし用のアパートに、国から逃げるようにしてやってきた家族8人とかでギュウギュウに住んでいるところだったと知ったのはゴキブリ事件の後です。
「暑い国から、荷物と一緒にゴキブリも運ばれてくるんだよ」、と日本人の年上の人たちから言われました。
暮らしていく数年の間に、清潔なところで一人暮らしをしたいなら、地区ごとに「最低相場」というのがあることを知りました。やはり、相場より安い場合には、なんらかの問題はあるんですね。
もちろん、ゴキブリ屋敷は即刻退去。最初に契約した部屋ではなかったという理由を盾に、全くのペナルティなしで交渉成功しました。
*その後も、「安めの家賃のところに契約したら、やはりゴキブリがどんどん湧いてきた」という経験をしました。今もトロントの安アパートにはゴキブリ問題があるんでしょうかね…
トロントの不思議な人たち
自力で住居探しを繰り返していると、妙な人たちや、不思議な物件に出会います。
何人で暮らす?
トロント大学の住居案内リストに掲載されていた物件の一つですが。。。
電話で問い合わせたら、感じの良い女性が「今日にでも見にいらっしゃいよ」と言ってくれました。延々と地下鉄に乗り、北の終点で降り、殺風景な高層アパートが並ぶエリアに到着。
どうみても1寝室しかないアパートです。
おばさんと、息子(20代)が暮らしていました。
「私たちは、適当にリビングのソファで寝るから、あなたは寝室を使っていいですよ。ときどき、親戚も泊まりにくるけど、かまわないわよね?」
いったい、何人で暮らすつもりなのか…?
もちろん、お断りしました。
自然主義だけどいいですか?
これもトロントでの話。
シェアアパートメントを探していて、新聞で見つけた「女性のルームメイト求む。」という広告の電話番号に問い合わせました。
すると、女性が出て「あなたが住むの?あら、日本人なの。私は自然主義者なので、普段アパートの中では服を着ないのよ。ふたりで裸で過ごしましょう」とのこと。
どう解釈したらいいのかわからず、怖くなりました。もちろん、内見もしていません。
アメリカのアパート体験
アメリカでもアパート暮らしをしているのですが、こちらは会社の手配した駐在員用でしたので、あまり奇妙な問題は発生しませんでした(笑)。
鍵が合わない不思議
怖いことや不潔なことはなかったんですが、ひとつ問題が。
人事部から渡された鍵は4セットありました。
「なんか、どれがどれだかよくわからないから、とりあえずこれだけあげる」と言われたのですが、これがイマイチ、外玄関と内玄関で2個1セット。合計8個です。
そのうち、本当にマッチしたのは、外玄関1個と内玄関1個。あとの6個は、いったい何だったんでしょうね…。ちょっと怖い。
巨大な共同ゴミ箱
ヨーロッパや日本では、環境保全とゴミ処理問題がすでに大きな議論となっていた2000年代。
アメリカの田舎町では、とてものんきなものでした。
「見てごらんなさいよ、アメリカはこーんなに広いんだから。どんなゴミだって、埋めちゃえばOK!」と豪語していた同僚もいたくらい。
アパートの敷地内には、共同のゴミ箱が設置してあるんですが、それがハンパじゃない大きさなんです。生ゴミや瓶や缶と一緒に、テレビとか平気で捨ててあってびっくりしました。
フランスのアパート探し体験
フランスでは、家族向け物件をいやというほど見て回りました。
待ち人来らず
アパートを探していた当時、物件情報誌などを見て、そこに広告を出している業者に問い合わせるのがほぼ毎週の日課でした。
メールじゃ埒があかずに、電話をする。調子のいい応対で、すぐに「お会いしてお話伺います」になります。
でも、約束の日に業者があらわれないことも珍しくないんですよね。
実際に会って条件等を説明しても、そのあとは対応ゼロだったり。
本当に「待ち人来らず」なフランスです。
▼ フランス人と暮らしてみると、「へえ〜、そうなんだ」と驚くことがたくさん。日本人とはかなり違うし、英語圏の人たちともやはりちょっと違う。日本では「非常識かも」ということが常識だったりもします。意外と知られていない、フランス人ならではの「常識」ご紹介しています。
トイレ経由で入る家
これは、アパートではないのですが、かなりビックリしたので(面白いという意味で)ご紹介します。
郊外のある一軒家を見せていただいた時のこと。
駐車スペースからガレージを先に見せていただき、住居部分に移動する際、ガレージから続くドアを開けたら「トイレ」でした。その先にまたドアがあり、そこをあけたら住居につながる階段。
つまり、通路にトイレが鎮座していたわけで…。
あとにもさきにも、こんな家は『トイレット博士』以来ですね(笑)。
東京から引っ越してきたイタリア人の話
東京での駐在を終えてフランスに戻ったイタリア人の知人。
「東京じゃ、引っ越しした先の床を舐めても汚くないくらいカンペキに掃除してあるの!」と感心することしきり。
なぜなら、フランスで入居した先は、入ってまず大掃除。電気の配線が壊れ、お風呂が壊れ、、、と、引っ越し早々修理の連続だったからだそうです。
賃貸で引っ越して、まずすることは家中の掃除と除菌、ですね…。
まとめ
海外でのアパート探しについて経験談からまとめてみました。
日本の常識でとらえると、かなりビックリすることも多いですよ。
不動産屋さんに案内されて物件を見に行く。
日本の場合は、内見の時にすでに、多くのアパート(マンション)は、綺麗に清掃されています。実際の引っ越し時も隅々まで清掃され、トイレは消毒済みになっているのが日本の賃貸物件の常識。
でも、海外では、その常識が見事に覆されることばかりです。
まず、清掃は自分でやらないとだれもしてくれないということ。そこそこキレイな物件もありますが、「消毒済み」などということはまずありません。
安全も、自分でしっかり確認しないといけないということ。鍵が壊れている、開かない、インターフォンが使えないなどは、たぶん「海外家探しあるある」でしょう。
いろいろ「想定外」なのは、ある意味当たり前かもしれません。なにしろ外国なんですから…。