フランス人の朝ごはんといえば、クロワッサン?
それからカフェオレ?
毎朝、本当は何を食べてるの?
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
「朝食は1日で最も大切な食事、しっかり食べよう」
こんなことを言われて育ちませんでしたか?
特に、成長期で学校に通う子どもたちには「脳のエネルギーとして糖質が必要!」だと言われていますよね。
そのため日本では、卵料理などの温かい朝食を食べる家庭も多いでしょう。
海外ではどうでしょうか。
旅行者の場合、朝食はホテルで済ませることが多いかと思います。
このホテルの朝食も、国によって(ホテルのグレードによっても)本当にバラバラ。
ヨーロッパの中でも北と南では随分違うんですよね。
イギリスは、ボリュームのあるイングリッシュブレックファーストが有名。
ドイツや北欧では、各種のパンにチーズやハムに果物などが出てきます。
でも、フランスを含むラテン諸国はとってもシンプル。
パンやクロワッサンにカフェオレやヨーグルトが中心。
「コンチネンタルブレックファースト(大陸風朝食)」と呼ばれるものです。
この記事では、
フランス人が普通に食べている朝食
フランスらしい朝食のメリット
についてご案内します。
毎日クロワッサンを食べているわけではない、フランス人の「普通の朝ごはん」、のぞいてみませんか?
目次
日本人が驚くフランスの朝ごはん
子どもの頃、フランスのエスプリたっぷりの絵本『カロリーヌシリーズ』と出会いました。
その中に、『カロリーヌ キャンプにいく』というお話があります。
キャンプ場の朝ごはんに、カロリーヌのなかまたちはボウルを抱えて、クロワッサンを食べているシーンが…。
なんだかとても不思議な風景だと思ったのを覚えています。
当時は、カフェオレボウルという存在も、その中にチョコレートミルクが入っているということも知らなかったんですね。
大人になってフランスに移住してからも、フランスの朝ごはん風景には驚かされることがいっぱいです。
飲み物はカフェオレボウルで
日本でも、おしゃれなカフェオレボウルは人気ですよね。
小さなカフェオレボウルは、フランスからのお土産として喜ばれます。
フランスの家庭の朝ごはんで、最初にびっくりしたのは、このカフェオレボウル。
本当に、ジュース以外の朝の飲み物は、このカフェオレボウルで飲むんです。
カフェオレに限らず、です。
コーヒーも、紅茶も、ココアも、です。
ここのところ、自然派のフランス人に人気の緑茶も、もちろんカフェオレボウル。
パンを飲み物に浸して食べる
カフェオレや紅茶を、口の広いカフェオレボウルに入れる理由の一つがこれじゃないかと思うんですが…。
ほぼみなさん、例外なく「固形物を液体に浸して」食べます。
クロワッサン、バゲット、クッキー、ビスコッティなど、炭水化物系をびちゃっと、濡らしてから食べるんですね。
こうすると、口の中がモサモサしない、というメリットが。
だいたいにおいて、フランスの朝食はパサバサ・モサモサしたものが主流なので、水分をつけてから食べるという方法は理にかなっているともいえますね。
同じものを毎日くりかえして食べる
よほどのことがない限り、朝食は判で押したように同じもの、という人が多いようです。
よくあるパターンは次のようなものです。
● フルーツジュース、紅茶、バゲットにバターを塗ったもの
● 温かいココアにビスケット
● フルーツジュース、シリアルに牛乳をかけたもの
日本の朝ごはんといえば、毎朝なにかしら趣向を凝らしたおかずやお味噌汁が出される家庭もあるので作る方は大変。
それと比べれば、フランスの朝食準備はごくシンプルです。
「塩気」はいらない
フランスの朝ごはん、塩気がまったくないんです。
先ほどの例にもあるように、しょっぱくない炭水化物と飲み物が中心。
強いて言えば、「ドゥミ・セル」という塩分を含むバターが「唯一のしょっぱいもの」でしょうか。
フランス人との会話の中で朝ごはんについて話題になったことがありました。
日本の典型的な朝ごはんの話をしたら、
「朝ごはんにしょっぱいもの?無理、無理――!」
とのこと。
たしかに、どこの家庭におじゃましても朝ごはんは大体同じ。
カフェオレや紅茶に、トーストしたバゲットというのが普通です。
タルティーヌ
フランスの食生活で、よく使う言葉の一つ、タルティーヌ。
日本では、「フランス式オープンサンド」と紹介されていたりします。
なんかご馳走のようですが、普通にフランスでタルティーヌというと、焼いたバゲットにバターとかジャムを塗ったものです。
バゲットを縦半分に切って、こんがりトーストし、そこにバターをたっぷり。
そして、カフェオレボウルにたっぷりいれたミルク入りコーヒーに一口分を浸し、湿ったところをがぶりと食べます。
またバゲットをコーヒーにちょっとつけて、がぶり。
最後に、バターの油とパンかすが浮いたコーヒーを飲んで終わりです。
「おやつ」のような朝ごはん
マドレーヌ1個とコーヒー。
ビスケット2枚と紅茶。
こんなおやつのような朝ごはんを食べる人もいるようです。
甘いものと温かい飲み物で、とりあえず目を覚まして1日を始めるという感じですね。
大人たちは夜の食事が遅くなりがちなので、お腹が空いていないという理由もあるようです。
クロワッサンは毎日登場しない
クロワッサン、おいしいですよね。
フランスでは、どんな田舎でも必ずパン屋さんがあるんですが、たまに「運命の出会い」的な絶品クロワッサンに出会うと幸せな気分になります。
でも、クロワッサン、見た通りの高カロリー。
しかも毎日家族でバクバク食べるほど安くもない。
と、いうわけでフランスの人たちも、毎日クロワッサンを食べているわけではないんですね。
週末とか、祝日とか、家族で出かけたときにカフェでおやつとして食べるとか。
フランスの典型的な朝食とは?
ここで、フランス人が普通に食べている典型的な朝食をご紹介しましょう。
フランス人の朝の定番の飲み物
どの家庭でも準備しているのが、フルーツ100%ジュース。
オレンジや柑橘系ミックスなどが定番です。
ジュース用オレンジが安く売られているので、絞りたてを飲む人も。
それから、牛乳。
子どもたちには、温めて甘いココアを混ぜるのが定番。
大人はコーヒーに牛乳をまぜてカフェオレに。
紅茶や緑茶も人気です。
特に、緑茶は「なんとなく健康的」なイメージが強いのか、いろいろなフレーバー付きも多いです(そのままでは苦いから)。
すでにご紹介したように、温かい朝の飲み物は大ぶりのカフェオレボウルでいただきます。
フランスの朝の主食
王道はやはりバゲットでしょう。
フランス人は、本当にバゲット大好き。
日本人にはご飯が必要なように、フランス人には皮がパリッとしたバゲットが必須。
お昼ちょっと前になると、美味しいと評判のパン屋の前には長蛇の列。
そしてバゲット抱えたおじさんが街を歩く姿。
このフランスの皮パリッのバゲット、翌日には固くなってしまいます。
それを切ってトーストしたものが朝食となるわけです。
シリアルも人気
子どもたちや、若い世代に人気の朝食といえばシリアル。
チョコレート大好きフランス人だけあって、チョコ味シリアルは子どもたちの定番でしょう。
どこのスーパーでもシリアル売り場はかなりの広さで、日本でも見かけるおなじみブランドの各商品がどーんと並んでいます。
食パンやビスコッティ
賞味期限の長い袋入りの食パンやビスコッティも、定番の朝食メニューのひとつ。
バゲットを毎日買わない人もいるので(夜の炭水化物は控えたい人も多い)、朝の忙しい時に簡単に食べられる食パンやビスコッティを買い置きしておきます。
バゲット同様、バターやジャムを塗って、温かい飲み物に浸して食べるんです。
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フランスの朝食には登場しない、あの「定番」
洋風の朝食というと、頭に浮かぶ定番ってありますよね。
ホテルでいただく朝食のように、オムレツやベーコン、ソーセージ。
生野菜のサラダに、フルーツ。
「洋風朝食の定番」と言われながら、フランスの家庭の朝食にはまず絶対登場しないものをご紹介しましょう。
塩気のあるもの
もうすでに、先に紹介してしまいましたが、塩気のあるものはフランスの朝食には登場しません。
しょっぱいもの、といえば有塩バターくらいなのがフランスの朝ごはん。
ハムやソーセージ、スープなどは一般に朝ごはんのテーブルに乗ることはないかとおもいます。
調理が必要なもの
「朝からわざわざ調理はしない」が徹底されているフランス。
簡単な卵料理もしません。
もちろん、ソーセージを焼いたり…なんてこともなし。
お弁当を用意するにしても、パンにハムとチーズを挟むだけなど、火を使わないんです。
サラダやフルーツ
家庭の朝ごはんにサラダが登場したのを見たことはないですね。
そもそも、フランスのサラダといえばレタスにドレッシングをまぶしたもの。
きゅうりや、トマト、ブロッコリーなどが彩り鮮やかに盛り付けられる日本の生野菜サラダとは一線を画したものになります。
そして、「意外!」と思うかもしれませんが、フルーツも朝ご飯にはなし。
ジュースを飲む人は多いですね。
フレンチトースト
フランス式トーストというくらいだから、フランスではさぞポピュラーな朝ご飯メニューなんじゃないかと思っていましたが、これも登場しません。
そもそも、フレンチトーストという名称すらないんです。
同様のものは、パン・ペルデュ(固くなって食べられなくなったパン、という意味)という名前で存在します。
でも、朝ご飯には食べません。
デザートです。
アメリカのホテルなどではとても一般的ですけどね。
フランスらしい朝食の「なるほど!」
フランスの人たちの暮らしをのぞいてみると、非常に合理的だなと思うことがたびたびあります。
細部にこだわらないフランス気質。
時間にルーズだったり、自己主張が強すぎたりと、必ずしもポジティブなことだけではないんですが、フランス人のおおらかさには見習うべき点も。
暮らしの中のいろいろなことに、あまり時間やお金をかけないフランス人。
朝食にも、そのスタンスが表れています。
朝から調理しない
フランスの平日の朝ごはんは、とてもシンプル。
そして、毎日ほぼ同じ内容。
小学生だって自分で準備できるものばかりです。
よくある朝ごはんの風景はこんな感じ。
朝、キッチンにいき、テーブルに出してあるシリアルをボウルに入れて牛乳をかけるだけ。
冷蔵庫からオレンジジュースを取り出して、コップに注ぐ。
朝早く起きて、お弁当の準備をし、お味噌汁を作り、ハムエッグに生野菜を添えて…、などという時間のかかることは一切しないのがフランス流です。
洗い物を極力少なく
朝食のためにわざわざ調理をしないので、洗い物も少なくて済みます。
家族各自のカフェオレボウル、ジュース用のコップとスプーンくらいです。
バゲットを切ってトーストする場合も、わざわざお皿など用意せずにテーブルにパンを直置きという人も多いみたいですよ。
(そのテーブル、流しやカウンターを洗ったスポンジで拭くので、「衛生的にどうよ?」と思ってしまう日本人も多いです)
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日本の朝食、フランス人はどう思う?
私たち日本人にとっては、朝食は「1日の元気のみなもと」。
幼稚園、小学校と、そのように指導されてきた人も多いのではないでしょうか。
「美味しい朝ごはんは、お母さんの愛情表現のひとつ」みたいに思う人もいるでしょう。
旅館の朝ごはんは、一種の憧れだったりします。
ではフランス人は日本の朝食をどう思うのでしょうか。
手間かかりすぎて無理
家族や親戚の集まりで、朝食の話題になったことがありました。
日本では、朝ご飯に温かい料理が出されることが多いという話をしたら、女性たちが
「うわー、無理。朝から料理してられない!」
「しょっぱいものを朝から食べられない!」
とコメントしていました。
確かに、子どもの頃から牛乳にトーストを浸してさっと食べて終わり、という暮らしをしている彼らに日本の朝食はハードルが高いでしょう。
やっぱり慣れたものが一番
日本びいきの人が多いフランス。
漫画やファッションだけでなく、「味」も日本びいきの人が本当に多いんです。
パリの日本食レストランは、いつも現地のフランス人でいっぱい。
みんな本当に美味しそうにうれしそうに、日本食を食べています。
最近では、おにぎりやお弁当なども人気で、田舎町のスーパーにも寿司&弁当コーナーがあるほど。
ところが、朝ごはんとなるといきなり保守的になるようです。
やはり食べ慣れたいつものシンプル朝食がしっくりくるんでしょうね。
どんなに日本食礼賛の人でも、朝は「前日の残りのバゲット」を焼いてコーヒーに浸して食べています。
まとめ
美食の国フランスに住む恋愛大好きフランス人。
彼らの普段の朝ごはんをご紹介しました。
美味しいものを食べていそうですが、実はかなり質素。
合理主義のフランス人らしく、朝食には本当にお金も手間もかけない人が多いんです。
彼らの朝食がとてつもなく「軽い」のは、夜の食事時間が遅いという理由もあるかもしれませんね。
忙しい朝に、時間の負担をかけることなくサッと済ませる朝食。
フランス人なりの理にかなった方法ともいえますよね。
もしフランスに旅行されるなら、朝のカフェでサクサクのクロワッサンと大ぶりなカフェオレ、ぜひお試しくださいね!