
フランスに住んでいる友達が、「フランス人って時間にルーズだよ〜」と言っていた。
そんなにのんびりしているの?
遅刻もOKってこと?
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
フランスに移住したばかりの頃、日本人のお宅にお呼ばれしたとき、
「フランス時間でね!」
と言われ、なんのことだろうと不思議に思ったことがありました。それは、指定の時間より遅めにきて欲しいという意味。
なんてフランス的なんだろう…
と思いました。
そして、それまで疑問に思うことが多かった夫や、周囲のフランス人の時間へのルーズさがなんとなく納得できたような気がしたのを覚えています。
独特な時間の感覚。フランスを理解する上で、意外と重要な要素の一つなのです。
この記事では、
フランスに住むと日本人が驚く時間に関すること
フランス人の時間感覚の「あるある」
について書いていきます。
フランスの日常で日本人が「?」と戸惑いがちなポイントをご紹介していきますので、フランス人の感覚がよくわからないというかた、ぜひご覧くださいね。
▼ 旅行ではちょっと見えてこないフランスの住み心地について、良いところとそうでないところに分けて在住者の視点でお届けします!
目次
日本人が驚く「フランス人と時間」

フランス人というと、一般にどんなイメージを持たれているのでしょうか。
おしゃれな人?
グルメな人?
革命を起こす熱い人?
実際にフランスで生活を始めてみると、このイメージがずいぶん変わってきます。最初に気づくのは、「時間の感覚が、自分とフランス人は、なんか違うかも?」ということかもしれません。
時間におおらか
フランス人は、特にプライベートライフにおいては、時間におおらか。
5分や10分遅れても、そんなの遅れたうちに入らないし、予定より30分長引いても気にしない。
きちきち時間の枠に押し込もうとしないのです。
フランス国鉄SNCFなど、その最たるもの。出発駅から定刻に発車はしますが、到着駅に定刻に着かなくても誰もビックリしません。遅れるのが常態になっているから…。
待ち人来らず
なんらかの修理や大型商品購入の打ち合わせで、業者に家まで来てもらうことってありますよね。
ここフランスでは、約束した日時に待っていても来ない…ということがたびたびあります。
商品の配送を待っているときにも、待ちくたびれた頃に「今日は行けません。明日になります」と一方的なメッセージが…。
フランスに移住したての数年間で、最もビックリし、最もイライラさせられたのがこれ。
我が家では、家を新築するときに頻繁にこの「待ち人きたらず」に遭遇しました。
家を建てるとき、土地を探して、複数の設計会社や建築業者と会って見積もりをもらって、その中から最終的にお願いする業者を決めて詳細を詰めていきますよね。
業者が家に来るというので待機していても、待ちぼうけ。なんの連絡もなし、ということも多かったです。
長い食事時間
フランス人の食事時間の長さは世界的に有名だそうで…。
朝食や昼食は簡単に済ます人が多いですが、夜は時間をかけて食事をしたいフランス人。特に週末や休暇中の食事時間は、開始時間も遅いし食卓滞留時間も長いのです。
簡単なありあわせ食材をテーブルに乗せるだけ、という食事であっても「なんとなく3コースディナーにしたい」彼ら。
前菜をいただいた後、温かいメインディッシュをテーブルに並べ、おしゃべりしながら食べます。
そして、チーズやデザートで延々とおしゃべりが続くというのがよくあるパターン。
徹夜でパーティー
私たち日本人だって、オールナイトで飲み明かすことはありますよね(社会人になって、家庭も持つようになると、さすがに夜通し飲み歩く人は少なくなるかもしれませんが…)。
フランス人のパーティーは、なんというか「全国区」で「体力勝負」。
都会に住んでいようが田舎に住んでいようが、結婚式や大晦日などのパーティーは、終わりの時間が決まっていないのです。
体力続く限り、おしゃべりし、踊り、飲んで楽しみます。
まあ、若い人中心ですが、中高年だって男女ペアで体を密着させてダンスに熱中しますよ。終わりの時間が設定されていないので、その気になれば朝までオッケーなわけです。
▼ フランスの「普通」って日本とはやっぱり違う?フランスで暮らすと経験する「フランスならでは」のフランスあるあるをご紹介します。
フランス人の時間感覚「あるある」

フランス人ならではの独特な時間の感覚。生活していく間につかんだ(学んだ)、いくつかの「よくある点」をご紹介しましょう。
「公」対「個人」で大きく違う
時間に対しておおらかで、予定通りに物事が進まないことも多いフランス。「じゃあラクでいいね」と思うかもしれませんが、きちんと時間を厳守しなくてはいけない場面もけっこうあるのです。
観察していると、3つの場面があるように思いました。
場面1 時間がきっちり守られるシーン
場面2 時間がアバウトで許されるシーン
場面3 時間より遅れるべきシーン
これまでのフランス生活を振り返ってみて気づくのは、
時間を遵守するかどうかは、相手との「その場の立場での上下関係」で決まる
ということ。
ちょっと詳しく説明しますね。
場面1は、お役所などの「公(おおやけ)」や病院などの「専門家」に対して、「個人」が予約をとって出向く場合です。「個人」の側の人は、時間通りにその場にいなくてはいけません。時間より前に行っている人が多いです。
場面2は、約束の相手が家族や友達、同僚など、その約束においては対等な相手の場合です。これは、時間に多少遅れてもそれほど問題になりません。10分や15分は「当たり前の許容範囲」。
場面3は、個人宅にお呼ばれするとき。時間より早く行っては絶対にNGという暗黙の了解があるのです。
仕事と学校、遅刻もOK?
時間におおらかなフランスでは、仕事や学校の始まりの時間はみんなどうしているのでしょうか。
これは、上でご説明した場面1にあたり、遅刻はNGです。
中学校以上は、先生の点呼が始まる前に教室に入ればセーフ。でも、校門は始業時間には閉まってしまうため、この時間に遅れると管理棟の受付を通り、学生課に行って遅刻の自己申告をしなければいけないようです。
大学でも遅れると教室に入れてもらえないなど、厳しいですよ。
仕事は個人の裁量に任される部分が多いようですが、決められた時間には出社するのが基本。テレワークでも、きっちり9時には始業しています。
医療機関の予約はどうなのか?
これも場面1。
予約した時間より前に到着しているようにします。
医療機関の予約自体が、すぐには取れない場合が多いため、「ようやく診察の日が来た…」という感じ。ヘタに遅刻して診察不可になってしまうと大変なので、みなさん真面目に時間厳守です。
▼ フランスで生活する上で知っておきたいことの一つ、医療と健康。医療アクセスが日本とは違うフランスではどうすればいい?
宅配は時間通りにやって来る?
来ません(笑)。
少なくとも、ちょっと前までは「待てど暮らせど全然来ない」ということが頻繁にありました。
コロナ禍以降、宅配業界もインフラが整ってきたように思います。配達予告のメールが事前に届き、配達時間も「12時から15時の間にいきます」というように伝えてくれる業者が出てきました。
でも、よほどの大きなもの(大物家電や住宅設備機材など)以外、事前に配達日指定はできないようです。
突然「明日配達します」とメールが届きます。そして、当日の朝になって「今日の午後行きます」と再度メールが。結局、いきなり1日待機しなくてはいけなくなったりして、かなり不便ですよ。
「待ち人」来ない業者とのアポ
さきに書いたように、個人宅を訪問してサービスを提供する業者とのアポは「当てにならない」というのがフランスでは定説です。
例えば、家の設備工事。
「木曜日の午前中にうかがいます」
と言われて、ずっと待機していても誰も来ない…なんてことが何度もありました。しかもなんの連絡もなしに、です。
後から「別の工事が長引いで行けませんでした」と悪びれずにさらっと言われたりして。
イライラしている自分が、もしかして常識はずれなんだろうか?
なんて思わされることが多いフランスです。
この例で特に多いのが、建築・不動産関係でした。
「住宅フェア」などのイベントに出展している業者と、その場で後日のアポをとるケースがよくあります。「後日、お宅に伺って詳しいお話をさせてください」と言われ、日時を設定して住所や電話番号も伝え…。当日、待てど暮らせど誰も来ない。
ちなみに、我が家の場合、家を建てたときに契約していた造園会社が、途中で来なくなってしまって困ったことがあります。
何度も何度も連絡を続けたのち、最終的に我々がいないバカンス時期を狙ってやって来て、雑な工事をさーっとしていったのが2年後でした。
もちろん、納期と仕上がりには不満足でしたが、何度連絡してもなしのつぶてです。
待ち合わせの日仏比較
在仏日本人の友達と待ち合わせするとき、いつも思うことは、
「日本人ってきっちりしてる〜」
ということ。
フランスに来て10年未満の人は、たいてい時間より前に約束の場所に来ています。
逆にフランス生活が長い人は、だいたい時間通り。
相手がフランス人だと、それぞれバラバラ。
時間にルーズな夫と待ち合わせると、平気で30分くらい遅れてきますが…。
日本では、待ち合わせは「時間より前に着くように早めに行動する」という、社会の行動規範みたいなものがありますよね。
学校でも始業より前に教室に座っているように言われ、会社では遅刻は査定に響きますよと言われ、「時間前行動」が骨の髄まで染み込んでいるように思うのです。
その点、フランスは気楽。
友達や同僚なら時間きっかりじゃなくてOK、という雰囲気があります。
ホームパーティーの暗黙の決まり
ホームパーティーや個人宅へのお呼ばれ。フランスでは、友達や親戚などと会うときには、外で会わずにお互いの家を行き来することが多いのです。
【 ホームパーティーの例 】
● 大晦日
● 新築祝い・引っ越しパーティー
● 子供の誕生祝い
● 大人のお誕生会(50歳、60歳など節目の誕生日)
● 子供の洗礼祝い
● 子供の初聖体拝領祝い
● いとこ会
● 友達同士の飲み会や食事会
これらはほんの一例で、社交好きな人は、なにかにつけて自宅に人を招きディナーをします。
そしてお招きを受けたら、必ず守るべきことは「遅刻していくこと」。
約束の時間通りに到着すると、おもてなしする側の用意ができておらず慌てさせてしまうからです。
日本のように、約束の時間より前に…というのは逆に失礼にあたりますから要注意!
だいたいパーティーの席では、集まってすぐに食事を始めることはありません。軽いおつまみや食前酒で1時間くらいはおしゃべりをするのが普通。
そのため、参加者がそれぞれバラバラな時間に到着しても誰も困らないのです。
フランス人の時間の伝えかた

ここからはちょっとフランス的な時間の伝え方、言い方をご紹介したいと思います。
「ちょっと待って、すぐだから!」を伝えたいとき
「すぐだから」と言いたいときにフランス人がよく使う表現に、
Deux seconds (2秒)
Deux minutes (2分)
Cinq minutes (5分)
などの数字があります。
「ほんとうにすぐだから」と言いたいときには Attends, juste deux seconds!(まって、ほんと2秒だから)などと言いますが、2秒で済むことはもちろんありません(笑)。
「じゃあ、5分後に出かけよう」と言いながら、5分後に「ちょっとトイレに行っておくから」とさらに10分待たされたりして(我が家だけかも?)。
いずれにしても、誰かを待たせる時の時間はけっこうアバウト。それでいて、誰も責めないところがフランスのおおらかさかもしれません。
予約は24時間時計で
医療機関をはじめ、フランスでも何かとランデブー(予約)を取るシーンがあります。
この予約、ほぼ必ず24時間時計で表現します。聞き間違いを避けるためと思われますが、そもそもドクターの予約で10時30分と言ったら、まあ常識的には午前ですよね。
個人的には、「午後4時」というふうに12時間時計で指定されたほうがわかりやすいです。
24時間時計だと、
午後2時(deux heures d’après midi)が14時(quatorze heures :キャトルザー)
となります。
4時が(quatre heures:キャトラー)なので、少し音が似ていて、聞き違えたこともあるので苦手ですね。
【 時間の聞き違え体験談 】

フランスに移住して半年くらいの頃です(フランス語は超初心者!)。
電話で歯科医の予約をしました。
「キャトルザーに来てください」と言われ、指定の時間に歯科医院へ。
受付の人が「?」という顔をし、先生も奥から顔を覗かせて「?」。
「予約はキャトルザー(午後2時)でしたよ。今、キャトラー(午後4時)!」と。
ようやく間違いに気づき、3人で大笑い。
後日の新しい予約を取り直し、今度は紙に書いてもらいました。
電話越しだとより一層わかりにくく、今に至っても苦手です。
フランス人にとっての午後とは
フランスでは、お昼というと12時から14時。この時間、お昼休憩で店を閉めてしまう個人商店も多くあります。
幼稚園や小学校は、11時30分から13時30分までお昼休みで、自宅に戻って昼食を取る子も少なくありません。
会社で働く人も、2時間の昼休みをとって外食したり、街で買い物を済ませたり…という姿をよく見かけます。
フランス人にとっての「午後」は、お昼のあと14時から18時(人によっては17時)。
じゃあ、夕方は何時くらいで、夜は何時くらいからなんだろう?と思ったので、日本との対比を表にしてみました。
日本の「時間」は、主に気象庁のHPを参考にしましたが、フランスについてはいろいろなサイトを見て、実際に頻繁に使われる言葉を当てはめてみました。
| 日本 | フランス | ||
| 朝 | 午前6時から9時くらい | matin(朝) | 日の出から正午 |
| 午前 | 日の出から正午 | matinée(午前) | 午前中 |
| お昼 | 正午12時 | midi(お昼) | 正午12時から14時 |
| 午後 | 正午12時から24時まで | après-midi(午後) | 14時から17時もしくは18時まで |
| 夕方 | 15時頃から18時頃まで | fin d’après-midi(午後の終わりごろ) | 16時半くらいから19時くらいまで |
| 夜 | 18時頃から翌日の午前6時頃まで | soir(夜) | 18時から24時まで |
| 夜遅く | 21時頃から24時頃まで | nocturne(夜) | 19時くらいから22時くらい |
| 夜中 | 23時頃から午前2時くらい | ||
| 深夜 | 24時から午前2時くらい | nuit(夜) | 22時から夜明けまで |
| 未明 | 午前2時から午前4時くらい | ||
(参照:気象庁HP 「時に関する用語」)
日本のほうが細かいですよね。国民性というか…。フランスの場合は、人によって定義がいろいろなようです。
自分の経験からですが、いつも「fin d’après-midi(午後の終わりの時間帯)」が不明確。
日本人の自分にとっては「午後の終わりの時間、つまり夕方、つまり16時〜17時だな」と理解します。でも、フランス側の家族にとっては18時くらいのつもりでいて、行き違いがおきがち。
また、日本はおやつといえば午前は10時で午後は3時。フランスは、おやつといえば「キャトラー(午後4時)」です。おやつのこともキャトラーというくらい、誰もが認める公認おやつ時間。
お休みの日など、結構しっかりおやつ(というか軽食)を食べてしまって、夕食は20時以降になることもあります。
まとめ
最初は多くの日本人が「びっくり」し、ときに「ガッカリ」するフランス人の時間感覚。
慣れてしまうと、どこをきっちり守るか、どこはゆるくていいのかコツがわかってきます。そうすると、ラクだなあと感じる部分も多いのです。
全体的にゆる〜いフランス人の時間の捉え方は、人生を自由に楽しみたい彼らの生きる姿勢そのものでもあるのではないでしょうか。













