こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
英語を生かして海外で働きたい場合、そのアプローチ方法はいくつかあります。
そのひとつが日本とワーキングホリデーの協定を結ぶ国へ渡航して、現地で最長1年間ステイするという方法(【海外で働きたい人へ】ワーキングホリデーで生きた英語を学ぼう!)。
いわゆるワーホリ。
ただこのワーキングホリデーのビザでは、目的が「休暇」なので、仕事に関しては、原則「滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める」とされています(外務省HP https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/working_h.html)より。
だから、本来、雇用期限なしの正社員を目指す「就職」活動はしない前提。
筆者の場合の海外就職のきっかけは、もともとは、ワーキングホリデーからスタートしています。ワーキングホリデーの査証の有効期間中に見習いとして働き、その結果、会社から正式なジョブ・オファーが出て、就労ビザ(労働許可証=work permit)を申請・取得してもらったのです。
今回は、現地採用のスタッフとして、どのように労働許可証を申請し、取得したのかのお話です。
目次
現地採用で実績を積み、企業にスポンサーになってもらう
無事に就職先が見つかったとして、長く働きたい場合、やはり普通の労働許可証の申請が必要になります。
これは、その時々の滞在国の社会経済状態にもよるのですが、企業派遣以外で就労ビザを取るのは、一般的に簡単ではないことが多いとおもいます。
労働許可証の申請には、その人材が企業にとって必要不可欠であり、なおかつ、市民権を持つ他の人材では代わりになれないということを証明する必要があるんです。
日系企業の場合だと、日本の本社や取引先と、その国(例えばカナダ)のスタッフや顧客との間に立って仕事を進めていく人材が必要というのは明白です。
ですので、両方の言語・文化に精通していて、かつ企業活動に必要なスキルを有する人材であれば、労働許可証がおりる可能性が高い。しかも、それだけ揃った人材を、いきなりその国の国民から探し出すというのは、結構、至難の技なんですね。
だから「この人じゃなくちゃ、うちの会社やってけないんです!」と強力にバックアップしてくれる企業に就職して、社内で認めてもらうことができれば、労働許可証の取得は決して夢ではなくなります。
実録! ワーキングホリデービザから短期労働許可証へ
会社からの正規雇用オファー
輸入業務など全く未経験でどうなることかと思いましたが、必死で日々の業務に食らいつくうち、なんとか仕事も覚え、同僚とも顧客企業の担当者たちとも親しくなりました。
みなさん、仕事は初心者、英語もまだまだの筆者にとても親切にしてくれたのを覚えています。
小さなオフィスだったので、人事部も法務部もなく、すべてが社長決済。
気難しい社長だったので、居つく人がいなかったのか、「ぜったいここに居座るぞ」と固い決意で頑張ったら、見習い期間がクリアできました。
その後、半年ほどワーキングホリデーのビザで働き、期限の切れる4ヶ月前に、会社から正式に「正規雇用としてこのまま残ってもらいたい」との申し出があったのです。
偏屈社長直々に、「自分で申請方法を調べて、書類を作って。できたら、ハンコ(労働許可証のスポンサー企業になるという意味)はすぐに押してやる」とのこと。
人事部も法務部もないので、自分でやるしかない。。。
最初のアプローチは撃沈
とはいえ、どこからどうアプローチしたらいいのか皆目見当がつかない状態でした。
今のようにインターネットでじゃんじゃん情報が入手出来る時代じゃなかったんですね。すべて、アナログ。情報は足で稼ぐ時代。
ワーキングホリデーのビザで入国していたので、そこから就労ビザ(労働許可証)に書き換えるのはとても困難でした。
まず、最寄りの政府機関に労働許可証の申請方法を聞きに出かけました。
窓口で状況を説明始めた途端、「無理です。カナダは絶対あなたに労働許可証をおろしません」と、まるで野良猫を追い払うが如し対応。
あまりの失礼な言い草に、怒るよりもびっくりしてしまいました。
人の話を聞く姿勢がまったくない態度でした。
プロの力が必要な時もある
途方に暮れていたときに、百戦錬磨の移民一世の同僚がアドバイスをくれました。
「料金はかかるけれど、移民局に強い弁護士がいるらしい」
さっそく連絡を取り、面談に出かけました。
なるほど、お高い。しかも、現状「1年更新の短期労働許可証でないと許可はまずおりない」とのこと。
でも移民局に通じている人物で、「絶対とります」と自信満々。
どうしても海外で就職したいと願っていたので、正規雇用のオファーをくれる企業が見つかった以上、なんとしても労働許可証が欲しいと思いました。
ワーキングホリデーの他の日本人の間でも正規雇用のオファーをもらった話は聞かないので、情報がありませんでした。みんな1年で帰国していくんです。
ときどき、もう1年ワーキングホリデービザを更新したというツワモノもいましたが。。。
お金が多少かかっても、これは夢を叶える最大のチャンス!と思い、会社とかけあいました。
弁護料全額は無理だけれど、折半ということで了解をもらい、その上で筆者負担分は、会社が一旦払い、毎月の給与から天引きという形にしてもらうことに。。。
ただ、ほぼ天引き分を給与アップしてくれたので、実質は会社がほとんど負担してくれたんですね。もともとが本当に安月給で毎月カツカツだったので、このサポートはとても助かりました。
とてもお高い敏腕弁護士さん、ものすごいスピードで労働許可証を取得してくれました。請求書の発行もものすごいスピードで、支払の催促もすごかったです(笑)。
ワーキングホリデーからの労働許可証はけっこう大変。
ワーキングホリデーのビザ自体が「正規の長期雇用はなし」という前提なので、移民局に正面から向かっていってもなかなか難しいと思います。
また、ワーキングホリデーのビザで雇用してくれる職種や企業は、限定されることが多いという現実もあります。
飲食店や美容関係、ホテルや観光産業などがやはり多いようです。
企業側でも1年単位で次々にやってくるワーキングホリデーの若者たちを、「短期雇い」前提で雇用するので、なかなか労働許可証を申請してまで正社員雇用してくれるところは少ないかもしれません。
これは、筆者のワーキングホリデー時代なのでかなり昔ですが、ワーキングホリデーでやってくる若者たちの多くは、仕事で使えるほどの英語力はないままに渡航してきていました。
渡航後しばらくは語学学校に通い、カタコトがなんとかしゃべれるようになってから、日本語OKの職場(レストランや観光業)でアルバイト、というパターン。
そのためか、ワーキングホリデーから労働許可証へという話はあまり聞かなかったものです。
以上、筆者のワーキングホリデー経由、労働許可証取得までの実体験でした。