国際結婚されているみなさん!日本を離れて外国に暮らすみなさん!
お子さんの「言葉」について悩んでいませんか?
うちも、です(笑)。
現役バイリンガル子育てお母さんの、まのん(@ManonYoshino)です。
「海外に住んでいれば、子供は生まれながらのバイリンガルでいいわねえ」なんて、言われてモヤっとした経験はありませんか?これぞ国際結婚の日本人あるあるのひとつかもしれませんよね。
そんなに簡単なことじゃないっ!と言いたくなりますよね。国際結婚カップルの子がバイリンガルに育つためには、ひとえに「親の覚悟と努力」がいるようです。
この記事では、現役バイリンガル子育てママの筆者が、海外子育て現場から、子供が日本語ペラペラに育つ5つの法則をご紹介します!
★海外での日本語バイリンガル子育てについての情報はこちら★
目次
海外で日本語ペラペラの子どもを育てる
自然にバイリンガルに育つわけではない
「お父さんとお母さんの言葉が自然にできるようになるから、いいわねえ」
国際結婚をして子供が生まれると、よく言われる言葉です。
生まれながらのバイリンガルが当然のように考える人が多いようですが、現実は全然違いますよね。
大きくなるにつれて日本語が弱くなる現実
幼児期は日本語が得意な子が多い
両親の母語が違う場合、子供達の多くは、小さいうちは最も自分と過ごす時間の長い大人(母親がずっと子供と一緒に家にいる場合は母親の母語)の言葉に親しみます。
母親が日本人で、日本語で語りかけていれば、子供は日本語を理解して話すようになります。
ところが、幼稚園に通うようになり、さらに学齢期になると、だんだん子供たちの言葉も住んでいる国の言語が強くなります。
「日本語苦手」に変わる、学齢期の壁
国際結婚で海外に住む家庭の場合、多くの子供たちが「現地の学校」に通うことになるのではないでしょうか。
日本人学校がある地域は限られていますしね。
私立のインターナショナルスクールという選択肢がある場合もありますが、駐在員家庭のように派遣元の会社が子供の学費を払ってくれるわけではないので、授業料はそれなりにかかります。
だから、現地の学校に通って、普通にお友達と遊んだりしているうちに、国際結婚の子供たちの言葉も、やはり現地で話されている現地語になっていくようです。
家族の会話が現地語のみだと、日本語は忘れられていく
たとえば。。。
日本人女性が海外留学などで外国に来て、現地の男性と恋をして結婚したとしますよね(国際結婚の多くがこのパターンなのでは?)。
すると、現地の男性が「日本語ペラペラ」である確率はあまり高くないので、このカップルの共通言語はおそらく「現地語」。
仮に英語圏だとすれば、現地語は英語ですよね。
子供が生まれて、日本人のお母さんはがんばって子供に日本語で話しかけようとします。母親と過ごす時間が多い子なら、最初は日本語から覚える場合もあるでしょう。
ところが、ここで母親が踏ん張って「日本語のみ」で接していかないと、日本語をちょこちょこ話していた子供も、だんだんラクなほうに流されてきます。
まわりの人たちがみんな英語での会話なうえ、お父さんとお母さんの会話まで英語だったら、当然、子供も英語になります。
一旦この構図ができあがってしまうと、お母さんが日本語で話しかけても、子供から発する言葉は英語になってしまうんですね。
「だって、お母さんだって英語で話せるでしょ!だから英語でいいじゃん!」ってね。
海外在住ハーフの子どもが日本語ペラペラになる5つの法則
では、日本人の親として国際結婚の子供を日本語も話せるように育てたいと願うなら、どのようにしていけばよいのでしょうか。
長年、外国に暮らす日本人の「子供の日本語教育」の様子を見てきて、成功するバイリンガル教育には共通の「法則」のようなものがあるなあと思います。
ここからは、「現場で見てきたこと」&「現役ママとして経験」から、バイリンガル子育て成功のコツをご紹介します。
法則1 夫婦のあいだの「言葉」への価値観の一致が大切
たぶん、これが何より大切かと思います。
子供をバイリンガルとして育てていくには、時間も労力も、そして実はお金もかかります。ある意味、壮大なプロジェクトのようなもの。
いくら日本人のお母さんが、「日本語、日本語」と頑張っても、外国人のお父さんが協力的でなければ、このプロジェクトは継続できません。
子供の教育は、その子の将来の財産になるということが夫婦の共通認識である必要があります。
「どうせ日本語なんて使わないから無理に勉強させるのはかわいそうだ。無駄だ」という外国人パートナー、意外と多いですよ。そして、そういうパートナーの親族や友人たちも同様な考えだったりします。
「バイリンガル、マルチリンガルであることは子供の一生の財産だ。ぜひがんばろう!」という考えがまず必要です。
法則2 一親一言語を守る
「一親一言語」というのは、親が子供に接するときに一つの言語のみでコミュニケーションするという意味です。
母親が日本人、父親がドイツ人という家庭を例にとってみると、次のようになります。
母親から子供へは日本語のみ。子供から母親へも日本語のみ。
父親から子供へはドイツ語のみ。子供から父親へもドイツ語のみ。
言葉を混ぜない、のが鉄則です。
よくありがちなケース(英語圏の場合)
1. 日本語の文に、英語の単語が英語式発音(日本人の場合は日本人アクセントの英語)で混じる。
- 「あら、マミー(Mummy)が昨日、ちゃんとホームワーク(homework)やっておいてって言ったでしょ!
- 今日はヒストリー(History)のイグザーム(exam)があるんじゃないの?
- ほら、ハリーアップ(hurry up)、デアッドズ ウェイティング フォー ユー(Dad is waiting for you!) 早く出かけなさい!」
2. さらにすごくなると、「てにおは」と文型が日本語で、あとは英語。その言語を知らない人が聞いたら「???」。もちろん発音は英語式。
「Saturday に tennis の practice があるから、after lunch に Paul の Daddy が pick-up くるよ」(土曜日にテニスの練習があるから、お昼の後、ポールのお父さんが迎えにくるよ)
せっかく日本語を学習しているのに、不思議な日本語ですよね。こうならないためには、一親一言語を徹底する必要があるのです。
実際、かなり難しいですけれど。(じゃ、家族で会話するときはどうなのよ?となりますからね)
法則3 幼児期は親が子供と一緒に日本語を楽しむ
赤ちゃん時代から、幼稚園くらいまでは、親子で日本語を楽しむことが決め手かもしれません。
- 手遊び歌で一緒に遊ぶ。
- 絵本の読み聞かせをする。子供に読んでもらう。
- おもちゃで一緒に遊ぶ(ブロック、ままごと、すごろく、お店やさんごっこなど)。
- 公園で一緒に体を動かして遊ぶ。
うちの場合は、日本語放送の教育番組と、日本から届く幼児向け通信教育でずいぶん助けられました。
以下、我が家の幼児期の様子です。
日本語放送の教育番組とアニメ
教育番組の「おにいさん」「おねえさん」には、本当にお世話になりお礼を言いたいくらいです(笑)。歌を一緒に歌い、体操もし、「すり替え仮面」にワクワクし、「ぞうさんのいすとりゲーム」をし、ゲームも親子で楽しみました。
日本のアニメも、毎週新しいものが見られる日本語放送は、飽きることなく、自然に日本の暮らしを知り、生きたボキャブラリーの習得になりました。
DVDとの違いは、「どんどん新しい番組が見られる」ことであり、「次回のお話」を楽しみにできることです。
通信教育
また、大手通信教育のプログラムはDVDや学習おもちゃが充実していて、夫も含めて子供と一緒に遊んだりもしました。
小学生・中学生向けの通信教育もある講座だと、子供のモチベーション維持に抜群の効果があります。
幼稚園児には、マナーや社会のきまりを楽しみながら覚える工夫がなされ、小学校入学に向けては「読み書き」も楽しめるように、考えに考え抜かれたカリキュラムが見事だなあと思いました。
しかも、小学生になる、大きくなる、ということをとても上手にフィーチャーしています。おかげで、日本の小学校への体験入学も子供にとっては「待ちに待った楽しい体験!」になりました。
【就学前の子におすすめ】
就学前の子どもたちには【こどもちゃれんじ】がおすすめです。テレビアニメでも放映されている「しまじろう」と一緒に遊びながら生活習慣や日本語の基礎を学べます。
幼児向け講座なら「お勉強」ではなく生活の中での遊びから自然に言葉の力が身についていきますよ。我が家での経験も含めたレポートは、こちらに詳しく書かせていただいています!【海外日本語教育】「こどもちゃれんじ」なら悩まずラクラク効果抜群
【小学生からのおすすめ】
小学生からは、【進研ゼミ小学講座】です。日本の小学校と同じ内容を海外でも学ぶことができます。「小学生のヤル気」を知り尽くした内容で、子どもをぐんぐん引っ張ってくれますよ。
【進研ゼミ・海外での評判?】小学生の日本語教育に最適な5つの理由で続けられる理由・伸びる理由をご紹介しています。
親も一緒に楽しむことが大切
では子供にテレビを見せておけばOKかというと、それはちょっと違います。
幼児期は特に、親も一緒に楽しむことが大切なように思います。
幼児番組を見るときも、ちょっと家事の手は休めて、子供と一緒にテレビの前に座って歌って踊る!「ああ、楽しいなあ。ママ(パパ)も楽しそうだなあ。もっと知りたいなあ」と思わせることができたら大成功です。
法則4 学習習慣は幼児期から
そのあとの勉強量に負けないために
外国人のパートナーからしたら、「え?そんな小さいうちから机に向かわせなくてもいいんじゃないの?かわいそう」と思うかもしれません。
でも、海外に住みながら日本語をバイリンガルレベルにするためには、ある程度の勉強量が必要になるんです。
小学校6年生レベルの国語力をつけさせたいと思ったら、ものすごい量の漢字の知識と語彙力、読解力と作文力が必要ですよね。相当な学習時間が必要です。
勉強することが苦にならない習慣付けを
これを継続するには、小さい時からの学習習慣がモノを言うと思います。
日本語も上手にできることはスゴイことなんだ、自分は、特別な勉強をしているんだ、という意識付けを幼児期にしておくんですね。
海外で日本語バイリンガルとして育てるためには、ひらがなの読み書きは小学校入学前にできるようにしておく、というのが大切らしいですよ。小学校に入ると、現地語の読み書きがはじまるので、その前に日本語の基礎固めをしちゃうということだそうです。
フランスなどでは公立の小学校ではほとんど宿題がでません。(両親が外で働いていて、子供の宿題を見てあげられない家庭がある。すると、その子供たちは、親に家庭学習を見てもらえる子供と比べると学習サポートが得られずに不公平だからだそうで。。。)
家庭での学習習慣がないという周囲の環境の中で、毎日きちんと机に向かって日本語の学習をするというのは、なかなか大変なんですね。周りのお友達は、学校の後は自由に遊んでいるわけですから。
法則5 小学生からは日本を楽しむ
机に向かってコツコツ勉強することも大切ですが、肝心なのは子供にとって「日本は楽しいところで、日本語を話せることはスゴイこと」であるということ。
日本は楽しいところというイメージの例:
- おじいちゃん、おばあちゃんに会える。自分が行くことをとても楽しみにしてくれていて、いつも大歓迎される。
- いとこたちと楽しく過ごせる。
- 日本の友達と会える(体験入学の良さのひとつです)。
- 大好きなテレビ番組がたくさん見られる。
- 好きなキャラクター商品がたくさん買えてテーマパークに行ける。
- 美味しいお寿司が食べられる。
- 新幹線の旅が楽しすぎる。
- 日本ではあらゆる表記が日本語なので、電車の駅名から中吊り広告まで「漢字の勉強を頑張った成果」が見える。
- スゴイ自分を実感できるところ、それが日本!
日本好きになった子供にとっては、地元の何の変哲もないスーパーやドラッグストアに行くことすら楽しみで仕方ないようです。コンビニのCMソングなどを楽しそうに歌い、日本を考えるだけで楽しみで眠れなくなる。ここまでいけば大成功です。
まとめ
国際結婚の家庭に生まれた子供が、父親の母語と母親の母語両方の言語をマスターしてバイリンガルとして育つための条件を挙げてみました。
- 夫婦のあいだで「言葉」に関する価値観を一致させる
- 一親一言語を徹底する
- 幼児期は親が子供と一緒に日本語を楽しむ
- 幼児期から毎日の学習を習慣づける
- 小学生になったら日本を楽しむ経験をたくさんさせる
書いてしまうと簡単に感じますが、なかなか大変です。
バイリンガル教育を徹底させて成功させているご家庭は、いずれも日本人の親がかなりの時間的投資を惜しまずに、根気強く子供と一緒に頑張っているようです。
幼いうちから言葉を複数同時に覚えることは、子供の学力向上にも役立つといいます。複数言語を自由に操るという特技は、子供にとって一生ものの財産にもなりますよね。
毎日コツコツ、子供を楽しませながら、でも徹底してやる、ということが大切だと思います。