英語の本を読むのはお好きですか?
え?学生時代の英文解釈以来、読んでないって??
それはちょっと残念かも、です。
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
英語で書かれた小説を原書で読むなんて、とってもハードルが高く感じられるかもしれませんね。
でも、英語が好きで、英語力をアップさせたいと思っているのなら、ぜひ挑戦してみるべきです。慣れると楽しいです!
目次
英語の小説を原書で読む楽しみ
筆者は、もともと子供の頃から大の読書好きなので、もしかしたらあまり読書をしない人よりも、英語の原書を読んでも「楽しい♪」と思う温度というかテンションが高いのかもしれません。
それでも、高校1年生の時、英語の読解の補習授業で使われたO・ヘンリー『最後の一葉』は、難しく感じました。小刻みに小刻みに重箱の隅をつっつくような英文解釈の講義は、とーーーーっても苦手でした。
英語の原書を読み始めたきっかけ
その後、イギリスでの1年を経て、カナダに移り住んだとき、雑誌や本が読みたいと思っても、街の書店にあるのは英語ばかり(当たり前ですけれど)。
現在のように、海外に住んでいながら、ネットで簡単に電子書籍に日本の本をダウンロード!、なんてことはできませんでした。そもそも、パソコンも携帯もインターネットも、一般人には全く縁がないものだったんです。
だから、本の虫の筆者は、自然に英語の雑誌や書籍に手が伸びたわけです。
最初はしんどかった原書読み
でも最初からスラスラ読めたわけではなく(いや、今だって、どんどん読むスピードは後退しています。。。)、結構、頑張って1冊読み通すという感じでした。
そのうち、好きな作家ができて、その作家の作品を次から次へといろいろ読むようになったんです。
最初のお気に入り作家は、ジュディス・クランツ(Judith Krantz)。
- 『Princess Daisy』
- 『I’ll Take Manhattan』
- 『Mistral’s Daughter』
といった小説を夢中で読みました。自分の現実の貧乏生活とはかけ離れたお金持ちワールドのお話にワクワクしたりして。。。
何が楽しいかって、翻訳されたものだと、翻訳者の解釈が入るわけですが、原書だと作家の言葉がそのままなので、やはりストーリーそのものが生き生きしているように思うんです。
そして、新しい言葉にも出会えて、自分の語彙も増えるし、外国語で小説を読むと、なんだか「前に進んでるー!」という気持ちよさが常にあるんです。
30代に入る頃には、やはり自分が好きなのは北米よりもイギリスだなあーと思い、読む小説ももっぱらイギリスの作家のものばかりになりました。
今現在も大好きな作家は、バーバラ・テイラー・ブラッドフォード(Barbara Taylor Bradford)、ヘレン・フィールディング(Helen Fielding)ですね。
独身の頃、大好きなロンドンで、お気に入りの書店でいろいろな本を物色するのは、至高の時間でした。平積みの新刊をいろいろ買って濫読していた時期もありました。
本の読み始めはつらいもの
最初の20ページまで頑張れたら、大丈夫!
英文小説を原書で読む楽しみを知ったからといっても、いつもスイスイ読めていたわけではありません。
ドラマ作りが上手な作家のものは、最初からグイグイ引き込まれるような展開で、読みやすいものもあります。
一方で、状況設定のわかりにくいもの、自分の経験からでは想像がつかない世界のもの、などは物語に入り込むまでにとても時間がかかります。
でも、何冊も原書を読むうちに、だいたい最初の20ページくらいがんばれば、作品の世界が馴染んできて読み進められるようになります。
これも一種の慣れだと思いますよ。
原書を楽しむために避けるべきこと
絶対やらないほうがいいと思うのは、わからない言葉が出てきたときにいちいち調べること。
これは英文解釈の試験ではないのです。
その物語の世界観をざっくりと味わえればそれでよし!とすることです。
でないと、読み進めることができなくなって、けっきょく苦痛だけになり、ギブアップになってしまいますよ。
とにかく、読み進める!
時には苦戦することもある
世界観に馴染めない作品
もちろん、時々、世界観に馴染めずに「苦戦」することもあります。
アイルランド系アメリカ人の作家、フランク・マコート(Frank McCourt)の少年時代の回想録『Angela’s Aches(アンジェラの灰)』という作品があります。
イギリスかアメリカの街の書店で、「ベストセラー」として売られていて、裏表紙のあらすじ紹介をちらっと見たらとても面白そうだったので購入しました。
映画化もされるとのことだったので、「どんなに面白い話だろう」と期待いっぱいで読み始めたのです。
けれど、自分にとって馴染みのないアイルランドの寒村の、貧困家庭のお話というのが、なかなかイメージが難しくて、最初とても苦戦しました。
あまりに暗い話なので、なんども「もうやーめた」と言いそうになりながら、読み進めること2週間ほど。全体の半分ほどがんばったあたりから、急に面白くなって寝不足と戦いながら一気読みしてしまいました。
で、最後のページまで来た時に、話が終わっていないことに気づきました。
センテンス(文)が途中で切れている。。。
「??」と思ったら、落丁本。でも購入した書店は海外で文句のつけようもなく、出版社に送り返すのも面倒臭いのでそのままに。たしか、次の海外出張時に続編にあたる『’Tis』という本を買って読んだ記憶があります。
その後、映画も見ましたが、原作以上に暗い話で、落ち込みました。。。(笑)
英語に翻訳された小説はわかりにくいことも
また、もう一つの「苦戦」例を。
キリスト教の歴史に興味を持っていた時期に、『According to Mary Magdalene』(作:Marianne Fredriksson)という本を書店で手にし、とても楽しみにして読み始めました。
けれど、2000年ほど前の中東のイメージがなかなか思い描けず、読めども読めども世界観がわからなくてとても苦戦しました。
元々スウェーデン語で書かれた小説を英語に翻訳したものでしたが、微妙なニュアンスがわかりにくかったのかもしれないです。
わかりやすい原書とは?
映画やテレビドラマの原作本
これから原書に挑戦してみようと思うなら、筆者のおすすめは、「筋を知っている話」です。
映画やドラマの原作本なら、あらすじや登場人物に馴染みがありますよね。また、外国の風景や慣習なども映像で見ている場合は、本を読みながらイメージを思い浮かべやすいと思います。
児童文学や童話
子供の頃から慣れ親しんだ童話や児童文学でもいいと思います。
ただし、童話そのものは意外にわかりにくいこともあります。できれば、児童文学や少女文学のようなものが読みやすいかと思います。
例えば、『赤毛のアン』を小学生向けに平易に書いたものなどですね。
そして、原書を読むことに慣れたら、まったく知らない物語に挑戦してみてはどうでしょうか。
また、娯楽として読みやすいのは、時代小説や歴史小説であっても現代作家が書いたもの。
先にあげたバーバラ・テイラー・ブラッドフォード(Barbara Taylor Bradford)の代表作『A Woman of Substance(和訳のタイトルは「女資産家」だそうです)』は、20世紀初頭のイギリス北部ヨークシャーから話が始まるのですが、現代作家が書いた話なので言い回しなどがわかりやすかったです。
一方で、19世紀の作家が書いた小説はちょっとわかりにくかったりしました。
例えば、筆者はイギリス・BBC放送制作の1995年版『Pride and Prejudice(高慢と偏見)』が大好きでした。日本でも放映されていたので、録画して見ていました。
当然、「原作も読みたい!」と思うわけで、Jane Austenの原作本を購入。
でも、初版が出たのが1813年で、言い回しも古く馴染みがないため、とても難しく感じました。
学生時代に、すでに「翻訳本を読んで話の筋はわかっていたので大丈夫だろう」と思って読み始めたチャールズ・ディケンズの作品を、途中で投げ出したこともあります。
まとめ
どんな言語を勉強しても、必ず言われるのが「本をたくさん読みなさい」。
これは、英語でも同じだと思います。がんばって読んだ原書から得る知識はきっと役に立ちます。語彙もふえます!
英語の原書を読みきるコツは、ちょっとだけの忍耐力と、大いなる想像力かもしれません。
とにかく読みやすそうなものを一冊手に取り、細部がわからなくても気にせず、読み切ってみることです。きっと自信が湧いてくると思いますよ!