フランス大好き!
いつかは住んでみたいと思っている。
やっぱり人も文化も日本とはかなり違うんだろうか?
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
フランスについてどんなイメージをお持ちですか?
美味しいものがたくさんあるグルメの国?
ファッションの国?
フランス語が難しそうな国?
昔から「一度は行って見たい国」として人気のフランス。
パリの洗練された街並みやおしゃれなカフェ、歴史的建造物から田舎の美しい村々まで、見どころがたくさんです。
でも、フランスの生活とか、フランス人ってどんな人たちなのか、というと意外と知られていないことも多いよう。
この記事では、
生活して見えてきたフランスと日本の違い
についてご案内していきたいと思います。
フランスならではの生活や習慣など、
「のぞいてみたいかも…」
というかた、どうぞお付き合いください!
目次
生活して見えたフランスと日本の違い
観光で訪れるだけでは見えてこない外国の独特の文化。
普通に毎日を生活してみて初めて「えっ…」とびっくりすることも多いです。
私は、英語圏3カ国で生活して、しばらく東京に暮らした後、ヨーロッパに移住してきました。
外国生活には免疫ができていると思っていたんですが、
フランスでは、「えっ、うそ?」的なびっくりが続いています。
何年住んでいても毎日が新鮮、です(笑)。
フランスの一般的なイメージ
フランスというと、日本人は何をイメージするのでしょうか。
【 歴史 】
日本ではあまりにも有名なフランス革命や、ナポレオンの存在が強烈。フランス人よりフランスの歴史に詳しい日本人も。
【 食文化 】
ワインやチーズを始め、グルメガイドに掲載される星付きレストランなどから、食をイメージする人も。
【 アート 】
ルーブルに代表される数々の美術館や博物館、そして映画など、芸術の国というイメージ。
【 観光 】
パリやフランス各地には世界的に有名な観光名所がたくさん。また、歴史的建造物も全国に数多く残る。
【 ファッション 】
パリコレクション、有名ブランド、モード雑誌など、フランスというとファッションというイメージも定着。
でも、これらの定着したイメージ、実際の生活では「あまり縁がない」ことが多いんですよ。
どちらかというと、表向きの顔、ですね。
普通の人はどんなふうに暮らしてる?
「フランスでも普通の人は、日本人と同じような生活です」と、言いたいところですが、ちょっと違うところもかなりあります。
英語圏 で暮らしていた時は、日本人として生活に違和感をあまり感じませんでした。
強いて言えば、日本より時間的にゆとりがある、という感じ。
フランスだって、ごく普通の一般人が、毎日判で押したような普通の生活をしています。
でも、日本とは「普通」が、かなり違うんですよね。
フランスと日本の違い「家庭生活」
生活者が見たフランスと日本の違い、まずは家庭の中のことから4つのポイントでご紹介します。
大人と子供の分離
これはフランスに限ったことではなく、昔のイギリスなどでも小説などに出てくるのですが…。
「夜は大人の時間」みたいな文化があります。
帰宅、おやつ、宿題、遊ぶ。
18時、ぬる〜いお湯で入浴。
19時、子供の夕食
20時、子供部屋へ入って寝る。以上。
子供と帰宅(会社帰りに学童へお迎え)
18時、子供を入浴させる
19時、子供に夕食を食べさせる
20時、子供を寝かせる(読み聞かせもする)
20時30分〜 夫婦の食事
これは人を招いた時や、パーティーなどでは特に顕著。
子供は最初に食事させて、あとは子供部屋。
パーティー時は、ベビーシッターを雇うことも多いですね。
カップル文化
同じ家族であっても、夫婦と子供の間には線引きがあるのがフランス。
レストランに夕食を食べに行くのは夫婦だけ。
子供同行でレストランに出かける夫婦は少ないかもしれません。
子供はベビーシッターか、祖父母宅にあずけたり。
夫婦二人で国内や海外旅行をするカップルも!
もちろん、家族で映画などに出かける夜もあり、そういうときにはファミリー向けのレストランチェーンなどで食事をします。
でも、「夫婦二人きり」の時間を作るカップルが多いですね。
高齢カップルもアツアツ
退職した世代でも、熱々カップルを街でよく見かけます。
手を繋いで歩く、男性が女性の腰に手をまわすとか、街中でも二人の世界。
男女の愛情表現を、照れることなく自然にできるのがフランス流。
セックスレスがあまりない社会
フランスにはセックスレスのカップルがいない、とはよく聞く言葉です。
それは、フランス人だけが特別に愛情が濃い、というわけではないんですよね。
肉体的に愛し合っている二人=カップルだから。
夫婦なのに寝室が別とか、寝室にシングルベッドを2台(間隔をあけて)とか、普通はありえないようですよ。
だから、家庭内別居なんていう状態にもならない。
お互いに惹かれあえないカップルは別れる選択をするわけです。
フランスと日本の違い「社会生活」
次に、社会生活の中に見えるフランスと日本の違いはどんな点でしょうか。
こちらは8つのポイントをご紹介します。
政治参加意識が強い
もともと議論好きの人が多いフランス。
特に政治に関する話題では延々と議論が続きます。
でも、政治批判をするだけでなく、「政治家は自分たちの代表」という意識も強いようです。
だから、選挙にはしっかり足を運ぶんですね。
大統領選挙は5年に一度。
直接選挙なので、国民にとって「大統領は自分が選ぶ」意識があるよう。
だから、かなり前から国全体で盛り上がります。
ストやデモがとても多い
フランスで生活すると、本当にストやデモが多いことにびっくりします。
大統領選挙の前年などは、より一層デモが多いように感じますね。
自動車燃料税の増税に反対した「黄色いベスト運動」は、日本でもニュースで取り上げられたことと思います。
「黄色いベスト運動」はどんどん過激になり、一部ではデモというよりも暴動のようになりました。
また、ストライキもとても多いフランス。
公共交通機関のストで、1週間市内交通が麻痺したこともあります。
空港の「管制官のスト」や「保安係官のスト」で、空の便が数日にわたって麻痺したこともあり、とても困った思い出があります。
学校の先生もストを行うことがあり、「先生はストでお休みです」なんていう事態も起こります。高校生も、待遇改善を求めてストを行い、一部暴徒と化した物騒な事件も起こりました。
自分の意見をはっきり言うフランス人。
誰もが、自分なりの持論というのを持っているように感じます。
そして、政治への参加意識が高いので、「ちゃんと抗議しよう!」ということでデモやストになるのでしょうね。
超学歴格差社会
「フランスは超学歴格差社会」…。
これは、意外に思われる方も多いかもしれません。
フランスのスローガンが「自由・平等・博愛」というのは有名です。
国旗の三色、青・白・赤の色がそれぞれの言葉を表しているという俗説もあります。
でも、実際はすごい学歴格差社会。
日本の場合、一旦社会人になってから学び直したり資格を取ったりして、キャリア変更がわりと自由です。
ところがフランスは、高校卒業時の選択によってその後のキャリアがほぼ固定されてしまうと言われています。
医学・法学以外の分野で「企業エリート」を目指すなら、大学ではなくグランゼコールと呼ばれる高等教育機関への進学を選択する必要があるんですね。
グランゼコールへは2年の準備級と試験を経て入学し、3年間学びます。
狭き門であるこのコースを選択することが、将来のエリートへの道となるわけです。
「入り口を間違うと、一生ヒラ。エリートになるにはグランゼコール」というくらい、高等教育機関の選択は大切なんですね。
移民が多い
第二次世界大戦後の労働力不足を補うため、スペインやポルトガル、マグレブ諸国(リビア、チュニジアなど北西アフリカ諸国の総称)からの移民を多く受け入れたフランス。
また、地域によっては、アフリカの元植民地から移民してきた人たちを多く見かけます。
中国やフィリピンなどのアジア系移民や、南米からの移民の人たちが多いアメリカやカナダとはちょっと雰囲気が違うように感じます。
挨拶文化
国によって、挨拶にも文化があるんですよね。
挨拶のキス
親戚、友達、同僚など、「知っている人」と会う時。
「ビズ」と呼ばれるチークキスを交わすフランス人。
自分がよく知っている人だけでなく、夫や妻の友達や親戚、(子供にとっては)親の知り合いまでチークキスの範囲はめちゃくちゃ広いです。
北米では、本当に親しい人以外とは「ハグ」が主流。
一方、フランスの場合、本当にビズの回数が多いんですよね。
全然知らない人の頬っぺたにチューというのは、
なんか微妙です。
特にウィルス性胃腸炎とかインフルエンザの季節は…。
とはいえ、2020年の新型コロナウィルス大流行以来、もちろん「ビズ」はすっかり姿を消しています。(またすぐに戻ってくるでしょう)
▼「欧米で生活したいな〜」とか、「仕事で外国人と関わることが多いんだけど…」というかたは、挨拶のキスとハグについては、事前に頭に入れておくと役にたつかも。
こんにちは、ありがとう、さようなら
初めてイギリスを旅した時、すごく感動したのが「気軽な挨拶」。
お店に入る時、出る時、街で誰かと目があった時、にっこり笑って「ハロー」。
(これって、気持ちいいなあ)と思ったものです。
フランスも同じ。
お店やレストランなどに入る時は、必ず「ボンジュール(こんにちは)」と挨拶して入ります。
買わずに出る時も、「メルシー、オールヴォアール(ありがとう、さようなら)」と言って出るのが一般的。
会計が済んだ時も、「メルシービアン、マダム!(どうもありがとう)」などと声をかける人が多いです。
ほんのちょっとのことなんですが、気持ちが和むんですよね。
お客様は神様ではない
労働者の権利が強いというか、平等意識が強いというか、どんなお店であってもお客様は神様にはならないのがフランス。
「お店に入らせてもらって見せていただく」
こんな感じに見受けられます(実際は、こんなに平身低頭な客はいないと思いますよ)。
上から目線の態度をとる店員もかなり多いですね。
一方で、本当にフレンドリーで、丁寧な店員さんがいるお店ももちろんあります。
老舗のショコラティエとか、抜群に売れているパン屋とか、薬局とかは、わりと誰にでも親切。
上から目線対応が目立ってしまうのは、ブティックとかスーパーとかですかね。
▼ 最初は戸惑う「フランスのエラそーな店員」さんたち。買い物で嫌な思いをしたという人も多いですが、コツを心得ておくといいかも!
予定通りにことが進まない
日本では、「予定通りに事が進む」のが普通ですよね。
しっかり計画を立てて、その通りに進める努力をします。
小学校の遠足や修学旅行でも、事前に子供達が行動計画を立てたり、「旅のしおり」なんかも作っちゃいますよね。
児童会、生徒会でも、年間活動計画を立てて代表委員で決をとったり。
夏休みだって、ちゃんと計画を立てて宿題をやらされます(その通りにやるかどうかは別ですが…)。
社会人になったら、もっと計画性が要求されますよね。
フランスは、予定通りに事が進まない事が普通です。
おおまかな計画を立てて、計画に沿って進めるけれど、遅れるのが当たり前。
遅れても「自分のせいじゃなく、誰かのせい。仕方ない。それが人生」です。
日本の「きっちり」に慣れていると、最初は本当にストレスが溜まるかもしれません。
フランスでは「きっちり」より「自分らしく生きる(家族とか休暇とか)」ことが重要なんです。
簡単に医者にかかれない
フランスは近年、慢性的な医師の不足が続いているとか。
ちょっと体調が悪くても簡単にお医者にかかれません。
まずは、「かかりつけ医」に行くのが一般的で、この医師が必要と判断すれば専門医に紹介されます。
かかりつけ医のお医者さんも、必ず予約が必要。
早めに診てくれるお医者さんもいますが、何日か待たされることも多いです。
ひどい風邪やウィルス性胃腸炎で、お医者の予約をしたけれど、予約の日には治ってしまっていた…ということも。
専門分野の医師だと、予約が半年先なんていうこともザラにあるんですよ。
眼科なんて1年先だったり。
ただ、どうしてもすぐ!という場合には、救急受付のある病院に行って順番が来るまで頑張って待つという方法もあります。
また、SOSメディサンという出張医師もあり、電話一本で1時間ほどで駆けつけてくれます(もちろん、通常の診察料よりグンとお高くなります)。
SOSメディサンは大変ありがたいサービスなんですが、難点がひとつ!
お医者さんは、処方箋を書いてくれますが、薬は出してくれません。たとえ効果抜群な薬を処方してもらっても、誰かが薬局に買いに行かなければいけないんですね。
一人暮らしだと大変かも…、です。
▼ 具合が悪くても「すぐに」お医者さんに診てもらうことが困難なフランス。詳しくはこちらの記事をどうぞ!
フランスと日本に共通点はあるのか
生活してみると見えてくるフランスと日本の違い。
日本で「常識」と思われていることも、国が変われば常識の範囲外だったり。
逆に、日本だと「え、非常識かも…」と思われそうなことも、海外ではOKだったりするものです。
フランスで生活をすると、日本とはいろんなことが根本から違うんだということに気づかされます。
それも、かなりの頻度で…。
それでも、
「え、これって日本と似てる!」
ということも意外と多かったりします。
その最たるものが、英語力ではないでしょうか。
日本人もフランス人も、世界の中から見ると「英語が苦手」で有名。
フランス人は英語が苦手な人が多いんですよね。
あんなに近い国なのに、おまけに文字も同じ、単語も共通のものがけっこうあるのに、です!
他にも、いろいろ共通している点があるんですよ。
▼ 意外と似ている点も多いフランスと日本。詳しくはこちらの記事をどうぞ!
まとめ
日本から見たら地球の裏側フランス。
モードの国、グルメの国、アムールの国、そして誇り高きフランス語の国。
日本とはぜんぜん違う習慣や文化を持ちながら、実は似ている点も多いのです。
フランスは遠い国でありながら、同時に身近な国です。
いちど訪ねてみてはいかがでしょうか。