国際結婚で海外に住んでいます。
一時帰国の時は実家に滞在しますが、
両親とも見送って実家がなくなった人はどうしているのかな?
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
海外に住む日本人数は増え続けていて、令和元年の調査では140万人を超えたそうですね。
海外生活、いろいろあっても、まあ若いうちはいい。
でも、自分も年を重ねるということは、
日本の親たちもいつまでも元気なわけじゃないということ。
「日本に実家がなくなる…!」
これがいつか現実の問題となってくるんですね。
国際結婚や海外就職などで、海外に住んでいる人の、日本の実家がなくなったらどうなっちゃうのか。
ちょっと心配ですよね。
この記事では、実体験もおりまぜながら現実の様子をお伝えしてみたいと思います。
目次
海外在住者、「実家がなくなる!」
海外に住んでいても、日本の親が健在で「いつでも実家に帰れる」って心強いもの。
でも、「いつでも…」という安心があるうちは、そのすごい有り難みを感じていないかもしれませんね。
日本の実家がなくなるのは、次のようなケースです。
きょうだいが実家の世帯主になる
実際に生まれ育った家がなくなるわけではないんですが…。
きょうだいが結婚して実家の世帯主になると、「我が家」ではなくなってしまうんですよね。
海外在住でなくても、実家がきょうだい世代に変わると、やはり遠慮が出ますよね。親が若かった頃のように、気軽に実家に頼れないという人は多いのでは?
ましてや、海外からの一時帰国だと、滞在も長くなるので遠慮がありますよね。
親がホームや介護施設に入る
親が、高齢者用住宅に入居したり、介護施設に入ったなどで実家を整理するケースもあります。
有料老人ホームなど、高額な入居一時金が必要な場合も。
こういった場合、住んでいた自宅を売却して入居費用にあてるケースも多いようです。
また、ホーム入居で空き家になった実家を売却するご家庭もあります。
毎月の月額利用料や介護費用、その他いろいろと費用がかかりますものね。
親が亡くなる
実家に住んでいた両親が亡くなり、誰も住む人がいなくなった家。
子供世代が、別の場所で生活基盤を持っている場合、実家は空き家になってしまいますよね。
相続しても、維持費がかかるし空き家は傷みが早いんですよ。
また、誰も住んでいない家をそのままにしておくことは、防犯上、危険でもあります。ご近所の迷惑にもなりかねないし。
こうして実家も、親世代もいなくなったときには、本当に帰る場所がなくなります。
海外在住で日本の実家がなくなると困ること
日本の実家がなくなってしまったとき、海外在住者が困ることとはどんなことなのでしょうか。
具体的にいきますね。
日本の連絡先に不自由する
海外に住んでいても、「日本の住所(連絡先)」ってけっこう使うことがあります。
【日本の連絡先が必要になるもの】
- 銀行
- 副業
- 宿泊などの予約
- クレジットカード
- 免許証
銀行
日本の銀行口座って、「日本と何らかの関わりを持って暮らしていく」には必要なんですよ。
海外在住者の場合、新規で日本の銀行口座を開くことはちょっと難しいんですね。
国内住所が必要だというケースが多いです。
「もう日本に住んでなくて、海外なんですう〜」なんて言うと、
「恐れ入りますが、お取引はできかねます」ということになりかねません。
特に投資型商品とかは、海外在住だという時点で申し込めません。
安全第一ということですよね。
副業
副業として日本の企業の仕事を受けたい、などという場合。
「日本の連絡先住所」が必要になることが多いです。
ネット経由でのリモートワークをするときも、登録は日本の住所、決済口座は日本の銀行で、というケースがほとんどなのではないでしょうか。
宿泊などの予約
予約サイトを利用して日本の宿泊予約をする場合、日本国内の連絡先住所が必要なことがあります。
そもそも住所の選択肢として日本の都道府県以外は選べない!ということも。
以前の話ですが…。
海外住所で温泉旅館の予約した時に、実家に問い合わせがあったそうです。
「こちらのご住所で間違いなかったでしょうか?」とのこと。
あとで旅館に聞いたら、
「海外ご住所でのご予約のようでしたので、本当にお出でいただけるのか確認させていただきました」とのこと。
(宿泊時も、あまり対応のよくない旅館だったのですが、それが現実!)
クレジットカード
日本のサイトでの買い物とか、「日本発行のクレジットカードじゃないとNG」ということがあります。
ぜったい1枚はキープしておきたい、日本のクレジットカード。
これも、日本の住所が必要ですね。
新規カードへの更新時など、特に、頼りになる日本の受け取り先住所がないと困っちゃいます。
免許証
日本の運転免許証、海外に住んでいてもきっちり更新を続けている人は多いんじゃないでしょうか。
海外移住の際に、住民登録をしていた市区町村に「海外転出届け」というのを出しますよね。
そうすると、住民票も、健康保険証も、印鑑登録も、身分証明になるものが入手できなくなります。
残るはパスポートと運転免許証が頼り。
しかも、住所が記載されているのは運転免許証だけなんですよ(パスポートは自分で書き込むだけ)。
だから、日本国内では運転免許証はとっても貴重な身分証明書!
でも、運転免許証の交付・更新には、日本の住所が絶対必要なんですね。
実家がない場合は、きょうだいや親類に一筆書いてもらって、「一時帰国先」として警察に届けます。
帰省先がない
日本に帰省できる実家がないということは、海外在住者にはかなり大変。
海外で暮らす日本人にとって、日本への一時帰国はそれはそれは楽しみなイベント。
日本の親族とゆっくり時間を過ごしたり、懐かしい友人たちと会ったり。
子供たちは、日本のおじいちゃんやおばあちゃん、いとこたちと会えるのを楽しみにしています。
国内から実家に帰省するのとは違って、一時帰国の場合は滞在期間が長めです。
夏季休暇やクリスマス休暇を利用して、数週間から1ヶ月以上も日本に滞在するご家庭も。
だからゆっくり滞在できる帰省先がないと、一時帰国そのものが簡単ではなくなってしまうんですね。
心のよりどころがない
親が健在なうちは気づかないかもしれないですが、実家って「ふるさと」であり、心のよりどころでもあるんです。
いくつになっても、やっぱり親は親。
無条件で自分の味方になってくれる存在なんじゃないかな(「いや違う」というご意見もあるでしょうが…)。
親がいなくなる、実家がなくなるって、心の最後のよりどころがなくなるような感覚かもしれません。
「親が生きていて、実家がある」って、すごくありがたいことなんですね。
荷物の送り先がない
非常に現実的な話ですが、実際に「あれ、これどうしよう?」と思ったので…。
例えば、日本に帰省していたとき。
帰省期間も終わりが近づき、帰りのスーツケースを空港宅配便で空港まで送ったとします。
その時、宅配業者の送り状には「送り主住所」も書きますよね?
実家がないひとは、「送り主住所」どの住所を書けばいいんでしょうか。
滞在先のホテル?
親しくしている親戚や友人の住所?
もし何かがあって、空港にスーツケースが届いていなかった!なんて時。
出発便を遅らせるわけにはいかないし、スーツケースはどこに行っちゃうんだろうって思います。
実家があれば、そこで預かっておいてもらうこともできるのにね。
困りますよね。
心の底から寂しい
実家がなくなると、時がたつほどに寂しくなるものです。
相続手続きだの、維持をどうしようとか、売却手続きだのに忙しくしているときは、おそらく感傷的になっている余裕はないかもしれません。
「片付けが大変だった」
「無事に売れてホッとした」
「誰かに使ってもらったほうが、きっと家のためにもベスト」
こんなふうに、家の片付けに気を取られてた時期を過ぎると、心の中にポツンと穴が空いたような気分になるかも…。
心の底から寂しさを感じるのではないでしょうか。
日本に住んでいても、海外に住んでいても、実家を手放した経験のあるかたは、みんな同じかもしれないですね。
実家がない海外在住者の帰省とは
欧米では、家具付きの短期貸しアパートがいたるところにあります。
ところが日本では、まだまだ少ないのが現状。
日本に一時帰国するとき、帰省できる実家がない海外在住者の滞在先にはどんなものがあるのでしょうか。
ホテル滞在
「海外から日本に帰国した際に、実家以外でどこに滞在するか?」
という素朴な疑問を持って、ネットでいろいろ検索してみたことがあります。
海外在住のかたたちが、実家以外のどこに滞在しているのかというと、
意外に多いのが「ホテル」。
「え? 高くつくんじゃない?」
と、思いがちですが、日本に家を持ったりするよりは、帰省時にホテルに泊まったほうが経済的なんですよね。
日本から海外旅行に行くときだって、みなさんホテルに滞在するでしょ。
あれの逆ですよね。
外国暮らしが長くて、生活基盤が100%海外という場合、日本滞在は「たまに来て短期間」なのかもしれないですよね。
全国展開しているチェーンホテルのなかには、長期滞在可能なところもあるようです。
小さなキッチンがついていたり、コインランドリーが館内にあったり。
ただやはり家族で長期滞在となると、かなりの出費を覚悟する必要がありそうですよね。
民泊利用
民泊といえばおなじみのAirbnb。
すごく便利なロケーションのところに、安くてキレイな家を借りたことがあります。
居心地が良くて、そのまま住み着いてしまいたいくらいでした。
また、口コミと運まかせですが、「知り合いの、そのまた知り合いが貸している離れ」とか「いとこの友達の家の空き家」とか、情報網を張り巡らしておくと安く貸してもらえることも。
ウィークリー・マンスリーマンション
都市部では、ウィークリーやマンスリーマンションなどを一時帰国の滞在に利用することも可能ですね。
ただ難点は、ある程度の規模の都市でないと見つからないことと、ファミリー向けが少ないことかな。
この手のマンションのいいところは、キッチンがついていることですね。
日本なら、デパ地下やコンビニを始め、バラエティ豊かなテイクアウトが可能ですが、できたら簡単でも食事を作りたいという人が多いと思います。
せっかくの日本、日本の食材を使って和食を楽しみたいですものね。
友人・親戚宅
ご実家がもうない(泊まれない)という海外在住の方で、よく聞くのが友人宅や親戚宅に滞在するケース。
でもどんなに親しくても遠慮はあるらしく、
「1週間単位で、姉の家と従姉妹の家に行く」
「友人の家に泊めてもらうけど、2週間が限度かな」
といった具合。
また、単身ならお願いしやすいけれど、家族で滞在をお願いするのは気がひけるという意見もあります。
まとめ
海外在住の日本人がいつかは直面する「日本に実家がなくなる」現実。
国際結婚や海外就職などで、海外に拠点を持っても、やはり日本に実家があるのとないのとでは大きく違うんです。
日本の連絡先に不自由する
帰省先がない
心のよりどころがない
荷物の送り先に困る
心の底から寂しい
実家がなくなってしまうのはとても寂しいことなんですが、誰にでもめぐってくることでもあるんですよね。
「いつか」を心配しても仕方ないですけれど、「こんなふうに現実的に困ることが起きるよ」という点をまとめさせていただきました。
日本での連絡先の確保など、できれば早めに考えておいた方がよいかと思います。
ご参考になればうれしいです。