フランスに住んでいる人が
「トイレがめっちゃ不便」って言ってた
それってどういうこと?
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
そうなんですよ!
フランスって、何が困るかというと、
「トイレが…」
という人、結構多いかもしれません。
日本では、公園や駅、街中のスーパーやコンビニなど、どこにいってもお手洗いに困ることがあまりないですよね。
困ると言ったら高速道路で大渋滞に巻き込まれた時くらいでしょ?
おしゃれな国、モードの国、いろいろ素敵な面も多いフランス。
でも「うーん、これは…」と思ってしまう点もあるわけで。
その最たるものがトイレかもしれません。
フランスでは、トイレはまさに3Kの世界。
K①: 数が少ない
K②: 汚い
K③: 壊れている
という具合…。
この記事では
フランス人とそのトイレ事情
についてご紹介します。
フランスの、ちょっと内側をのぞいてみませんか。
目次
フランスで困るのはトイレ!
フランスというと「おしゃれな国」「グルメな国」「歴史と伝統の国」などといったイメージをお持ちのかたも少なくないでしょう。
確かにその通りで、世界中から観光客がやってきます。
美しい街や村があり、アルプスやピレネーの山の絶景あり、地中海や大西洋の海の絶景ありで、見るものを飽きさせません。
そして、期待通りフランスはおいしいものもたくさんあって素敵な国です。
でも、まあ、どこの国でもそうですが、素晴らしい面があれば、そうでもない面もあるわけで…。
フランスの場合、ストやデモの多さとトイレの不便さは「いただけない…」点かと思いますね。
特にトイレは、
- 数が少ない
- 汚い
- 壊れている
の、まさに「3K」。
ちょっと詳しく見ていきましょう。
フランスではトイレの数が少ない
これは、本当にそう。
トイレの絶対数が少ないなあと思います。
例をあげます。
まず学校。
日本の学校は、各フロアに1〜2ヶ所にトイレがありますよね。
それも、個室がいくつも並んだトイレが…。
フランスは、その個数が少ないです。
古い建物を学校に改装して使っているところも多く、もともと屋内にトイレがなかったんでしょうね。
1フロアに150〜200人くらい子供がいるのに、トイレ1ヶ所(個室がひとつ)とか、冗談のような少なさ。
そして、百貨店やショッピングモール。
3〜4階建ての建物全体でトイレ1ヶ所(個室が数個)だったり。
そして、「いかにもトイレがありそうな場所なのにトイレがない」という問題も。
例えば、次のような場所。
- 街中のスーパー
- 地下鉄駅
- ローカル線の小さな駅
- 教会
- 個人所有で一般公開している文化遺産
これらの場所には、まずトイレはないと思った方がいいです。
日本だったら必ずトイレが整備されていますけどね。
ファーストフード店も、街中の店舗はトイレは簡単に使えません。
トイレのドアは堅くロックされていて、店内で買い物したレシートに印字されているコード番号を入力しないと使えないんです。
公共のトイレが不潔
最近の日本では、公園や駅などの公共のトイレがとてもきれいになってきましたよね。
暖房便座はもちろん、洗浄器付き便座も一般的。
どこにいっても、だいたいきれいなトイレが見つかります。
フランスの公共のトイレ、「入るのに勇気が必要」なレベルのものがけっこうあります。
はっきりいって、キレイではないです。
壊れている
「ああ、よかった、あそこに公衆トイレがあった!」
と思ったのも束の間、
Hors Service(故障中)
の張り紙が…。
フランスの街歩きでよくあるケース。
整備された大型公園の公衆トイレも、壊れていて使えないことがたびたびあります。
ピクニックが人気のフランスでは、これ本当に困ります。
ショッピングモールのトイレでも、8ヶ所の個室のうち使えるのが1ヶ所だけというウソみたいな経験もあります(もちろん長蛇の列!)。
子供たちの学校のトイレも同様。
電気が切れていて使えない個室、トイレットペーパーが詰まっていて使えない個室、鍵が壊れている個室など、「全部使えることはまずない」らしいですよ。
フランス人はトイレに行かない?
このように「非常に貧しい環境」のフランスのトイレですが、じゃあフランス人は何も文句を言わないのか?と思いますよね。
政治参加意識が高く、年がら年中ストやデモをしているフランス人だから、さぞや公共のトイレについても文句いっぱいだと想像するでしょ?
でも、これに関しては文句言わないんですよ。
なぜか?
それは、彼らは家の外であまりトイレに行かないから、なんです。
外でトイレに行かないフランス人
フランスに住むようになってしばらくして気づいたこと。
自分は、よそのお宅でも「お手洗いを貸していただく」ことが多い。
でも、うちに来たフランス人が「お手洗いを貸して」を言われることはゼロ。
そういえば、夫もよそのお宅でトイレに行かない。
もちろん、彼らが外出中に絶対にトイレに行かないわけではありません。
高速道路のサービスエリアはいつも列ができているし、ショッピングモールのトイレも混んでいます。
街中のカフェのトイレも順番待ちはいつものこと。
でも、日本人にくらべると圧倒的にトイレ回数が少ないようなんです。
学校でも終日トイレに行かないという子がいるそう。
「トイレは家が一番」なフランス人
フランス人に「なぜ家では普通にトイレに行くのに、外で行かないで済むの?」
と聞いてみたら、答えはシンプルでした。
外のトイレではくつろげないから
確かに、フランス人家庭にお邪魔すると、トイレはまるでちょっとした図書室状態になっているお宅も多いです。
いろんな本や漫画、家族の写真などが飾られていたり。
ちょっとしたリラクゼーションルームのようなんですよね。
女性の場合は、公共のトイレや外出先のトイレは不衛生なので使いたくない、という人も多いようです。
だから、家に帰ってゆっくり自分のペースでトイレを使うんだそうです。
トイレに行く回数が少ない
トイレやお風呂がとても気になる自分としては、やはり注目してしまういろいろな国の人のトイレのこと。
フランス人は、全体的にトイレに行く回数が少ないなあと思います。
前述したように、学校で終日トイレに行かない子もいるくらい。
うちにランチやディナーにやってくるフランス人のお客たちは、めったなことではトイレに行きません。
ネット上でもいろいろな人がフランス人とトイレ回数について書いていらっしゃいますが、私個人の見た感じでは2つの要因があるのかなと思います。
◆ フランス人のトイレ回数が少ないのはなぜ? ◆
日本人ほど水分を摂らない
学校での教育の違い
フランス人は日本人ほど水分を摂らない
まず、日本人は緑茶や紅茶、コーヒーなどカフェインを含む飲み物を結構頻繁に飲んでいる人が多いですよね。
コーヒーも、エスプレッソではなく、コーヒーカップやマグカップで飲みます。
フランス人は、コーヒーといえばエスプレッソ。
20ml 程度の少量です。
朝カフェオレや紅茶を飲んだら、昼間はエスプレッソを二回飲む程度。
全体的に水分摂取量が少ないのでは?と思いますね。
学校での生活指導の影響
そして、学校での教育の違いもあるのではないでしょうか。
日本の学校は生活面での教育も力を入れます。
手を洗おう、うがいをしよう、はみがきしよう、あいさつしよう、などなど。
幼い時から、「休み時間にはトイレに行っておきましょう」と躾けられているので、自然と「何かの前には、まずトイレに行っておく」習慣になっているのではと思うのです。
だから、特に切羽詰まらなくても「一応トイレに行く」ため、回数が多いのかな、と。
フランスでは幼稚園児については、休み時間に集団でトイレに連れて行くようです。
校外学習や遠足の時にも、「ここでトイレは済ませましょう」と指導してくれています。
でもそれだけです。
普段の学校生活で、教員が学習以外のサポートをすることはあまりないようですよ。
フランスでトイレが少ない理由
外出先でのトイレ探しに苦労してしまうフランス。
その理由のひとつは、先にご紹介した「絶対数が少ない」からです。
そしてもうひとつは、レストランやカフェや公共施設が夜間・休日には開いていないことが多い、ということもあります。
日曜日に郊外にドライブというとき、開いているレストランやカフェ探しに苦労することも少なくありません。
一般道では、途中に公衆トイレがあることも少ないので、いざという時はピンチです。
また、古い建物をリノベーションしながら使い続けることが多いフランスでは、建物の初期設計にトイレが組み込まれていなかったのかな、と思うこともしばしば。
なにしろ、華やかなりし絶対王政の時代の貴族たちも、トイレではなく「おまる」で用を済ませるのが普通だったそうなので…。
後から増設されたから、場所や排水の確保が難しく、従って数も少ないのではないかと想像します。
あくまでも私個人の想像ですが…。
フランスらしいトイレ事情
フランスで暮らしていて気がついた「いかにもフランス」的なトイレ事情を少しご紹介します。
便座のないトイレ
「え?便座のないトイレ?どういこと?」
と、思いますよね。
そのままの意味で、便器の上に普通なら鎮座している便座(座る部分。U型とO型がありますね)がないトイレです。
フランスに旅行したことのある人のなかでは定番の「フランスあるある」のひとつかもしれません。
この便座のないトイレ、
⚫︎ もともと便座なしのトイレとしてデザインされているもの
⚫︎ 便座が壊れたり汚れすぎたりして撤去されたもの
の2通りあります。
どう使うかについては、日本人だけでなく、当のフランス人の間でもいろいろ議論があるよう。
⚫︎ 腰を浮かせて用を足す
⚫︎ トイレットペーパーを便座がわりに敷く
というあたりがよくあるパターン。
なかには、便器の上にしゃがんで用を足すという危ないケースも(滑りやすいです)。
コロナ禍で「携帯アルコールジェル」がどこでも買えるようになったフランス。
このアルコールジェルをトイレペーパーに垂らし、座る部分を掃除してから用を足す、というのも一つのアイディアではないでしょうか。
トルコ式トイレ
この呼び名、トルコの人からしたら迷惑至極なネーミングですね。
使用方法は和式トイレに近いんですが、かなり使用するのに勇気がいるシステムかもしれません。
個室のドアを開けると、中は全体が便器(少なくともフランスの公衆トイレだとこんな感じ)。
四角い枠の中に、足を置く「島」が2ヶ所。
この島に片足ずつ置いて、しゃがんで用を足すわけです。
用を足して水洗レバーを押すや否や、ものすごい勢いで水が流れます。
この時、のんびり島に足を置いたままだと水洗の汚水が靴に飛び散ることに…。
水洗レバーを押すときには、もう個室を出る体制ができていないと悲惨な目に遭う可能性が大。
すばやい対応が求められるトイレです(笑)。
高速道路のパーキングエリアに設置されていることが多いですね。
洗浄機能付き公衆トイレ
お尻を洗ってくれる洗浄器付きトイレのことではありません。
トイレ全体を洗う機能がついたトイレです。
公園や広場や街中の公衆トイレによくあるスタイルです。
小さな丸みを帯びた小屋のような作りで、個室ひとつだけの公衆トイレ。
入り口の大きなドアは開閉ボタンを押して開けます。
緑色のLibre(空き)ボタンが点灯していると、トイレは空いているということ。
使用が終わって外に出、ドアを閉めると室内洗浄が始まる仕組みです。
一人使用して洗浄が終了するまで5分くらいはかかるし、洗った後は室内が濡れた状態になるので、意外と不便なんです。
場所によってはコインを入れないと使えないものも。
トイレの設備
フランスの一般的なトイレの設備ですが、
単純にトイレの機能のみ
というのが普通。
日本のような暖房便座や洗浄器付きトイレはまず存在しないと思っていいでしょう。
フランスのトイレ、個人宅の場合、微妙な場所にトイレットペーパーがあることも多いです。
便座に座ると、ちょうど背中になる部分だったり、座ると届かない場所だったり。
あれはどうしてなんでしょうね。
使っていて「不便だな、改善しよう」と思わないのでしょうかね。
公共のトイレの場合、トイレットペーパーが切れていることもよくあります。
さらに、水洗レバーが多種多様で迷います。
⚫︎ 水洗タンクの横のボタンを押して水を流すタイプ
⚫︎ 水洗タンクの上部のレバーを引っ張って水を流すタイプ
⚫︎ 水洗タンクが天井についていて、レバーを引っ張るタイプ
公共のトイレの場合は、また違うオプションが…。
⚫︎ センサーに手をかざすタイプ
⚫︎ トイレの給水パイプについているレバーを押すタイプ
⚫︎ トイレの給水パイプについているボタンを押すタイプ
日本のトイレもいろんなボタンがあって、どこをどうすればいいのか迷いますけどね…。
手はどこで洗えばいい?
けっこう驚くのが、トイレの後に手を洗わない人が多いこと。
「え?小のほうなら汚くないから洗わないでしょ」
なんて意見を聞いたこともあります(いや、普通、洗うでしょ…💦)。
でも一般家庭のお宅でトイレやその近辺に手洗い場所がない、というケースがけっこうあるんですよ。
新しめの建売住宅なんかによくあるパターンかも。
バスルームとは別に独立したトイレがある場合、手洗い用の流しが付いていないことも。
もちろんそういった家では、「独立洗面所」があるわけもなく。
どうするんでしょうね。
▼ フランス人の衛生観念、日本人とはかなり違うの?入浴頻度や手洗いなど、気になる方はこちらの記事もどうぞ!
フランスでトイレに困らないために
フランスを旅行するとか、フランスで生活することになったという場合。
必要なときに使えるトイレがない、という点で困る経験をする人も多いかと思います。
「トイレ、トイレ、トイレ」と我慢する羽目になると、旅の楽しさもふっとんでしまいますよね。
また、一度切羽詰まった経験をしてしまうと、出かけるのが億劫になることも。
そこで、フランスでトイレに困らないようにするコツです!
トイレがある場所とは?
「ここに行けば絶対にトイレが使える!」という場所があります。
それを事前に押さえておくと安心でしょう。
● 大規模商業施設
● 観光地の観光案内所付近
● レストラン
● テーブル席のあるカフェ
● テーブル席のあるバー
● 美術館・博物館
● TGVやインターシティなどの特急列車が停車する大きな駅
● 空港
● 高速道路のパーキングエリア、サービスエリア
● 高速道路の大型料金所付近
● 教会・大聖堂
● 小さな駅
● 地下鉄の駅
● 個人所有の歴史的建造物
● 公園(大きな公園ならあるが、壊れていることも)
日曜・祝日は商業施設やカフェやバーなどお休みのところも多いので、あらかじめ別の場所でトイレを済ませておくなどの工夫も必要です。
事前の下調べも重要
お出かけするなら、事前に「トイレが必ず使える場所」を知っておくといいですよね。
特に日曜・祝日の田舎ドライブは要注意です。
絶景の続く田舎道には、トイレも日曜営業のバーもないことが多いので。
また、日帰り登山コースの登山口とか、ハイキングコースの途中にもトイレはないことがほとんどです。
高速道路を下りる前にトイレ休憩などおすすめです。
自己コントロールも大切
日本ではあまり気にならないお出かけ先のトイレ。
でもフランスでは「なかなか見つからないかも」という現状を頭の片隅に入れておくといいですよ。
トイレが近くなる原因を作らないようにするのも大切。
女性が、トイレが近くなってしまう要因っていくつかありますよね。
⚫︎ 足元が冷えている
⚫︎ 生理が近い、または生理中。
⚫︎ お茶やコーヒーなどカフェインを含む飲み物をたくさん飲んだ。
⚫︎ ビールを飲んだ。
⚫︎ 体を締め付けるボトムスをはいている。
などが考えられます。
田舎道を長時間移動するよ、というときには事前に対策をうっておきましょう。
生理以外は、自分でコントロールできますよね。
そして、トイレが使える場所に立ち寄ったときは、かならずトイレを済ませておくことも重要です。
あとはリラックスして楽しむ、ことですね。
▼ フランスの「普通」って日本とはやっぱり違う?フランスで暮らすと経験する「フランスならでは」のフランスあるあるをご紹介します。
まとめ
意外と知られていない海外のトイレ事情。
行ってみて初めて知ることも多いですよね。
海外旅行や海外生活、それぞれの国の経験で、多くの人の印象に残る外国のトイレ。
フランスのトイレ事情も独特。
とにかく絶対数が少ない、この一言に尽きるかもしれません。
トイレは家でゆっくり入りたい、フランス人のトイレ事情をご紹介しました。
旅行をされるなら、ちょっと頭の片隅においておくといざというときに戸惑わずにすむかもしれません!