フランスで日本人が暮らすと、実際どんな感じ?
おしゃれなイメージも強いけれど、
生活もゆとりがあって豊かなのかな?
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
日本人の人気海外旅行先では常に上位のフランス。
「暮らしてみたい…」と思う人も多いようです。
芸術やファッションの発信地でもあり、世界に冠たるグルメの国でもあるフランスですが、反面、日本人が移住するとなかなか大変な思いをする国でもあります。
たとえば、日本には便利なものやサービスがいっぱいありますよね。
ふだん当たり前と思っていることが、海外では「普通に存在しない」ことだったりするもの。フランスでは、それにプラスして、「フランスならではの文化や習慣」が強いため、日本人から見ると不便に感じることもあるんです。
この記事では
フランス在住の日本人が実際の生活の中で感じる
フランスならではの不便さ
についてご紹介します。
「普段着のフランス」がわかります!
目次
フランス生活は不便さも「フランス的」
日本って本当に生活に便利なサービスが揃っているんですよね。
「遅れないのが普通」な公共交通網
あらゆる便利がギュッと詰まっているコンビニ
電話一本で日本中どこでも荷物が送れる宅配便
これほど消費者が便利に暮らせるような緻密なサービスが提供される国は、きっと他にはないのではと思います。
そのためか、フランスで暮らしていると、「ここの生活って不便…」と感じることが多々あります。
でも、よくよく観察するとフランス生活の不便さって、とってもフランス的なんですよ。
フランス共和国の標語、「自由・平等・博愛」については聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
かのフランス革命のスローガンが起源ですが、今もよく目にするし、耳にします。
フランス生活の不便さ、筆者が思うに「自由・平等・博愛」の精神からきているのではないでしょうか。
フランス生活の不便は自己主張のたまもの
フランス人、自分の主義主張を持っています。
とにかく議論が大好き。
だから、デモやストも多くて、異様な盛り上がりを見せます。
少しでも自分が「不平等!」と感じることに対しては、異議申し立てをいといません。自分が平等に扱われていると感じることが重要みたいです。
ほぼ毎週なんらかのデモが行われ、ストもしょっちゅう。
待遇改善を求めて高校生がストを起こすことだってあるし、教員が待遇改善を求めてストを行い学校の授業が休みになることもあるんです。
自分の自由は絶対守りたいフランス人
自分が「自由」であることも、フランス人にとってはとても重要。
だから政治への関心も強く、選挙への投票率も高いと言います。自分たちの代表を、自分たちで自由に選びたいという意識が強いんだと思います。
Vivre Livre ou Mourir (自由に生きるか、さもなくば死を!)
は、フランス革命時の重要なスローガンの一つです。
フランス生活の不便6連発
ここからは具体的に、日本人がフランス生活で感じる不便な点の代表格をご紹介します。
公共交通が不便
フランス人には車の運転が好きな人が多いです。
と、いうより長距離運転が苦にならない人が多い、と言ったほうがいいかもしれません。
何しろまとまった休暇が多くて長いので、家族と荷物を山のように積んで海や山や田舎の家に出かけるのがお定まりのパターン。
鉄道は、フランス国鉄が運行しているんですが、モータリゼーションの影響で地方の赤字路線がどんどん廃線になって久しいのは日本と同じ。
TGVとかは有名ですが、そのTGVが走る幹線はまだしも、特急列車や普通列車の走る路線は本数も少ないんですよね。
しかも乗り継ぎも悪い。
車なら2時間の距離を、鉄道なら4時間かかってしまう…というパターン。
遅延も日常茶飯事です。
廃線になった鉄道の代わりに高速バスが導入されましたが、エコじゃないという理由でまた鉄道へ人流を戻そうとしているみたいです。
でも、あまりにも不便なので、結局は車に頼ることになるんですよね。
買い物が不便
フランスだって、日本と同じように郊外には大型店舗が並び、オンラインショッピングも盛んです。ネットで注文して、車で取りに行く「ドライブスルー」も一般的。
ちょっと前と比較するとずいぶん便利にはなっているんです。
でも、日曜日はスーパーが午前営業をするくらいで、ほぼ全部の商店が休み。
これはかなり不便。
平日働く会社員は、土曜日しか買い物の時間がないため、土曜日の郊外のショッピングエリアは激混みになります。
医療機関の予約がすぐ取れない
社会保険制度が整っていて、日本同様に一部負担のみで医療を受けられるフランス。
でも、医療資源(人員や設備)が公立の大学病院や私立の大手病院に集約されているので、日本のように「とりあえず病院に行って待てば診てもらえる」わけではありません。
まずは、かかりつけ医の予約。
即日診察してもらえることはまれで、普通の風邪でも数日後の予約。辛いのを我慢しているうちに、予約の日までには自然治癒しちゃうことも多いんです。
そこから、かかりつけ医の判断で投薬を受けたり、専門医への紹介を受けます。
薬は薬局で購入し、専門医とはまた新たに予約をします。緊急性が高い場合を除いて、専門医は予約がずいぶん先になることも。
婦人科で半年待ち、眼科で1年弱なんてことも。
さらに、レントゲン、CT、MRI、血液検査などは臨床検査センターへ自分で行かなくてはいけないし、注射が必要なときは看護師と予約を取ってお願いするパターン。
▼ かなり面倒で時間のかかるフランスの医療機関での受診など、病気になった時の「大変」についてはこちらの記事もどうぞ!
待ち人来ない
修理や改装などで業者を頼んだとき。業者が約束の時間に遅れてくることも、それどころか、まったく現れないこともよくある話。
友達とランチの約束をしていて、
「ごめーん、ボイラーの修理の人がものすごく遅れてきたの〜。30分おそくなる〜!」
なんていうことも珍しくないんです。
うちも、造園業者と契約して工事を始めたのに、途中からなかなか来なくなって、中途半端に数ヶ月放置されたこともありました。
電話しても、のれんに腕押し。
「どうしても急ぎの案件がはいっちゃって。来週行きます」
で、約束しても来ないんですよ。工事終了が結局2年遅れになり、その後もゴタゴタしました…。
顧客サービスの「サービスがイマイチ」
日本人が集まると盛り上がる「フランスあるある」の代表格が、フランスのサービスの悪さ。
残念ながら、顧客サービスがあまり親切でないことが多いです。そもそも、フランスでは「お客様は神様ではない」です。
(欧米諸国どこに行っても、同じですが)
高級レストランやホテルでは、どこでも丁寧な対応をしてくれますが、普通のお店では「すごく丁寧なサービス」は期待できません。
ただ、入店時にちゃんと挨拶をしてからお店に入るとか、勝手に店のものを触らないなどのマナーを守っていれば、きちんとした対応をしてくれる店がほとんどです。
サービスに不満を感じることが多いのは、「お客様サービス」。電話や窓口で顧客の問い合わせやクレームに対応する、あの係です。
電化製品が壊れた、ネットワークがつながらない、オンラインショップで購入した商品にダメージがあった…などなど、「お客様サービス」を利用することって日常生活でけっこうありますよね。
これが、電話はつながらないし、待たされるし、話が1回で終わらないし…。
対応も遅くて、再度連絡するとまた1から説明し直しで…というループになりがち。窓口に直接行っても、対応が悪くてイライラさせられると嘆く人が多いですね。
▼ 日本の店員さんの丁寧な応対とは違って、ヨーロッパのお店では接客態度にモヤモヤさせられることも。その不愉快さを回避するコツをご紹介した記事はこちらからどうぞ。
なにかと待たされる
フランス人、たぶん時間の感覚がすごくルーズなんだと思います。
うちの家族も人を待たせて平気。
大抵の人も時間通りには動かない。もちろん電車も遅れても平気(ダイヤ通りに着くほうが珍しい)。
夕食に呼んでも呼ばれても、15分は遅れて行くのがマナーっていうくらいですから。
個人の自由と権利は「便利」より大切
フランス社会で生活していて実感することは、
個人の自由と権利を守るためには多少の不便はしかたない
というスタンス。
パリ市内の百貨店などの日曜営業が増えているんですが、これには人権主義者であり、カソリック教徒でもある義親戚の高齢者たちはご不満の様子。
「お店で働いている人だってみんな家族がいるでしょ。
日曜くらいちゃんと教会に行って、家族と一緒に過ごさなくちゃダメよ。
個人の自由を奪ってまで、便利である必要はナシ!」
でも、忙しい毎日を送る働く女性たちにとって、土曜日以外にも日曜日も買い物に出かけられるメリットって大きいと思うんですよね。
これはあくまでも消費者側の意見ですが…。
観光客にとっても日曜営業は大きな魅力で、経済の活性化にもつながっているのではと思いますね。
まとめ
フランス人には、人生の楽しみ方を知り尽くしている人が多いと思います。
生き方が「豊か」なんですよね。あまりこせこせしない、ゆとりと楽しみが第一という感じです。
日本人がフランスで生活すると、暮らしにゆとりを感じる一方で、やはり不便を感じることも多いですね。
フランスで生活すると日本人が気になるであろう「不便な点」をまとめてみました。
日本が便利すぎので、フランスのちょっとした違いが不便に感じることも多いかもしれませんね。