フランス人って、毎日なにを食べてるんでしょうか?
グルメなイメージがありますが、毎日ゴージャスなフランス料理じゃないですよね??
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
フランス人の食生活について書いた記事「【フランスの食事、ここがびっくり!】ちょっと衝撃、フランス流の献立」に続き、今回は「主食」についてご紹介したいと思います。
日本とフランスの意外な共通点こそが、この「主食」の存在!
フランスをもうちょっとよく知りたいという方、必見です。
★ フランス人の食生活や、キッチンや食の常識をご紹介した記事はこちらから ★
目次
フランスには「主食」がある
英語圏で暮らすまでは、「主食」って、どこの国にも、どんな民族にもあるんだと思っていました。でも、そうでもないんですよね。
英語圏の「主食」は、はっきりしない
初めて暮らした海外がイギリスだったんですが、そこで初めて、「イギリス人にとってはパンは主食じゃない!」と気づきました。
たしかに朝食に食パンを食べることは多いのですが、それ以外では必ずしも決まった炭水化物が出てくるわけではありませんでした。
例えばこんな献立です。
- 肉料理にグリンピースとキャベツが山盛り、その他なし。
- ソーセージ2本と山のようなマッシュポテト、その他なし。
- 白身魚のフライと山のようなフライドポテト、その他なし。
これって、その後暮らしたアメリカやカナダでも同じでした。あえて主食を定義するなら「じゃがいも」という感じですね。
ちなみに、北欧諸国やスイスなどでも、まあパンは食事についてきたりもするけれど、絶対不可欠とういうほどでもないなあという印象を受けました。
フランスには明らかな「主食」がある
フランスの人たちと深い関わりを持つようになって知ったのは、「フランスではパンが主食と言い切れる!」ということでした。
日本の主食がお米であるように(三食きっちりお米を食べている方ばかりではないですが)、フランス人にとっての主食はパンなんです。
昼時の「小脇にバゲット」は定番
フランスの主食のパン、中でも定番はやはりバゲットでしょう。
小脇にバゲット抱えて歩くフランス人の姿、街のあちこちで見かけます。(なぜか、男性が多い)
昼休みに家に戻って昼食という人が結構多いので、昼時にはバゲットを手に家路を急ぐ姿が。。。
バゲットなしでは食事ができない?
フランスでは、右手にバゲットの小片をもち、左手にフォークという食べ方をしている人をよく見かけます。
サラダなどナイフで切る必要がなく、かつフォーク一本では食べにくい料理の場合、バゲットの小片が「へら」の役割をします。
バゲットの「へら」でお皿の上のサラダをフォークに寄せて、すくう。そしてすかさず、口に運ぶんですね。もはや、バゲットは道具化してます。
もちろん、「へら」としての役割を終え、サラダソースの味が染み込んだバゲットは、最終的にお口の中に消えていきます。
また、お皿に残ったソースを、フォークに刺したバゲットの小片で拭って食べることも。この食べ方、あまりお上品とは言えないらしいですが、手に持ったバゲットでお皿を拭うよりはマシだそうです。
バゲット最大の問題点
焼きたてのバゲットは、皮がパリっとしていて、なかはきゅっとしまっていて、小麦の香りが食欲をそそります。
しかし、バゲットには最大の弱点があるんです。
パンドカンパーニュなどと違って、バゲットは1日経つと例外なく固くなってしまうんです。2日後にはカチンカチン。日持ちがしないんですね。
余ったバゲットは、朝食のトーストサイズに切ってから冷凍して保存します。冷凍バゲットの切れっ端が冷凍庫に眠っているご家庭、多いんじゃないでしょうか。
フランスの「主食」バゲットの食べ方
それでは、フランス人の「主食」バゲットの食べ方についてみていきましょう。
朝のバゲット
朝は、バゲットを適当長さに切り(10センチ〜15センチくらい)、縦半分に割ってトーストします。
そこにバターや、コンフィチュールと呼ばれるジャムをぬります。これをタルティーヌと呼びます。
大きめのカフェボウルにコーヒーやカフェオレをたっぷり入れ、タルティーヌをじゃばっと浸しながらいただきます。
昼のバゲット
お昼に自宅に戻ってランチ、という場合。途中でバゲットを買って帰ります。
レタスサラダや、トマト、アボカドなどと、生ハムやパテなど手間のかからない食材をお皿に並べ、焼きたてバゲットと共にいただきます。
パスタを作った場合も、片手に持ったバゲットの小片でパスタをまとめながら食べたり。簡単に、縦に割ってバターを塗り、サラミを挟んでサンドイッチという場合も。
夜のバゲット
夜の食事にも、やはり欠かせないのがバゲット。
前菜のパテと一緒に。
メインのお肉と一緒に。
サラダやチーズと一緒に。
たぶん、ほとんどのフランスの食卓には、パンが出てきます。そして、その多くがバゲットです。パスタと共にバゲット、ライスと共にバゲット、です。
フレンチトーストとはなんぞや
「フレンチトースト」、個人的には大好きです!分厚く切ったパンを卵液に浸し、バターで表面をこんがり焼いた、あのたまらない食感!
アメリカのホテルやレストランの朝食には、ここにカリカリに焼いたベーコンなどが添えられ、メープルシロップをたっぷりかけていただいたりします。太れます(笑)。
フレンチ、というくらいだからフランスではさぞや定番の朝食メニューなんじゃないかと思いきや、全然違います。
パンペルデュはおしゃれなのか?
フレンチトーストは英語だけど、フランス語だったら「パングリエ・ア・ラ・フランセーズ(フランス式トースト)」?
いえいえ、そんな名前のものは存在しません。あるのは、「パンペルデュ」。直訳すると、「失われたパン」。
「は?」ですよね。
要するに「残り物の固くなったパン」ということで、固くなってしまったパンを始末する料理ということになります。フランス語にすると、ちっとも美味しそうではなくなりますね。。。
デザートにパンペルデュ
パン屋さんではあまりパンペルデュを見かけません。あるとしたら、チェーンのコーヒーショップ。
それから、街のブラッスリーなどのデザートメニューに載っています。バターたっぷりのブリオッシュでつくるブリオッシュ・ペルデュなどもありますね。
ただ、「超人気のデザート」ではない雰囲気です。食事の後に、残り物のパンの始末料理を食べるという概念がイマイチな感じかも。
フランス人とバゲット
フランス人好みのバゲットとは
表面カリッと中もっちり、っていうのが人気のように思います。
中身は、空洞がめだつようなタイプの、「バゲット・アンシエン」などを買っている人が多いです。
日本人好みのフワフワ感というのは、ことパンやケーキ関連ではあまり人気がないかもしれません。
また、パン屋では好みの焼き加減を告げて、店員さんに選んでもらえます。「カリッカリに焼けてるやつ」とか、「ちょうどいい黄金色のください」とかね。
どこにいってもパン屋はある
フランス国中、どんな田舎町でも必ず1軒はパン屋があります。小さな村でも、パン屋。もしくは1軒しかない雑貨食料品店で、近隣のパン屋から運ばれてくるパンを販売しているケースも。
何は無くとも、パンは買えます。
どこにいっても小脇にバゲットを抱えたおじさんがいる、というわけです。
毎日買えるバゲット
ほとんどの商店が休みになる日曜日(最近は都市部では日曜営業のお店もあります)、パンだけは大抵手に入ります。
スーパーは日曜日でも午前中だけ営業しているところが多いので、そこでも買えるし、日曜営業のパン屋もあります。
とにかく、買おうと思えば毎日バゲットは買えます。
まとめ
英語圏で生活し始めた時、ごはんやパンなどの「定番の主食」があまり重要視されていないことに驚いたことがあります。食事には、ジャガイモや豆類などが山盛り。
フランス人と暮らすようになって、フランスにも日本同様に「定番の主食」があることを知りました。何は無くともパン。パンがないと食事が物足りない。
フランスでは、必ず食卓にはパンを用意する家庭も多いようですよ。本場フランスのパン。機会があったらぜひいろいろ味わってみてくださいね!