旅行で行ったフランス、とってもきれいだった!
いつか住んでみたいな。
でも、アメリカやイギリスと違って、フランスの暮らしって意外とよく知られていないのよね。
フランスのイメージって、どんな感じでしょう。
有名ブランドや星付きレストラン、歴史的建造物や美術品、おしゃれな人たち。
それとも、デモばっかりやっている面倒臭い人たちの国?
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
ここのところ、フランスに関するポジティブな情報が少なくなっているように思います。
フランス在住の日本人の中にも「フランス生活大変」と感じる人が少なくないのも事実(自分も含めて…)。
でも、住んでみると旅行では見えてこない「良さ」にも気づくようになるんですよね。
この記事では、
フランスで生活して気づく「良いところ」
をたっぷりご案内したいと思います。
目次
フランス生活は楽しい?
フランスで暮らすって「楽しいのか?」と聞かれたら、在住者はなんと答えるんでしょうか。
もしかしたら、多くの人が
「うーん、いいところもあるけど、大変なことも多い」
と答えるかもしれません。
それでも慣れてくると、けっこう楽しいことも多いですよ。
フランスに住む日本人って?
フランス生活と言っても、みんながみんなパリのような大都市に暮らしているわけではありません。
もちろん、日本人を含め外国人が最も多く集まっているのは首都パリ。
その他、マルセイユやリヨンなどの都市圏にも日本の人がたくさん暮らしていると聞きます。
でも、地方都市や、地方の市町村でも、そこに暮らす日本人がけっこういるんですよ。
以前、暮らしたイギリスやカナダといった英語圏では、留学生や駐在員(&駐在員の家族)、移民1世や2世の日本人と多く出会いました。
フランスでは、もちろん留学生も多いですが、語学習得というより専門分野の研究のための留学生に出会うことが多いなと感じます。
また、移民1世や2世と言った方達との出会いは少なく、駐在や国際結婚での移住者の方たちを多く見かけますね。
フランス生活の現実
フランスに暮らしている日本人というと、何となくセレブなイメージを持たれることもあるようです。(普通の庶民な我が家でさえ、親戚からセレブと思われていて困りました)
有名人のフランス生活が雑誌やウェブで取り上げられるからですよね。
もちろんみんながセレブな暮らしをしているわけではありません(笑)。
地味に堅実に生きている日本人がほとんどです。
ただ、みなさん「自分らしい暮らし」というのをしっかり確立している人が多いです。
自家製で和菓子を作ったり、味噌を作ったりと、地に足のついたスローライフを実現している日本人が本当に多いんです。
▼ フランス生活の「現実」については、次の記事でもご案内しています。よろしかったらぜひご覧くださいね!
▼ フランスと日本、実際にどんなところが違うんでしょう。暮らしてみて見えてきた違いについてはこちらから!
フランス生活の良いところ
ここからは、さっそく日本人が感じる「フランス生活の良いところ」をご紹介していきます!
この記事でご案内する「良いところ」は次の12です。
【 フランス生活の良いところ 】
- 人が真面目で親切
- 細かいところにこだわらない
- 家族を大切にする国民性
- 食を大切にする文化
- 家事負担が少ない社会
- 妊娠・出産への負担が少ない
- 子供を大切にする社会
- ワークライフバランスが取れる
- 他人の目を気にする必要がない
- 日本びいきの人が多い
- 自然の景観が素晴らしい
- 他の欧州諸国へのアクセスがいい
ひとつずつ見ていきますね。
人が真面目で親切
フランス人って、ラテン気質で「いいかげん」だなあと感じることもあるんですが、でも全体的に見て真面目で親切な人が多いです。
日本人のように「仕事が全て」「滅私奉公(もう死語かも)」という精神はもちろんなく、プライベートが最優先。
でも、やるべきことは真面目に取り組むようですよ。
そして、意外に親切な人が多いです。
ずーっと昔、学生の頃パリを旅行した時には、「フランス人ってめちゃくちゃ不親切」と思った私。
でも実際に暮らしてみると、けっこうみんな親切。
困った様子の人がいると、誰かが声をかけたりしていますね。
細かいところにこだわらない
これも、「いいかげん」を別の角度からポジティブに見た場合に感じることです。
時間にルーズとか、仕事が荒っぽいとか、接客が不親切とか言われるフランス人。
細かいことにこだわらない人が多い、ということかもしれません。
待っている荷物が届かない時や、修理の人が来ない時はさすがにイライラします。
でも、それは、自分がちょっとくらい遅れても、ちょっとくらい間違ってもオッケーということ。
気がラクですよ。
家族を大切にする国民性
家族や親戚付き合いをとても大切にするフランスの人たち。
親や目上の親戚の人たちに対してものすごく親切。
そして、夫や妻、子供たちといった自分の家族もとても大切にするんですね。
週末の公園やスーパーマーケットでは、子供連れのお父さんたちの姿が目立ちます(奥さんは家で平日の溜まった家事をしている?)。
休暇が多くて、長期でバカンスに出かけることも多いフランス。
子供の頃から家族で旅をしたり遊んだりする機会がふんだんにあるためか、家族単位での結束が固いように感じますね。
食を大切にする文化
フランス人も日本人と同様に、食への意識が高い人が多いです。
美食の国としても知られますが、農業国フランスは、良質な食材に恵まれた国でもあると思います。
世界に名だたる食材の宝庫フランスの、乳製品、ワイン、畜肉製品は特に有名ですよね。
また、フランスの人たちは食事の時間をとても大切にします。
手をかけない簡単な食事であっても、ちゃんとコース仕立てで「食の時間を楽しむ」文化が根付いているんですね。
▼ フランス人の「食」について、生活してみて気づいたことをまとめた記事はこちらからどうぞ!
フランスと日本の食の共通点は、はっきりとした「主食」が存在すること!フランス人とパンについて考察しました。
日本人から見ると「えっ、ウソ!」と言いたくなることもある、ちょっとびっくりするフランス庶民の献立をご紹介します。
フランスにはフランスの、食事ルールがあるんですよね。地域や家庭によっても違いますが、ざっくりと「現地の常識」をご紹介します!
家事負担が少ない社会
フランスから日本に帰省すると、毎回気づくことの一つが「家事負担」。
家の中の細々とした仕事が多いなあと思うんです。
大型の食器洗い乾燥機があるのが一般的なフランスでは、フライパンや鍋などの調理器具も食洗機任せ。
オーブンも大型で、どーんと丸鶏を焼きながら野菜のグラタンも同時進行。
掃除やアイロンがけなどは、毎週決まった曜日に来る家政婦がするというのも一般家庭でもよくある話。
さらに、食材もまとめ買いがしやすいんです。
例えば牛乳。
日本の牛乳は消費期限が短いですよね。
フランスで出回っている牛乳は、常温で数ヶ月保存が可能なもの。
野菜も一つの販売単位が大きいです。
食材の買い出しって、けっこう時間を使うもの。
日本のように数日おきに買い物に行くと、それだけで時間をとられてしまうんですよね。
フランス社会は、「家事にあまり時間をかけずに済む」仕組みになっているなと思います。
妊娠・出産への負担が少ない
日本でもよく知られている通り、フランスの出生率はEU諸国ではトップ。そして、生まれてくる子供のうち、婚外子の割合が約6割と言われています。
少子化に歯止めがかからない日本とは対照的です。
フランスでの妊娠・出産を経験してみて思うのは、「フランスで産んでよかった」ということ。
妊娠が確認されたら社会保険への登録をするのは、日本の市町村への妊娠届と似ていますよね。
でも、日本の友達の妊婦生活やマタニティ雑誌の様子を見ていると、フランスの方が「いい意味で全てにアバウトでラク」だと感じます。
妊婦への配慮も徹底されています。
スーパーなどは、優先レジに案内されますしね。
出生前診断の羊水検査なども、「受けるのが当然」という扱いだったので、どうしようか悩む必要がありません。
無痛分娩が当たり前なので、私の場合は産後の回復もとても早かったです。
病院も設備がよくて、個室でシャワーやトイレが付いていて、付き添いの夫のベッドまで用意してくれました。
ほんのちょっとの追加費用だけで、です。
それから、産後の骨盤底筋ケアは社会保険でカバーしてくれるんですが、産後の病室にもうすでに理学療法士さんが来てくれて退院後のリハビリの打ち合わせがありました。
出産後も女性が快適に過ごせるように、システム化されていて感心しました。
子供を大切にする社会
ごくごく普通に男性も育児休暇を取ります。
うちも、子供が産まれた直後から1ヶ月、夫が育児休暇をとって率先して乳児の世話をしてくれました。
幼稚園・小学校では、水曜日はお昼で学校が終わります。
そのため、水曜日を毎週お休みにしている子育てママ(パパ)が多いです。
週4日勤務が普通にオッケーだったりするところがフランスのすごいところかなと思います。
子供の学校に合わせて、勤務時間を組んだり、子供が病気の時は在宅勤務にしたりとフレキシブルな働き方が可能なんですね。
それに対して、目くじらを立てるようなひとはいないんです。
子供は10歳まで、保護者の(もしくは学校に届出済みの大人)が学校への送迎が義務。
学校の担当者が一人一人お迎えを確認して、校門から子供を出してくれる仕組みになっています。
ワークライフバランスが取れる
フランス人は1年中休暇のことを考えている、といっても過言ではありません。
本当に、休暇の日数カウントはまめにチェックし、次年度の休暇予定などは綿密にプランするんです。
これに関してだけはアバウトじゃないのがおかしいところ。
とはいえ、マネージャークラス以上の管理職の人たちは、めちゃくちゃ働きますよ。
仕事を持ち帰って夜遅くまで作業したり、週末も家で仕事、なんていう人もいます。
ただ、休みは休み。
これは、本当にきちんと休むんです。
夏に3週間から1ヶ月。
クリスマスに1週間から2週間。
そのほか、子供がいる家庭では、学校の休みに合わせて休暇を取る人も多いようです。
(子供たち、秋・冬・春にもそれぞれ2週間ずつ休みがあるので…。)
他人の目を気にする必要がない
個人主義が徹底しているフランス。
どんな服を着て、どんな髪型をしていようが、自由です。
夏になると、老いも若きも女性は露出度高め。
他人の目を気にしている人なんていません。
もちろん、学校でも制服などないので子供たちの服装は自由。
カラーリングをしている子もいれば、アクセサリーじゃらじゃらの子もいます。
フランスで暮らしていると、人からどう見られているか過剰に心配する必要がなくてラクです(あまり気にしすぎないのも危ないですが)。
日本びいきの人が多い
近年、特に増えている「日本大好き」フランス人。
子供たちは、アニメやゲームから日本好きに。
若い世代も、アニメや漫画。
大人たちは、日本食から入って「日本へ観光旅行に行くのが夢」になるようです。アニメや日本映画ファンという人も多いですね。
お寿司から始まった日本食ブームも、ラーメン、うどん・そばに人気が広がりました。
今では、おにぎり、お弁当、サンドイッチ(日本の食パンサンド)への認知が広がっているようです。
昔のように、「ニンジャ」「フジヤマ」「ハラキリ」など、からかわれているんじゃないかと思うようなことを言ってくる人は本当にいなくなりました。
自然の景観が素晴らしい
海には海の絶景、山には山の絶景があるフランス。
荒々しい北の海もあれば、地中海の太陽輝く海もあります。
ヨーロッパ最高峰のモンブランを従えたアルプスの急峻な山々もあれば、火山が作り上げた中央部の山もあります。
崖の上に築かれた村とか、見渡す限りの葡萄畑に古城とか、美しい景色が至る所で楽しめます。
歴史的建造物の立ち並ぶ古い街並みが、国中に散らばっている一方で、過剰に観光地化されていない自然そのままの景観も楽しめるのは、フランスのすごいところですよね。
他の欧州諸国へのアクセスがいい
フランスの良いところ、最後は観光・ビジネスのアクセスの良さをあげたいと思います。
行こうと思えばいろいろな欧州諸国へ車や電車で行けてしまいます。
スペイン、イタリア、スイス、ドイツ、ルクセンブルク、ベルギーなど、いずれも自動車旅行距離です。
うちは、お正月の買い物にちょこっとジュネーブまで、なんてことを毎年やっています。
また、海を渡れば向こう岸はイギリス(ユーロトンネルで車でも電車でも行けますが)。
空路を使えばさらに1時間から数時間で欧州諸国どこへでも行けますよ。
フランスで暮らすなら心がけたいこと
フランス生活の良いところ、たくさんあるんですよね。
でも、フランスに移住してくる日本人の多くが、最初はなかなか苦労するんです。
有名な『パリ症候群』という言葉も、理想と現実の違いに心が病んでしまうというケースから生まれたものですよね。
「フランス生活は、すてきなことがたくさんあるよ」という前提で、素敵なフランス生活を送るために心がけたいことを少しご紹介します。
フランス人の多くは、情が濃くて優しい人がほとんどです。
でも、無礼に扱われるのは大嫌い。
だから、「フランス語できちんと挨拶」を心がけたいものです。
お店に入るときは、「ボンジュール」。
ブティックで試着したいなら、必ず許可を得てから。
店員に声をかける時も、「ボンジュール、マダム(ムッシュ)」。
支払い時には、「メルシー・ビアン、マダム(ムッシュ)」。
お店を出る時は、「オールボワール」。
いずれも、もそもそ言うのではなく、相手に聞こえるようにはっきりと。
これだけきちんとやることで、絶対に相手の対応が違います。
▼ 日本の店員さんの丁寧な応対に慣れている私たちは、ヨーロッパのお店での接客態度にモヤモヤしがち。不愉快さを回避するコツをご紹介します。
▼ フランス生活は大変、でも楽しむコツを知れば大丈夫!詳しくはこちらの記事でご紹介しています!
まとめ:
フランス生活の良いところをまとめました。
一度は行ってみたい憧れの国である反面、
「日本人が暮らすと苦労する」と言われることも多いフランス。
確かに苦労は多いんですが、なれると居心地のいい面もたくさんあります。
これから移住を考えたいかた、
まさにフランス生活を始めたばかりというかた、
ぜひ参考にしていただけたらうれしいです。