
夫の仕事でフランスに住むことになりました。
でもパリじゃなくて地方都市…
情報少なくて不安。海外生活に慣れていない普通の日本人が暮らしていけるのかな?
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
フランスの情報というと、その多くがパリ。いざ地方のことを知りたいと思っても、情報がかなり限定的。
日本人の在仏人口の大部分がパリとその近郊に住んでいることから、これは仕方がないことです。
日本からの駐在家族がフランスに複数赴任している企業だと、帯同家族どうしの情報シェアが盛んなようです。でも、国際結婚でフランス移住など、そうでない場合はどうしたらいいのか戸惑いますよね。
この記事では、「これからフランスの地方に住む」というかたに向けて、
フランス地方都市の暮らしの様子
フランス地方生活のメリット
フランス地方生活で困ることと対処法
をご紹介します。
フランス地方都市への移住が不安

情報少なくイメージわかない海外地方生活
駐在の帯同であっても、学生としてでも、筆者のようにフランス人の配偶者としてでも、海外の地方都市への移住は不安がつきもの。
情報が少ないと、現地での様子もわかりませんよね。
移住予定地に住む人の発信するSNSのポストをみたり、ピンポイントで現地情報を書いているブログをチェックしたり、手を尽くしていることと思います。
でも、ニュースで届くフランスの情報といえば、あまり治安のよくない様子を伝えるものが多いのも事実。
本当のところはどうなのでしょうか。フランスの地方都市って暮らしやすいのでしょうか。
結論:大丈夫、けっこう快適です!
結論からいうと、
フランス地方都市は日本人にとっても暮らしやすい
と思います。
大丈夫です😀。
もちろん、フランスといっても、地方ごとに文化的な違いもあるでしょう。そして、一般に「治安があまりよくない」と言われる都市があるのも事実。
また、日本人にとって馴染みのある「英語圏の外国人」とはちょっと違う、フランス人にはクセの強い人も多いので戸惑うこともあるかもしれません。
なにごともラテン的で、個人主義なお国柄なので日本のようには物事がスムーズに進まないこともたくさんあります。
それでも、フランスの地方都市は、いったん慣れてしまうと快適だと思います。
フランス地方生活はだいたいこんな感じ

筆者はフランス中部の中規模都市に住んでいます。そして、フランス国内での休暇を過ごすのは、主にアルプス地方。
全フランスを語れるわけではありませんが、夫の実家はパリ、親戚もパリやリヨンに集中していて、フランスの都市生活もそれなりに見ています。
地方によって食生活もカルチャーも違いはもちろんあります。特に食文化は、違いが明確に出るポイント。さすが食通の国ですよね。
我が家が暮らす街は、「日本で言ったら利便性や文化面で茨城・群馬・栃木県」的な位置付けかなと思っているのですが、それもちょっと頭の片隅に置いていただいてご覧ください。
フランス地方生活の住環境は?
首都圏から駐在でいらっしゃる方だと、フランス地方都市の住居のほうが広めかもしれません。
期間限定の駐在の場合、日本人家庭は市街地のアパート(日本でいうマンション)を住居に選択することが多いよう。一方、アメリカ人家庭には郊外の一軒家が人気。
一戸建てだと庭にプールがあるというお宅も、それほどめずらしくありません。屋内ガレージや、倉庫や食品庫、バスルームも2ヶ所以上の物件も多いです。
筆者から見て、日本の住居とフランスの住居の大きな違いの一つは、断熱性。
一概には言えないのですが、石造りの建物が多いフランスの住居は壁が分厚いので、外気温から受ける影響が日本の一軒家ほど大きくないのです。
セントラルヒーティングが一般的なので、冬は家全体が暖かく過ごしやすいですよ。
そして、夏は早朝に涼しい外気を取り込んだあと、窓やシャッターを閉め切ることで室温が高くなりすぎるのを防ぐことができます。
ただ、ここ数年はフランスでも猛暑日が続くことが多く、田舎でもエアコン(だいたい日本製!)を取り付ける家が増えてきました。
ついでに、ネガティブ部分をいくつか。
駐在でフランスにいらしたかたが、「フランスの住居の不満」としてあげるのは、圧倒的に次の2点!
ひとつめは、「トイレの便座が冷たい、洗浄機付きトイレが欲しい!」ということ。
そしてふたつめは、「湯船に浸かりたい、シャワーしかない!」ということ。
最近の賃貸アパートの浴室は、バスタブなしのシャワーのみというところが多いようです。もともとバスタブがあった浴室を、広いシャワーブースに変えるのがトレンドらしいですよ。
ふだんの買い物事情は?
食料品や日用品はどうやって買う?
ふだんの買い物といえば、まずは食料品や日用品。
どこにいっても、スーパーマーケットがあるのは日本もフランスも同じ。
フランスの場合は、「ご当地スーパーチェーン」というのはあまりなくて、全国展開のスーパーマーケットチェーンがほとんど。
出店する場所によって、食品から日用品や衣類まで扱う超大型店「イペルマルシェ(ハイパーマーケット)」、食品と日用品を扱う「シュペルマルシェ(スーパーマーケット)」、街中のコンビニタイプといったグレードがあります。
食料品や日用品の買い物に関しては、地方都市もかなり便利。大型スーパーやショッピングセンターには広い駐車場もあるので、1週間分をまとめ買いする人が多いです。
郊外の大型スーパーでは、ネットで事前に注文して受け取りに行く「ドライブ」という買い物方式を利用する人が増えました。市街地では、中型店の「買ったものを後で配達してくれる」方式を利用する高齢者も多いようです。
衣料品その他の買い物は?
郊外のショッピングセンターには、日本の郊外大型店と同じように、バラエティ豊かなショップが出店。衣料品、化粧品、宝飾品、眼鏡店、スポーツ用品店など暮らしのあらゆるニーズに対応する小売店が入っています。
近年、フランスでもネット通販の利用が盛ん。コロナ禍以降、個人商店だけでなくチェーンの衣料品店の閉業が相次いでいるため、欲しいものを購入する手段として、(地方在住者にとっては特に!)ますますネット通販が使われるようになりました。
子育て環境は?
フランスに住んで思うのは、「子供が暮らしやすい国」だなということ。
女性の働き方から見るフランスの子育て環境
共稼ぎ家庭が圧倒的に多いフランスですが、親の働き方の緩急がつけやすい労働環境だと思うのです。
「女性もキャリアを持つのが普通」という考えが浸透しているため、乳幼児を預ける保育園や託児所が充実しているだけでなく、複数の幼児を預かるヌヌー(保育ママ)たちによるバックアップ体制が整っています。
地方であれば、通勤もパリに比べると時間の負担が少なくなり、朝、子供を送って出社し、夕方5時には退勤して子供を迎えに行くという無理のない1日を過ごすことが可能です。
我が家の子が通う学校は、朝7時半から始業の8時半までと、放課後16時半から18時まで校内での学童保育をお願いできます。もちろんこの間の監督は、教師ではなく保育補助スタッフたち。
また、幼稚園と小学校は、水曜日が休みであったり半日だけであったりします。子供に合わせて「水曜日は休み」という母親も多く、それが「子育て中は当たり前の選択」だというのがフランスです。
さらに言えば、コロナ禍以前から在宅勤務も「事情によってOK」という企業も多かったフランス。子供の急な病気のときは、「今日は子供が熱を出したので在宅勤務します」というオプションが取れます(もちろん、職場によりますが)。
とにかく子供が暮らしやすい
フランス人のバカンス好きは有名ですが、大人のバカンスよりも子供たちの学校休暇の多さには驚かされます。
よりわかりやすくするために表にしますね。
| フランスの学校休暇 | |
| 10月下旬〜11月上旬 2週間 | トゥーサン(諸聖人の日)休暇 |
| 12月下旬〜1月上旬 2週間 | クリスマス休暇 |
| 2月中旬〜地域ごとスライド式で2週間 | 冬季休暇(スキー休暇とも呼ぶ) |
| 4月中旬〜地域ごとスライド式で2週間 | 春季休暇(イースター休暇とも呼ぶ) |
| 7月・8月 約8週間+α | 夏休み(グランバカンスとも呼ぶ) |
すごいでしょう、大まかに見積もって16週間の休みがあるのです。
「は〜、やっと休みが終わって学校に行ってくれた…」と思っていると、あっという間に次の休みになってしまうという感じですね。
もちろん、「バカンス」なので通常、宿題は出ません。学校のクラブ活動もなし。登校日もありません。それだけではなく、習い事のスクールもバカンス期間中はお休みです。
ただし、親も同じだけ休暇を取れるわけではないので、各家庭いろいろ方策を考えて対処しています。おじいちゃん・おばあちゃんにお世話になったり、リクリエーションクラブに通ったり、父母が交互に休みをとったり。
次から次へとやって来る学校休暇、親にとってはちょっと負担。
▼ フランス人はなぜ長期で休めるのか?休暇のための費用はどうしているのか?気になる方はこちらもどうぞ!
そして、子供の暮らしやすさポイントとして、もうひとつ。
10歳未満の子を一人で外出(登下校も含む)させないフランスですが、子供が遊ぶ環境は整っています。
街中にある大小いろいろな公園や広場には、子供が伸び伸び遊べる「遊具エリア」が。屋内遊技場(有料)も数多く、「子育て家族に優しい」国ならでは、です。
最後に、地方に住むことは「職住接近」が可能だということです。
また、フランスのカルチャーとして、「家族優先、勤務時間に日本ほど細かくない」という点も子供には大きなメリット。
早朝から夜まで「保育園や学童に行ったきり」にならずに済むので、子供もリラックスして生活しやすいと言えます。
仕事は見つかるの?
これは、地方都市の難点のひとつです。
一般会社員として働きたい場合は、日系企業か、日本に支社がある、もしくは日本と取引がある現地企業が、まずは求職のターゲットになるかと思います。
まったくの現地企業で、という希望もありますよね。ただ、フランスで大学院やグランゼコールを卒業していないと、いきなり他のフランス人候補者を押し除けて就職するのは至難の業。
フランス人でもなかなか仕事が見つからないという中で、外国人が就職するのはそれでなくても難しいのです。
特にフランス語が流暢でない場合は、けっこう限定されてしまいます。
周囲の日本人の人たちがどんな仕事をしているかというと、一般事務系会社員以外ですと、飲食関係や芸術関係、教育関係などでしょうか。
翻訳やウェブデザイナーなどの在宅ワークの人もいます。
フランス地方生活のメリット

ここから、フランス地方生活の良い点についてお伝えしていきますね。
ざっと考えたら10のメリットが浮かんだので、現地生活者としてありのままをご紹介します。
- ワークライフバランスが取れた生活ができる
- 生活環境にゆとりがある
- 地方でも買い物に困ることはあまりない
- 自然災害が少ない
- 歴史遺産と芸術に身近にふれられる
- 人々がおおらか
- 自分らしく生きてOK
- 陸続きで外国に気軽に行ける
- 素晴らしい自然景観とレジャーが身近
- グルメな国なので食事がおいしい
ワークライフバランスが取れた生活ができる
パリは東京と同じように、労働人口も多いし、通勤・通学する人の数も多く、朝夕の公共交通機関は混んでいますし、道路も「基本いつも渋滞」しています。
でも、地方に行くと、市街地はそれなりに混みますが、「職場まで車で30分」「職場までバスで20分」「徒歩か自転車でOK」といった感じ。
職住接近(まあまあ接近)で、子供の送り迎えを加味しても、ワークライフバランスの取れた生活ができるでしょう。
生活環境にゆとりがある
まず住居ですが…。
市街地のアパートやタウンハウスの場合、パリのそれと比較するとスペースにゆとりがあります。東京との違いは推して知るべし。
街中に住む利点の一つは、ふだんの生活で必ずしも自動車が必要ではないことです。日常生活に必要なたいていの場所には徒歩や公共交通機関で行けるので。
郊外に住居を持つ場合、さらにスペース的なゆとりが持てるでしょう。
庭にプールやジャグジーがあったり、大きなトランポリンや遊具を置いていたりする家も少なくありません。
極端な例ですが、屋内プールがあるという家や、コの字型に建てた家の中庭に温水プール付き、という家にお邪魔したことも…。決して大富豪の家ではなく、普通のサラリーマン家庭です。
地方でも買い物に困ることはあまりない
地方に住んだら、普段の買い物に困らないのか心配なかた。生活に必要なものは、地方でもほとんど揃いますよ。
たとえば衣料品。
多くの衣料品店は全国展開のチェーン。大都市に行かなくても、地方でもメジャーなショップはだいたい出店しています。
フランスの百貨店といえば、パリのギャルリーラファイエットが有名ですが、フランス国内には支店がなんと59店舗(オフィシャルサイトより)。かなり網羅されていると言えますよね。
さらにオンラインで買い物をする人が増えているため、生活に必要なほとんど物をネット経由で購入することができます。もちろん、日本の食材もネットで注文することが可能です。
自然災害が少ない
フランス全土に言えることですが、自然災害が少ないと思います。
大雨や洪水の被害が報道されることはたびたびありますが、地震や火山の噴火、津波や大型台風が頻繁に襲って来る日本とは違います。
一時帰国で真夏の日本に滞在すると、連日のようにゲリラ豪雨や線状降水帯の注意報を耳にします。そして、地震も頻繁。
それに比べると、フランスは平穏だなと思います。
歴史遺産と芸術に身近にふれられる
ユネスコ世界遺産登録数が世界第3位のフランス。
宗教建築をはじめ、中世の街並みが今もなお現役で残っている街や村も多く存在します。
ふらっと街歩きをしていて立ち寄ったカフェが歴史的建造物、なんてことも。
また、芸術の国でもあるフランスでは、優れた美術品を間近で見られる機会も多いですが、音楽やバレエなども「ごく普通の生活のとなり」にある近さです。
人々がおおらか
世界中どこでも同じかもしれませんが、田舎のほうが人々がおおらかに暮らしていますよね。
時間的にもスペース的にも余裕がある暮らしのためか、キリキリしていないという感じ。
街ですれ違う未知の人に「ボンジュール(こんにちは)」と声をかけあったり、道をゆずりあったり、ちょっとしたスモールトークを交わしたり…。トゲトゲしている人が圧倒的に少ないです。
自分らしく生きてOK
自由を愛する「自分最優先の国」フランスですから!
人の目を気にしたりせず、自分らしく生きてOKな雰囲気は素敵だと思います。
真冬にショートパンツを履こうが、真夏に「え?下着だけ?」みたいな高露出度の服装で出歩こうが、全然気にしない人々。
モードの流行はもちろんあるけれど、自分の好きな服、自分の好きな色、それでOKなのです。
陸続きで外国に気軽に行ける
フランスは北にベルギー、ルクセンブルク、ドイツ。東にスイス、南にイタリア、スペインと国境を接しています。
ですので、隣の家の敷地が「外国」ということも。
陸路で国境を通る場合、一応「国境」では警察官が常駐していたり、税関があったりしますが、たいていは止められることもなくスルーで行き来できます。
「週末、ちょっとスイスに行って来るわ」
「明日はベルギーに日帰り出張」
という感じです。
我が家もベルギーやイギリス、スイスやオーストリアは車で旅行する範囲になっています(イギリスの場合は途中、フェリーに乗りますが)。
素晴らしい自然景観とレジャーが身近
フランスの優れた観光名所は、パリとモン・サン・ミシェルだけではありません。
スイス・イタリア国境にアルプス山脈、スペイン国境にピレネー山脈、そして中央部にその名も中央山塊を抱えるフランスは、実はとても起伏に富んだ土地でもあります。
圧巻の渓谷美も、切り立つ岩の針峰群も氷河も、入り組んだ海岸線と煌めく地中海が美しいコートダジュールも、みんなフランス。
そして「人生の楽しみはバカンス」と考える人々のバカンス欲をかきたてる、山・海・湖・川などの自然を満喫できる数々のレジャーも、とても身近なのです。
グルメな国なので食事がおいしい
フランスといえば食通の国でもあります。
それは決してイメージ先行の「食通」ではなく、本当に品質の良い食材に恵まれているのです。
農業国フランスでは、肥沃な大地で作られる農作物や酪農製品が豊富。
例えば、ブレスの鶏、ペリゴールのフォアグラ、ノルマンディーの乳製品、などと地域によって世界的に有名な食材を産出しています。
ワインに関しては、もうすでにあまりにも有名なのであえてご紹介する必要もないくらいでしょう。
▼ 日本人にとって、フランスで暮らすメリットとは?ライフスタイルから食生活、旅行などいろいろな角度から「フランス生活のメリット」を考えてみました。
フランス地方生活で困ること&対処法

メリットの多いフランスの地方生活ですが、「困ってしまうこと」もそれなりにあります。
日本人が困りがちなことをあらかじめ知っておくと、対処もしやすいし、トラブルを事前に防げることもあるでしょう。
生活者として、「うーん、ここは困るなあ」という代表的なものをいくつかピックアップしました。
● フランス語の習得が難しい
● お店などで雑な対応をされる
● 何かと予定通りに進まない
● 日本食材がなかなか買えない
● 日本が遠い
● 医療アクセスが良くない
順にご説明して、対処のヒントもご紹介しますね。
▼ フランスというとモードとグルメの国、おしゃれなパリの街並みを想像する人も多いでしょう。実際のフランス生活は「それほどキラキラしていない」。フランスで暮らす日本人が抱えがちな悩みとは?
フランス語の習得が難しい
もともとフランス語を学んでいたとか、フランス留学経験があるなど、若い時からフランス語に慣れていた人は大丈夫です。
問題は、大人になってからフランス語ゼロの状態で移住する場合(要するに筆者のことです)。けっこう言葉の壁は厚いなと感じます。
語学学校や自宅学習を続けても、「フランス語を話す瞬発力」がなかなか身につきません。
「英語はOK、でもフランス語が…」という人はわりといます。
【 フランス語の壁、どうする? 】
正直、今もずっと壁に悩みながら生活しています。もがき続けてきた人間から何かをアドバイスするとしたら、「鉄は熱いうちに打て」ですね。
移住したら、すぐにできるだけの時間を「フランス語学習」に集中させることをおすすめします。
大学のFLE(外国人向けフランス語クラス)や、語学学校に通いつつ、ネイティブのフランス人と交わり話す機会をたくさん作ることが大切でしょう。インプットとアウトプット、両方を山のように繰り返すことが成功の秘訣。
ネット上にも優れた学習サイトがあるので、いろいろ試してみるといいかと思います。
筆者のように、フランス人夫と暮らしていても、自然にフランス語が習得できるわけではありません。けっこうフランス語学習に時間を費やしていても「まあ、なんとかサバイブできる」程度です(我が家は英語・日本語・フランス語の3言語家庭なので…)。
お店などで雑な応対をされる
「フランスに旅行に行ったら店員の態度が意地悪だった。人種差別だ!」というコメントはよく聞く話。
現実に、自分たちと見た目が違う人々に対して雑に扱う人たちも存在します。でも、大多数はそうではありません。安心してください。
もし、雑な応対をされたと思ったら、まず「自分のお客としての態度は、フランスのマナーを守っていたかな?」と振り返ってみるといいかもしれません。
商店やカフェ、レストランに入ったら、まずはお店の人に「ボンジュール(こんにちは)」と挨拶するのがフランスのマナーです。
できたら、女性に対しては「ボンジュール、マダム」、男性に対しては「ボンジュール、ムッシュ」というとさらにスマート。
この最初の一言なしに、いきなり注文したり、店の中を見て回ったりすると、「失礼な客だな」という印象を与えてしまいますのでご注意を。
なにかしてもらったら、「メルシー(ありがとう)」、去り際には「オールヴォアール(さようなら)」を忘れずに。
挨拶をすることで、相手へのリスペクトが表明され、相手からも「お客様」としてのリスペクトを得ることができるはずです。
ちなみに、挨拶やスマイルを心がけるだけで「感じの悪い応対」に遭遇する確率は劇的に減りますよ!
▼ フランスの店員さんの対応がイマイチだった、という体験を聞いたことはありませんか?フランスのお店で、心地よく買い物のためのコツをご紹介します!
何かと予定通りに進まない
修理、デリバリー、お客様対応…。何かと予定通りには進んでくれないのがフランスのサービス。
鉄道だって「遅れても誰もビックリしない」程度には頻繁に遅延が発生します。
そして、法改正やインフレなど「庶民の暮らしが思い通りの方向にいかない」時にはデモやストが頻発。ひどいときには1週間市内交通がストップしたこともありました。
来ると言った修理の人が、待てど暮らせど来ない。やっと連絡がついたら「今日は遅くなったから、また後日」なんていうことも。
医療機関の予約と学校の始業時間くらいですかね、時間通りなのは。
これはパリでも田舎でも同じでしょう。
【 何かと予定通りに進まないイライラには? 】
修理や配送に関しては、「遅れること」を見込んでおくことしかできないかもしれません。「ちゃんと予定通りだったらラッキー」なのです。
オンラインショッピングの配送は、ピンポイントで必ず配送してくれる日本の宅配便のようなサービスがないので「時間に余裕を持って注文する」ことですね。
特に、クリスマス時期は配送が混み合うため、要注意です。
地方から日本に向けて出発する時、鉄道で空港まで向かうという人も多いと思います。これはけっこうリスクが高いので、できれば前日に空港まで移動しておくことがベスト。
現実に、当日鉄道ストや事故で大幅に遅れが出たため、日本行きの飛行機に乗れなかった…という話がありますので怖いですよね。
日本食材がなかなか買えない
海外生活で、ほとんどの日本人が「絶対必要!」というのが日本食。
若い時はチーズやワイン、赤身のお肉大好きだった人でも、年齢を重ねるとみなさん「やっぱりあっさりと和食が一番」になるんですよね。
かなりの頻度で和食が食卓にのぼるというご家庭も多いです。
で、気になるのは、日本食を作るための食材。
和食に合う野菜は、地方に住んでいても大型スーパーや生鮮食品スーパーにいけば、何かと手に入ります。
大根、ほうれん草、きゅうり、白菜、キャベツなどはわりと入手しやすいものです。そのほか、生鮮食品専門のスーパーでは、もやし、春菊、しいたけ、えのき、しめじ、オクラなども売られています。
あとは、調味料やお米、うどんやそば、こんにゃくや練り製品などがあれば、かなり日本の食生活に近いものを作ることができますよね。これらは、パリやリヨンなどの大都市の日本食料品店で売られています(もちろん輸入品価格で)。
でも地方だからといってあきらめることはありません。冷蔵品・冷凍品以外は、日本食料品店のオンラインショップで買うことができるので大丈夫です!
また、多くの在仏日本人たちは日本への一時帰国の時に大量の和食材を運んできています。我が家の、日本出国時の食品荷物もかなりの量。顆粒だしや海苔、だし昆布、かつおぶし、緑茶をはじめ、最低25キロ分くらいは食品が占める感じですね。
日本が遠い
地方在住の最大の難点かも、と思うくらい日本が遠いです。
フランスも各地に空港がありますが、日本への直行便が出ているのはパリのシャルル・ド・ゴール空港のみ。
地方空港からパリに飛び、そこから日本への便に乗り継ぐというのが一般的です。ただ、これが割高だったり、乗り継ぎ時間が長かったりと何かと不便。
フランス中部であれば、リヨンの空港からドイツやオーストリア、イギリスへ飛び、そこから日本への便に乗り継ぐという方法もあります。
いずれにしてもドアツードアで20時間から30時間なので、本当に日本は遠い彼方なのです。
これに関しては、対処法は残念ながらありません。ごめんなさい。
医療アクセスが良くない
医療機関にかかるまでに、かなり時間がかかるフランス。
「かかりつけ医」として登録している総合診療医でも、当日に診てもらえることはめったにありません。
風邪の症状がひどくて、医師の診察を…と思っても、予約が取れるのが数日後。やっと来た予約の日には「昨日まで寝込んでいたんですが、今日はほぼ問題ないです」状態になることも…。
予約が取れないのが、眼科・皮膚科・アレルギー科・耳鼻科など。半年以上待たされることもザラです。
基本、どの医療機関でも「ウォークイン」制度がなくて、必ず事前に診察予約をとる必要があるのです。
しかも徹底した分業制。例を挙げます。
<1日目> 腰が痛い。尋常じゃない痛みで、「これはマズイ」と思い、かかりつけ医を予約。
<4日目> 3日後、かかりつけ医を訪問し、腰の痛みを訴えました。かかりつけ医は、血液検査の処方箋、レントゲンとエコーの処方箋を出します。
帰って、レントゲンとエコーの予約をとる。取れた予約は1週間後。
<5日目> 翌日、検査センターに行き血液検査。この時点で、レントゲンとエコーの結果が出るであろう日にかかりつけ医の予約を取っておく。
<11日目> レントゲンとエコーを撮りに画像診断医に行く。同日にかかりつけ医に「血液検査」「レントゲンとエコー」の結果を持って診断を仰ぎに行く。結果は「特に異常なし、理学療法士にかかるべし」。
という感じで、最終的に理学療法士の予約をとって、マッサージやリハビリの指導を受けるまでにゆうに2週間がかかるという計算になります。
重大な疾病の時はどうなるんだろうとドキドキしますよね(急ぎの場合は、ちゃんと、かかりつけ医が緊急で大学病院などに送り込んでくれます!)。
【 医療アクセスが良くないフランス、どうすればいい? 】
インフルエンザや胃腸炎など、すぐ診てほしいけど救急受付で長時間待つのはつらすぎるという時は、SOS Médecins。往診専門の医師です。地区ごとに登録しているお医者さんたちがいて、電話すると1時間ほどで自宅に来てくれます。
割高ですが、その場で診察して処方薬の処方箋を出してくれるので心強い存在。
大学病院などには、救急ウォークインもあります。ただ、待ち時間が長いのが辛いところ。
緊急を要さない受診に関しては、自分で計画を立てて予約を忘れないようにしておきます。例えば歯科や眼科なら、1年に1回とか時期を決めて半年前には予約をしておくなど、スケジュール管理が必要ですね。
人間ドックとか、自治体の健康診断などはないフランスなので、かかりつけ医と定期的に話しながら健康管理を自分でしていきます。
▼ フランスで生活する上で知っておきたいことの一つ、医療と健康。医療アクセスが日本とは違うフランスではどうすればいい?
まとめ
長い間の都会生活をあとにして、急にフランスの地方都市に移住した筆者。最初の数年間は、物足りなさも感じ、パリに行っては「気力の充電」をしたものでした。
でも、年月を重ねるに従って「パリではない田舎」を心地よく感じるようになりました。
住めば都、というのは本当です。
これからフランスの地方に移住するなら、ぜひ地方色あふれる田舎を他の人でくださいね!
▼ フランスで暮らすと経験する「フランスならでは」のフランスあるあるをご紹介します。

















