国際結婚をしている人に聞きたいです。
外国人と結婚して「良かったなー」と思うことはなんですか?
反対に、ここは辛いということもありますか?
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
「国際結婚したい、ハーフの子どもが欲しい!」という積極的な人もいる一方で、「彼氏が外国人だけれど、結婚を考えていいのか迷っている」という慎重派もいる国際結婚予備軍。
経験者としては、
国際結婚は最高なので、ぜひ外国人の夫を探しましょう
と言いたいところですが、実際は大変なことも多いのが現実。
それでも、外国人の夫と結婚してよかったなとつくづく思っています。
この記事では、筆者自身や友人たちの実体験をベースに
国際結婚して良かったと思う点
国際結婚の辛い点
をご紹介していきます。
個人の体験によるものなので、必ずしもこれが正解ではないかもしれません。
国際結婚に迷っているかたへの何らかのサポートになれば幸いです。
目次
国際結婚して良かった10のこと
国際結婚で海外移住して、もう15年以上がたちました。
海外生活は楽しいことばかりというわけではないのですが、「この人を選んで良かった」とはいつも思います。
これまで出会った友人や知人にも、国際結婚の人が多い筆者。
「幸せそうだなあ」と思うカップルを見ていると、国際結婚の良さには次の10のポイントがあるように思います。
- 好きな人と一緒にいられる
- 大切にしてくれる
- 今までと違った考え方ができるようになった
- 毎日が楽しい
- 愛情表現が豊かで愛されている実感がある
- お互いを理解するには根気と思いやりが必要なので、人間的に成長できた気がする
- 男女平等という意識があるのでラク
- 違って当然、分かり合えないことがあって当然という意識があるので逆に分かり合える
- 協力して子育てできる
- 長い休暇に慣れている外国人夫は遊びのプロ
ひとつずつ見ていきましょう。
好きな人と一緒にいられる
結婚の基本のキ、万国共通なポイントです。
やはり、国際結婚のいろんな大変さを乗り越えても「良かった!」と思えるのは、好きな人と一緒に生きられるということでしょう。
生まれ育った環境も大幅に違い、母語も違い、食習慣だって違うことが多い国際結婚。
「この人と一緒に生きていきたい」と強く思える相手とでないと、長い人生を家族として協力していけないですよね。
(そういえば、国際結婚組の日本人女性たちから、「親の猛反対をうけた」という話を聞いたことがないのです…。)
大切にしてくれる
日本人男性との結婚経験がないので、比較することはできないのですが…。
欧米男性の多くは、女性をとても大切にしてくれると思うんですよね。
小さい頃から、男性が女性を大切にする様子を見て育っている、という背景があるからなのでしょうか。
大切にしてくれる、というのは単に花束を買って帰ってくるとか、家の掃除をするとかということではありません。
心情的なことです。
結婚した当初、義母が次のようなことを夫に言っていました。
遠くから連れて来たんだから、毎年必ず里帰りさせるのは当たり前のこと!
なるほど、こうやって彼ら男性たちは女性を尊重することを学んでいるんだなと思いました。
今までと違った考え方ができるようになった
結婚するまでは、思い切り仕事をして一人暮らしを楽しんでいた自分。世界は自分の周りで回っている…という感じでした(要するに自己中心的な生き方をしていた)。
でも、異国で結婚して、外国人と家族になってみて、(ちょっとだけ)多角的に物事を考えるようになったように思います。
なにしろ母語が全く違う人との家族運営。
そして、文化的な背景も全く違います。
夫はカトリックですが、私はどちらかというと仏教寄りの無宗教。また彼は「自由・平等・博愛」の精神を叩き込まれた誇り高き生粋のパリジャン。
いっぽう、私はというと、昭和の日本の田舎で育った生粋の田舎者。
「察してよ」という態度では、なかなかお互いに理解するのは難しいものです。
結婚して以来、いろいろな立場での気持ちや行動を、想像するようになりました。
毎日が楽しい
海外生活に憧れていた、という場合は国際結婚を機に海外移住となれば、毎日が楽しい日々になるでしょう。
また、海外に住まなくても、外国人の夫がもたらす「外国のエスプリ」的なものは、暮らしのスパイスになります。
外国人って着眼点がユニークです。
温泉旅館に行ったら、浴衣と丹前が気に入って「部屋着にしたいから売ってくれ」と交渉したり。
公園にワインやチーズを持って行って即興ピクニックをしたり。
「なるほど、こんな楽しみ方もあるのか」と、目から鱗の発見が多いんですよ。
愛情表現が豊かで愛されている実感がある
これは、フランス人と結婚している日本人女性がよく言いますね。
非常に、愛情表現が豊かで細やかで、想いを口に出していってくれるので安心する、ということです。
欧米の男性たちとお付き合いをして来たなかで、やはり、彼らの多くは「照れずに愛情をきちんと伝える」ことが上手だなと思います。
「目は口ほどに物をいう」という文化ではないので、言葉や態度で示すことが大切と教育されているからでしょうね。
人間的な成長を感じることができる
国際結婚は、お互いを理解するには根気と思いやりが不可欠。
ある意味、意見が合わない、価値観が違う、というのは大前提での結婚だと思うのです。
だって、見て聞いて育ってきた環境が全然違う者同士が家族になるんですから。
我が家の例をとってみれば、フランスと日本なので、まず大きな違いは「休暇」の概念。
長期の休暇が当たり前で、のんびり優雅に数週間を休む習慣があり、山と海でそれぞれ長期、格安で過ごしたい夫。
短い休みが当たり前で、きちんと計画を立てて「贅沢する」ために旅をしたい自分。
こう書いただけで、「休みの過ごし方で口論しそう…」ですよね(笑)
いろいろな意見の食い違いが生じるたびに、「なぜ違うんだろう」「どうやったらお互いに納得できるんだろう」と考える癖がつきました。
結婚前だったら、自分の意見が通らずにイライラしていたかもしれません。
でも今は、お互いに気持ちよく暮らしていくために、口論に発展させずに議論する術を身に付けたと思いますね。
ここに(若干の…)人間的な成長を感じたりします(笑)。
男女平等という意識があるのでラク
どこの国に行っても完全に男女が平等、というところは「おそらく少ない」のではと思います。
なんだかんだいっても、子育てや家事の負担は女性に大きい家庭がほとんどのようですから。
それでも、親世代の女性たちや同世代の女性たちが戦ってきてくれたおかげで、欧米の男性たちは「男女は平等であるべき」という意識が高いよう。
夫の母も姉妹も、「典型的な強すぎるフランス女」なので、鍛えられて育った夫はいたって平等主義で助かります。
違いすぎるので逆に分かり合える
「人間的な成長」の欄でご紹介したこととかぶってしまいますが…。
国際結婚の場合、日本人同士の結婚よりも、違って当然、分かり合えないことがあって当然ですよね。
言葉の壁の問題もありますが、中にはお互いの母語ではない第三言語が共通の言葉というカップルもいます(うちです)。
ときどき「何が言いたいのかわからん」という状況に陥りますが、
分かり合えないことがあるのは当然!
という意識があるので、お互いに歩み寄る努力をするんですね。
違いすぎるので逆に分かり合える、という感じです。
協力して子育てできる
フランスで国際結婚ファミリーを営む我が家ですが、「父親も子育て責任者」という認識がフランス人には浸透しています。
子どもの送迎や子守りなど、ごく自然に父親が行っている家庭が多いんですよね。
国際結婚家庭では、妻の言葉の問題もあるためか、子どものさまざまな手続きなどに父親が積極的に関わっている場合も少なくありません。
会社員でも日本ほど拘束時間が長くないため、父親も母親も子どもと過ごす時間は長く取れます。
もちろん、育児休暇もバッチリ取れるため、子どもを夫婦二人で育てているという連帯感も生まれるんですよね。
長い休暇に慣れている外国人夫は遊びのプロ
もしかしたら、これはヨーロッパ独特のことかもしれませんが…。
ヨーロッパ諸国、みなさん休暇が長いのは有名な話。
そういう環境で育って来た夫たちは、
長期休暇の使い方のプロ
遊びのプロ
ともいえます。
幼い時から、冬休みは山荘にこもってスキー三昧、夏休みは海辺の親戚の家で海水浴やヨット三昧…という感じで過ごして来た人たちは休み慣れしています。
ラジオ体操のカードにハンコを押してもらい、夏休みのドリルに取り組み、部活で汗だく…という自分の子供時代とは雲泥の差(笑)。
旅慣れアウトドア慣れしている夫のおかげで、いろいろな経験を積むことができています。
国際結婚には辛いこともある
どんな結婚でも同じかもしれませんが、良い時もあれば、そうでないときもあるもの。
国際結婚にも、外国人と暮らすからこそのチャレンジがあります。
ここでは、欧米の人と結婚して彼の国に住む、というケースでの、「辛いこと」をいくつかご紹介します。
- 婚姻手続きが複雑
- キャリア再構築が大変
- 言葉の壁と劣等感
- 常にアウェー感がある
- 日本が遠い
- 日本の親の心配
- 自分の老後の不安
婚姻手続きが複雑
「辛いこと」というほどでもないですが、国によっては婚姻手続きが非常に複雑で面倒なようです。
フランスも揃える書類が多く、時間もかかります。
日本で用意しなくてはいけない書類もあり、健康診断まで必要だったり。
その上、夫の国と日本の両方でそれぞれ届出をしないといけません。
▶︎ 「フランス人との結婚は大変」と言われますが、日本人とフランス人の結婚はいったいどんな点が大変なのか、その内情をご紹介します。
キャリア再構築が大変
日本で働いていた人が、国際結婚を機に海外移住した場合のケース。
結婚後に住む国(例えばアメリカ)で就学・就業経験のある人の場合は、問題ないでしょうが、何のキャリア基盤もない国で再構築するのは大変なんです。
特に、それまでの経験が「一般企業の会社員」で、夫の国の言語初心者だった場合はかなり辛いですよ。
ゼロどころか、「まずは言葉!」というマイナスからの再構築なので、ものすごい努力が必要かと思います。
▶︎ 国際恋愛で、二人でいる将来を選ぶと「移住」という形になることも。国際恋愛と仕事の現実をレポートします。
言葉の壁と劣等感
上記に関わることでもありますが、ある程度の社会経験を経てからの海外移住では、言葉の壁と劣等感にさいなまれることも少なくありません。
学生の語学留学や学部留学では、言葉の習得もすんなりいくでしょうが、大人世代(しかも子育てが同時期にある場合)は、けっこう苦労しますね。
また、社会の中で現地語が不自由なために「一人前になんでもこなす」のが難しいこともあり、劣等感を感じてしまう人も。
常にアウェー感がある
海外生活は楽しいことも多いですが、やはり海外は海外。
外国なんですよね。
日本にいるのとはワケが違います。
自分がよく経験するシチュエーションは、360度ぐるっと見渡す限りフランス人しかいない世界。
都市部には日本人も多いですし、他のアジア系住民もよく見かけます。
でも例えばアルプスのスキー場なんかでは、アジア人自分一人だったりするんですよ。
なんか、異国にいるんだなあと思ってしまいますね。
時々息が詰まりそうになったりして…。
日本が遠い
やはり、日本は遠いですね。
距離的な問題ももちろんありますが、金銭的な問題もあります。
一時帰国には、まとまった時間とお金が必要です。
「あー、ホームシック、日本に帰りたーい」と思っても、まずは先立つものがないと。
ましてや、昨今の感染症でのロックダウンや隔離政策、政情不安や戦争などで日本の遠さは何倍にもなったように思います。
日本の親の心配
国際結婚で海外に移住した人たちは、みんな多かれ少なかれ日本の親の心配をしていますね。結婚を決意したときには元気だった親たちも、年月の経過とともに年をとって弱ってきます。
遠距離で介護の手配をしたり、長期で日本に帰国して両親のお世話をしている人たちも現実にけっこういらっしゃるんですよね。
海外での自分の家族も大切だけれど、親のことも放っておけないという辛い立場です。
自分の老後の不安
日本の親を見送る頃、自分の老後がだんだん見えて来ます。
年齢とともに、「脂っこい欧米料理はつらい」というふうに身体的な変化を感じることもあり、老後が不安に…。
老いたとき、海外の居住地でどんなふうに生活すればいいのか思い悩む人も少なくないですよね。
認知症が進むと、母語以外の言語を忘れてしまうという話もあり、
「老後どうしよう」
が中年以降の国際結婚組のホットトピックでもあります。
▶︎ 国際結婚につきものの5つの将来の不安と、その不安との上手な付き合い方のヒントをご紹介しています。
万国共通の結婚の悩み
どこに住んでも、どんな人と結婚しても、よくある悩みは国際結婚でも同じです。
義家族とのつきあい
「国際結婚だと嫁姑問題がなくてラクでいいね」
と言われることもありますが、そんなことないですよ。
確かに、義両親を引き取って介護するというケースは稀です。
でも、義家族との付き合いに気を使うのは、いずこも同じで嫁の悩みなのではないでしょうか。
休暇の長いヨーロッパでは、義両親や親戚の家に週単位で滞在することも多く、ものすごく疲弊しますよ。
▶︎ 義家族付き合い、フランスの例をご紹介します!
▶︎ 海外で暮らす日本人妻は、言葉の壁や文化の違いを乗り越えて、どんなふうに暮しているのか、フランスの例をご紹介します。
分かり合えないこともある
もうこれは、人間同士なので人種も国籍も関係なく、分かり合えない時は分かり合えませんよね。
そもそも、男性と女性は思考パターンが違うし、体の作りも違います。
完全にお互いを分かり合うなんてできないのではないでしょうか。
万国共通ですよね。
うちでは、どうしても理解できないとき、「異星人だからしかたない」と思うようにしています。
「彼には彼のやり方や考え方がある、イライラはお互いさま」なんですから。
▶︎ 異文化背景を持つ二人が家族を作り上げる国際結婚は、決断前の見極めがとても大切。うまくいく国際結婚を目指すための注意点とは?
まとめ
国際結婚、カップルの多くは「たまたま相手が外国人だった」という人がほとんど。
「この人と生きていきたい」という強い気持ちを持った人と、縁があって家族になったというだけのことなんですよね。
その点は日本人同士のカップルと同じです。
でも、外国人と家族になるということは、やはりいろんなことが違うんです。
良かったなと思うことも多いけれど、「いや、ちょっと、これは辛い…」と思ってしまうことも、本当はけっこうあるもの。
国際結婚では、相手が外国人なだけに「生きる世界が広がる」「異文化を知ることができる」など素敵なこともたくさんあります。
もし、「好きな人がいるけれど、国際結婚は大変そうかも…」という人は、まずは相手とその人が育ってきた環境をよく知ることから始めてみるといいかもしれません。
愛に国境はない、と言いますが、「相性に国境はない」ですよ。