外国人とのコミュニケーションで、「お互いがどうにもうまく分かり合えなくて困った!」なんて経験はありませんか?
「わざわざ言わなくても、わかってもらえていると思っていた!」
「以心伝心」「あうんの呼吸」、って言いますよね。
いちいち言われなくても、相手の「気持ちを察する」 …そんな人って、なんとなく賢いイメージがありますよね。大人、というか。
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
よく、「日本人は人の気持ちを察して行動できる!」という人がいます。そして、一方では欧米の人は、きちんと言葉で表現する文化だから「気持ちを察して」と期待してはいけない、などとも言われます。
特に、英語でのコミュニケーションでは、はっきり言葉で言わなくては相手に伝わらないと様々なシーンで習いました。
本当にそうなんでしょうか?欧米では「気持ちを察して!」は通じないんでしょうか?
目次
英語のコミュニケーション、「察してよ」は無理?
よく「目は口ほどに物をいう」って言いますよね。
思いを込めた目の表情は、言葉での説明と同じように相手に気持ちが伝わるという意味ですよね。
この表現、日本的〜と思っていたら、英語でも言うみたいですよ。
The eyes are the window to the soul.
英語の格言で、直訳は、「目は心の窓」。
ただ、相手の態度などからその人の気持ちを想像し、その気持ちに沿うように行動してあげる、となると「そこまではしないでしょ」ということかもしれません。
英語圏(イギリス&北米)での体験では、個人主義が徹底しているので、言葉で相手が伝えてこないことに関しては、いろいろ想像して余計なおせっかいを焼かない、という感じかなあと思います。
相手の気持ちを「察さない」のは、相手のプライバシーに踏み込まないようにしている、と解釈できるのではないでしょうか。
英語のコミュニケーションは、いつでも「はっきり言う」?
あるイギリス人同僚の考察
全く日本を知らずに、ある日突然、辞令をもらって日本にやってきた駐在員リチャードさん。
仕事の上ではスゴイ切れ者らしいのに、イギリス人らしいドライなユーモアでみんなを笑わせる気のいい紳士。
着任からしばらくして、リチャードさんは日本人スタッフたちに言いました。
「日本で一番先に覚えた日本語は、これだな」
そして、腕を組み、首をかしげて口のはしから空気を抜きながら「シ〜」。
一同、大笑い。取引先から無理難題を言われたときに、「できません!」と一蹴できない日本人サラリーマンが「ん〜〜〜、それはちょっと難しいなあ」という前に、発するあの、「シ〜」ですよ。
リチャードさん曰く、
「最初は、本当に戸惑ったよ。だって、「シ〜」って音を出したきり、何にも言わなくてさ。なんか「気持ちを汲んでよ」って求められているのはわかるんだけどね」
「やっぱりはっきりダメならダメと言ってもらわなきゃわからないよ」
YesかNoか、はっきりして!
今度はイギリス人上司との困った経験です。
東京の小さな外資系企業で働いていた時。。。日本の業者とイギリス人社長との間で、ちょっと大変でした。
毎日が、「言わないでもわかってよ(業者)」vs. 「白か黒か、どっちかはっきりさせろ(社長)」の調整。
日本の習慣として、対応が(本来は)できないことでも、できないと言わずに「ちょっとそれは難しいですねえ」と言いがちですよね。
日本人にとっては、「あ、こりゃダメってことだな」って理解できますが、イギリス人には「難しいんだな=できないわけじゃないんだな」という理解になるんですね。
ちょっとしたことなんですが、この「難しい」、かなり悩まされました。。。
恋愛ではどうなのか
こと恋愛のシーンでは、この辺の文化的ギャップがちょっとしたいさかいの元になりがちかもしれません。
もし外国人とお付き合いをするのなら、「言葉に出して言わないことは、相手には伝わっていない」ということをいつも頭の片隅に置いておく必要があるでしょう。
これは、日本人同士の恋愛でも同じことが言えるかもしれません。
「男性は女性の気持ちが全然わかっていない!」
「男の気持ちなんて女にはわからないのさ!」
なーんて言いますものね。
かつてのベストセラーに、『ベスト・パートナーになるためにーー男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた』(著:ジョン・グレイ)という本があります。
数々の恋愛指南書で知られるジョン・グレイ博士が書いたもので、男と女というものは、もともと感じ方や考え方が全く違う生き物だ(異星人同士と言えるくらい)から、分かり合えなくて当然だと説いた画期的な恋愛ハウツー本と言えます。
「本質的には、分かり合えないという前提で相手を思いやれれば恋はうまくいく」、という点が非常に共感できます。
小説も映画も大ヒットした、『ブリジット・ジョーンズの日記』(作:ヘレン・フィールディング)で主人公ブリジットの愛読書(というかバイブル?)として紹介されました。
▼ 『ベスト・パートナーになるために』
▼ 『ブリジット・ジョーンズの日記』
異文化・異言語の人たち同士って、ある意味、異星人みたいなもの。
生まれ育った環境どころか、歴史的なバックグラウンドも、宗教的なバックグラウンドも、小さい時から食べてきた食べ物も違うし、言葉も違う。
分かり合えなくて当然です。
国際結婚なんて、きちんと話し合っても誤解が生じたりしますから。
「気持ち察してよ」なんて全然通用しないです。
まとめ: 結局のところ、どうなんだろう?
相手にわかって欲しいことは、きちんと言葉で表現するのが欧米式だと思います。
仕事でも恋愛でも、はっきりイエスかノーかは伝えるのが一般的。
特に仕事上では、グレーなままにしておくと作業が進まない。。。誰かがやってくれるだろう、と言葉を濁しておくと、まず間違いなく、そこで止まったままになるはず。
表情は感情を表現する、という意味で「目は口ほどに物を言う」は欧米も同じですが、「沈黙は決して金ではない」ので、きちんと自分の意見を言うほうが信頼を得られると思います。
はっきり意見を言うって、意外と難しいですけれどもね。。。