外国の人って、熱いお風呂に浸かることがないんですか?
ヨーロッパの温泉スパでは、熱いお風呂じゃなくてかなりぬるいと聞きました。
それって、本当ですか?
それ、本当です!
ヨーロッパにも歴史の古い温泉地がたくさんあり、多くは「飲泉療法」に使われてきたようです。リウマチや事故の後遺症などの治療のために長期滞在して癒すというものです。
近年では、日本同様「リラクゼーション」や「ウェルビーイング」がブームのヨーロッパでも、各地にリラクゼーション目的の温泉スパが登場しています。でも全体的に湯温はぬるめの36度くらい。
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
職場や日常生活で欧米の人たちと長年かかわってきて、「これだけはどうしても同じにできない」と思うことのひとつに、温度に関する感覚があります。
この記事では、日本人と欧米の人とのお風呂やシャワーの温度感覚の違いについてご紹介させていただきたいと思います。
目次
外国人とお風呂の温度
日本人ならでは湯加減
お風呂好きの多い日本人ですが、好みの湯加減というのは個人差がありますよね。
「ぬるめが好き」という人なら、37度から39度くらいでしょうか。「熱めのお風呂が好き」という人は、42度くらいのお湯をちょうどよいと感じるかもしれません。
昔からの銭湯のお風呂というと、熱めの浴槽と、ややぬるめの浴槽があり、熱めの浴槽なんて「我慢大会」並みの熱さでした。差し水をしようものなら、常連のおばちゃんに「だめ!ぬるくなるでしょ」と叱られたりね。
熱くて有名な温泉や、銭湯はさておき、家庭のお風呂の湯温は、それぞれ好みはあるものの、40度前後で設定するのが一般的ではないでしょうか。
欧米の人の湯加減
ヨーロッパの快適湯温
ところが、これが欧米の人の感覚だと「やけどするほど熱い」になってしまうんですね(大げさですが)。
バスタブにお湯を張って入浴する時などの適温は、34度から36度くらい。
スイスやフランスにも温泉が湧き出る土地が結構あります。これらの温泉は温泉療法に利用され、温泉地に長期滞在して湯治をしたらしいです。この場合、日本の湯治場のように熱い湯船に浸かって温泉浴というより、もっぱら温泉水を飲む「飲泉療法」が中心。
スイスやハンガリーには湯船に浸かる温泉浴場もあるというのは結構有名ですよね。ハンガリーの温泉については全然知識がないのですが、スイスの温泉は「日本人にはぬるすぎる」と聞きます。
ヨーロッパの「熱いです、注意」レベル
最近、もっとも日本人好みの湯温といわれるロイカーバートという温泉地を訪れましたが、大きな温泉センターはやっぱり「かなりぬる湯」。ホテルの中の、「熱いです、注意!」という湯船は40度ほどで、日本以外の地で初めて温度的に快適な温泉にめぐりあいました。
フランスの温泉地でも「立ち寄り温泉施設」がいくつかありますが、ある施設では複数ある浴槽のなかのひとつだけ38度という、「日本人的には若干ぬるめだけど、まあOK」というものがあります。
「もう少し熱かったらいいのに」とコドモと話しながら入っていたら、そこに入ってくるフランス人の多くが「おおっ、あちち。なんてあついんでしょ」とのリアクション。38度ですよ、熱くないでしょ、おくさん。
外国人のシャワーの温度
いろいろな欧米人と一緒に同じシャワーを浴びるという経験自体、あまりないのですが(笑)。。。 友人や夫たちの湯温はどうかというと。。
シャワーの快適温度
やはりかなりぬるめですね。
夫は春夏秋冬、だいたい36度くらいの湯温でシャワーをしています。筆者の感覚だと、よほど真夏の暑い日でなければ、温度的に物足りなくて、シャワーから出たら寒く感じる温度。
温水プールの温度
公共のプールやホテルのプールなどのシャワーも同様だと思います。
もともと室内プールの室温自体が20度ほどだったりするので、濡れた水着を着た体には寒く感じます。子供達なんて唇を紫にしてブルブル震えていたりするんです。プールの水温自体は26度から28度くらい。
日本だと、水温30度ほどで、室温はそこにプラス2〜3度が理想なんだそうですね。欧州では、水温27度、室温20度なので、そりゃあ日本人には寒く感じるはずということです。
市民プールなどではシャワーに水温調節機能がないため、プールで冷え切っても、熱いシャワーで温まることができないんです。寒いっ! それでも欧米人は、「ああ、熱い」といいながらシャワーしてますね。
日本の温泉は熱すぎて入れない?
ところ変わればの不思議
じゃあ、欧米の人は日本の温泉にはまず入れないでしょう?と思うでしょう?
ところがです。外国の人って、好きなんですよね、日本の温泉。アジア系の外国人はもちろんのこと、欧米の人も温泉に惚れ込んでしまう人が多いんです。
日本を知らない人だと、「えーっ、裸になって見知らぬ他人と同じ浴槽に入るのお?やだあ」なんてリアクションします。
でも、日本に行ったことのある人で「温泉は嫌いです」という人にお目にかかったことないですよー。温泉に行った人は、必ずと言っていいくらい「日本でよかったことのひとつは、温泉!」と言いますね。
日本の温泉は世界を魅了する
ヨーロッパにおいては、38度の湯船で「熱い、熱い」と文句を言っている人たちが、ひとたび日本の温泉(特に露天風呂)の魅力に触れると「あー、温泉、最高!」になるんですね。それで結構、あつ湯で有名な温泉地などにもでかけて楽しんでいるようです。
熱くて有名な野沢温泉で、偶然、知り合いのフランス人家族とばったり。「いいよねー、ノザワオンセン、最高!」だそうですよ。
36度シャワーの夫も、日本の温泉だといつまででも入っていられるらしく、家族で一番長湯です。
また、別のフランス人の知人は、日本駐在からフランスに戻って一番の不満は「アフタースキーに温泉がついていないこと」だそうです。スキーの後の温泉の素晴らしさを知ったら、温泉なしでスキーをする気がしないとのこと。
熱いお風呂はダメなのに、熱い温泉は大丈夫なんですねえ。。。。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
欧米の人の温度感覚、日本人とはだいぶ違います。食べ物や、気温などでも随分と違いは感じるのですが、なんといっても一番の差は「水温」の感じ方ではないかと思います。
気温20度でも海水浴しちゃう人たちだからでしょうか。それとも、幼い頃から35度くらいのぬるま湯で体を洗っている人たちだからでしょうか。単に慣れの問題なのか、肌の感覚の違いなのか。
科学的なことはともかく、欧米の人たちとの感覚の違いを知れば彼らへの理解も深まるというもの。経験談がお役に立てましたらうれしいです。
欧米人との温度にまつわるお話は、次の記事でもご紹介しています!