日本って、食卓の決まりにけっこううるさい。
マナーを重んじそうなフランスも、同じように決まりがいろいろあるのでは?
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
今回は、こんな疑問におこたえするべく、現地で実際に経験した「フランス人の食卓ルール」をご紹介します。
普段何気なく食事をしていますが、食卓でのルールって、実はけっこうありますよね。
国によっても違うし、民族や文化背景によっても違う、それぞれの食卓での決まりごと。フランス人のルールにはどんなものがあるのでしょうか。
旅行や移住などでフランスに行かれる方、必見です!
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目次
フランス人は食事マナーにうるさいか
テーブルマナー発祥の地、フランス
フランスといえば、豊かな食文化の国。超高級な星付きレストランを筆頭に、美味しいものにはうるさい国民、というイメージがあります。
実際、美味しいものも多く、食べるものにはかなりうるさい人もたくさん。
また、テーブルマナー発祥の地、ということで、マナーにもうるさいのではと思いますよね。
フランス人家庭の中で過ごしてみた実感としては、マナーにうるさいというよりも、マナーは大人になるまでに家庭で自然に身についているものなので、うるさく言う必要がない、というところですね。
つまり、最低限のマナーは守るのが当たり前ということです。
本当にきっちりマナーを守っているかどうか
知る限りでは、けっこういい加減かもという印象です。
きちんとした席では最低限のマナーは守られていると思いますが、家族や友人たちとの食卓ではかなりカジュアル。
ラテンな国民性からか、「美味しく、楽しく食事が出来ればOK」な場合が多いようです。
フランス人の食卓のルール
親しい間柄の食卓ではあまり遠慮はいらないものですが、知っていて損はない現地ルール。フランスならではの、食卓のルールをご紹介しましょう。
テーブルの席順
友人や親類などとともに囲むディナー。カジュアルな食事の場合でも、実は勝手に好きなところに座ってはいけないんです。
席順を決めるのは、その家のマダム。招いた側の最年長の女性が割り振ります。
「さあ、テーブルにつきましょう」とのマダムの声で、テーブルにみんなが集まります。そして、マダムが、「あなたは、ここ」というように一人ひとり座る場所を指定していくのです。
大人と子供は別
一般に、家族以外の人を招いたディナーに、子供達は同席しません。
ひとつは、食事開始時間が遅いため、子供達は先にキッチンのテーブルなどで食事をさせてしまうから。
もう一つの理由は、大人だけの会話をゆっくり楽しみながら食事をするため、子供達は同席させないんですね。
先に食事を済ませた子供達は、歯磨きやお風呂も済ませて、さっさと子供部屋に連れて行かれてしまいます。
乳児期から子供は自分の部屋で寝る習慣になっているため、ここで泣き叫んでわがままをいう子は滅多にいませんね。
結婚した男女は隣同士になれない
フランス独特の習慣なのか、欧米の習慣なのか不明ですが。。。
結婚しているカップルは、ディナーの席上では離れ離れになるルールがあります。テーブルを囲むみんなが会話を楽しめるように、という配慮ですね。
でも、席は男と女が交互に座るように、マダムは割り振ることになっています。
食べ始めるタイミング
席について食事が並んでも、すぐに食べ始めてはいけないんです。
マダムが食べ始めるのが開始の合図。それまでは待ちます。
パンをソースでぬぐっていいのか?
日本でも、お皿に残ったソースをパンでぬぐって食べる、というのが流行しましたよね。
でも本当は、NGらしいですよ。
ソースが残らないように、上手に食べるのがベストだそうです。残ってしまったら、そのまま置いておくのが正しいそう。
「カジュアルな場なので、パンでぬぐって美味しいソースも残さず食べたい!」という場合は、パンを一口大にちぎってフォークに刺し、それでソースを絡めて食べるなら許容範囲、と教わりました。
あの料理の、フランス流食べ方
普段、何気なく食べている洋食メニュー。フランスだって、世界的に人気なお手軽フードをよく食べます。
でも、ちょっと他の国で見かける食べ方と違ったりするのでご紹介します!
サラダ
サラダは、フォーク一本で食べなくてはいけないというルールがあるんだそうです。
レタスとか、フォーク一本でうまく食べるのは難しいですよね。でも、サラダをいただくときにナイフを使うのはNGだそうです。
かわりに、バゲットの小片を片手に持って、レタスなどをフォークにまとめながら食べる人が多いです。
ピザ
ピザって、手で食べるもの、という思い込みがあった筆者。
もともと英語圏で、現地男子のルームメイトたちとよく食べていたので「男子ルール」が身についてしまったのかもしれません。
が、フランスでは、基本、ピザはナイフとフォークを使って一口大に切っていただきます。
びよーんと伸びるチーズを顔の高さに持ち上げてかぶりつく、はダメらしいです。美味しさが半減すると思ってしまうのは筆者だけでしょうか。
ハンバーガー
ハンバーガーも大人気のフランス。
ファーストフードショップのものとは一線を画す、レストランやハンバーガー専門店で食べる本格的なバーガーが人気です。
その厚さたるや10センチ以上の高さだったりして、「どうやって口に押し込むのか?」と疑問に思ったら、答えは簡単。
レストランのハンバーガーは「手に持って食べたりしない」からです。
ナイフとフォークで、ちゃんと口に入る大きさに切って食べるんです。(これも、本来の美味しさが半減するように思いますが)
スパゲッティ
スパゲッティは、家庭で食べる場合、茹でる前にまず半分に折ります。
そして、塩少々を加えて茹でると、長さ15センチ未満の短いスパゲッティが出来上がります。
これをナイフとフォークで食べます。お皿に盛り付けたら、まずナイフで一口大に切ってしまう人も多いです(イギリスもこの方式です)。
フォークにくるくる巻き付けて食べる姿を見ることは滅多にないですね。
日本のお味噌汁
和食レストランはフランスでも大人気。ただ、その大半は「なんちゃって日本料理屋」。
日本人以外が経営・調理するところがほとんどで、微妙に日本料理とは違うものが出てくることが多いです。
そういうお店では、お味噌汁は「レンゲ」で飲みます。ラーメンのスープのごとくにね。複雑な気持ちになります。
まとめ
今回は、現地で暮らしていないと意外と知る機会のない、フランス人の食卓ルールについてご紹介しました。
もちろん、フランスと言っても広いし、地域的・民族的背景によって違いはあると思います。
いろいろな地方出身者が集まる席などで、興味深く観察したことをベースに書いてみました。もし、フランスの現地家庭でお食事をする機会があったら、ぜひご自身でも観察してみてくださいね。
きっと新しい発見があると思いますよ!