国際結婚をして、海外で子育て中の日本人ママの共通の悩み。それは、子供の日本語教育、ではないでしょうか。
国際結婚&海外子育て中の日本人ママの願い:
- 日本語も話せるバイリンガルに育ってほしい!
- 自分の母国語を子供にも理解してほしい!
現役子育て世代の海外在住ママ、まのん(@ManonYoshino)です。
海外で子育て中というと、周囲の人から(親戚とか)は「外国に住んでいても、お母さんが日本人なら日本語は問題ないでしょ」と言われたりしませんか?
「いや、いや、いや、いや。。。そんな簡単じゃなーーーーい!」
国際結婚&海外在住という環境で、日本語ペラペラの子を育てるのって実は大変。ものすごい努力が必要ですよね。
今回は、これまで収集したノウハウや経験をもとに、子供のバイリンガル教育に成功するための、小学生時期からの学習ヒントをご紹介します!
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目次
国際結婚の子供の日本語教育、ここが難しい!
日本語も話せる子になってほしい親たち
例えば、母親が日本人の国際結婚の家庭の場合。
海外に暮らしていても、多くの日本人ママは「子供に日本語を!」と望むでしょう。
赤ちゃん時代から、日本語の絵本を読み聞かせたり、日本のアニメを見せたりして、日本や日本文化に親しめるよう工夫されていると思います。
成長に従って「現地語」が強くなる子供たち
それでも、子供たちも大きくなるにつれて、それぞれの社会生活を送るようになります。託児所、保育園、幼稚園と、住んでいる国の現地語に触れる機会がどんどん増えていきますよね。
一方で、子供が日本語を楽しめる機会を、親が積極的に作らない限り、日本語に触れる機会はなかなか増えません。
フルタイムで外で仕事をしている場合、これはなかなかの難事業ですよね。
そうこうしているうちに、あっという間に子供の言葉は、現地語が優勢になり、日本語は上達しないうちに「話せない」状態になっていきます。
【海外バイリンガル子育て】国際結婚の子供の日本語教育6つの難しさをどうぞごらんください。 意外と知られていない海外バイリンガル教育の難しさ、もっと詳しく情報は
【国際結婚と言葉】子供の日本語教育は幼児期がとても大切です!でご紹介しています。 さらに、幼児期にスタートする、海外バイリンガル教育の工夫については、
国際結婚の子供の日本語教育、小学生からの6つのヒント
ヒント1 最大のカギは夫婦の価値観!
幼児期のバイリンガル教育でも同様なのですが、子供の日本語教育の成功の最大のカギは、お父さんとお母さんが共通の価値観を持っているということです。
とても重要なポイントです。
日本人の親だけがしゃかりきになっても限界があるんです。子供はちゃんと親のことを見ています。
両親の間で、「日本語は子供にとって、とても大切なもの」という共通認識ができていないと、子供には日本語の大切さがわかりません。
たとえ、ずっと日本を離れて生活していくことになっても、バイリンガルであることは一生モノの価値ですよね。子供の未来の生き方の選択肢がぐーんと広がります。
ヒント2 日本人の親は日本語だけ!
「一親一言語」の原則を守る
国際結婚の配偶者の国で暮らしているのなら、子供は、住んでいる国の言葉(=配偶者の母語)に囲まれて成長します。
この場合、日本人の親が固い決意で努力しない限り、自然に日本語が話せるようにはならないのです。
具体的にはどうするの?
では、暮らしの中で実際にどうすればよいでしょうか?
- 日本人の親からは日本語だけを話し、もう一方の親からは彼(彼女)の母国語で話す。
- 言葉は絶対に混ぜない。
これを徹底します。
結構、まじめに強い決意と根気が必要です(笑)。つい言いやすいので、現地語や英語などを混ぜて言ってしまいがちですが、ぐっと我慢!
気を緩めると、不思議な日本語になっていくから、注意!
ここで気を緩めると、日本語の語順だけ守り、中身は外国語の不思議な日本語を話す子供になります。
【不思議な日本語の例】
「マーム が ブレックファスト ため ペアンケイク つくった。でも、スゥイロップ なかった、だから、スーパマーケ 買い行ったよ」
(ママが朝ごはんにパンケーキをつくったんだけど、シロップがなかったんだよね。だから、スーパーに買い物に行ったよ)
こうなってくると、日本人に話しても「?」と理解されないことも多く、子供のモチベーションはぐんぐん下がり始めてしまうので要注意です。
ヒント3 毎日かならず少しずつ!
小学校からは、現地の学校でも「国語」の学習が本格的に始まりますよね。そのほかにも、算数などの宿題がじょじょに増えてくるかもしれません。
学校の勉強や校外活動(習い事)が忙しくなりますが、日本語の勉強の時間も毎日少しずつでいいので取るようにするといいです。
バイリンガル教育に熱心なご家庭では、「朝活」に日本語学習の時間を取り入れて成功されている方もいらっしゃいます。
ピアノなどと一緒で、ちょっとずつでいいので、毎日かかさず日本語の学習時間を取るのが、小学生時期からの日本語離れを防ぐコツの一つだと思います。
【進研ゼミ小学講座】。続けられる理由・伸びる理由は、【進研ゼミ・海外での評判?】小学生の日本語教育に最適な5つの理由でご紹介しています。
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ヒント4 日本好きの子に育てる工夫を取り入れる
海外に住みながら、日本語もペラペラという子供を育てるには、子供自身にとって「日本」や「日本語」が魅力的であることが大切ですよね。
実際に国際結婚のご家庭でされている工夫をいくつかご紹介します。
1)日本のテレビ番組を活用する
親からの日本語発信には限界があります。その点、テレビはとても有用なんですよ。
低学年の子供には、教育番組やアニメ。少し大きくなったら、バラエティや教養番組、家族で見られるドラマなど。日本語や日本文化を楽しむことができます。
日本語放送を導入したり、海外でも日本のテレビを見られるサービスを使うなど日本のテレビ番組を楽しむ方法はいろいろありますよね。
2)日本人の親と子供の密な時間を大切にする
一番身近な日本語の先生が、日本人のお父さんやお母さんです。できるだけきれいな日本語で、でも日常に一般に使う普通の言葉で子供と接するといいですよ。
必要以上に「教育」を意識する必要はないと思うのです。
うちなんて、「まじ?」「めっちゃ〇〇」「うわ、それヤバくない?」など、普通に友達同士が使っている語彙も会話に飛び出します。
教室じゃないんですから。。。!
子供の「子供時代」はすぐに終わってしまいます。だから、できるだけ子供と密な時間を過ごして、日本語と日本文化の素敵なところをたくさん伝えてあげましょうよ。
3)成功体験をバックアップする
日本語をフル活用する機会(日本語教室や補習校の発表会や、日本語検定や、作文コンクールなど)があったら、ぜひトライさせてみて一緒にバックアップしてはいかがでしょうか。
「こんなに上手にできた」「すごいってほめられちゃった!」「試験に受かった!」など、日本語ができるからこその成功体験は、子供の大きな自信と日本語学習を継続するモチベーションにつながります。
4)好きなものを見つける手伝いを
アニメのキャラでもいいし、絵本でもいいし、アイドルでも、日本のお菓子でもいいし、子供にとっての日本とつながる何かを見つけられるといいですよね。
そのためには、親がいろいろとアイディアを紹介する必要があります。
うちの子供の場合、「日本はやっぱ、温泉だよねー。海の見える露天風呂なんてサイコー!個室露天ならなお最高。」だそうです。
5)マンガをフル活用!
できれば、活字だけの本を読んでほしいというのが本音ではありますが。。。
海外在住の子供の日本語教育には、コミックもとても役に立ちます。
小学生に人気のマンガの場合、漢字にはルビがふってあるので、ひらがなが読めればOK。読み込んでいるうちに自然に、漢字や言い回しまで覚えてくれます。
成長に合わせて、少年マンガ、少女マンガにシフトしていければ、子供自身が楽しみながら「生きたボキャブラリー」を学んでいけますよ。
ヒント5 体験入学はぜひトライ!
まずは受け入れ可能かの確認を
海外在住でも、日本の親元などの教育委員会(+受け入れ校)が受け入れてくれれば、日本の公立小学校への短期体験入学が可能な場合もあります。
日本に帰省する際に、地元自治体に確認されてはいかがでしょうか。
子供にとっては貴重な楽しい体験
2週間から1ヶ月などの短期でも日本の学校に通うということは、子供にとってかけがえのない貴重な体験になります。
日本語の力がぐんと伸びるだけでなく、日本への理解も深まります。自分が頑張って勉強している日本語が、実際に本当に役にたつという成功体験もできます。
仲良しクラスメートができたりすると、毎年の帰国が楽しみになるようですよ。
バイリンガル教育に成功されているご家庭は、子供を短期体験入学させているおうちが多いですね。
注意しなければいけないこと
短期体験入学は、受け入れ側の学校に「手間をかけさせる」ことになります。
お願いする私たち側の、謙虚さがとても大切かなあと思います。
「当然の権利」「外国から来たから、これはやらない!」などの態度をとった残念な人がいるために、その後の体験入学申し込みは受け入れ不可になってしまった!などという話も聞きます。
学校の決まりに従う、親子共に学校側への感謝の気持ちを持つなど、マナーに十分気をつけるべきですよね。
▼ 日本の小学校への体験入学について、小1から小6まで毎年体験入学をさせた実体験からの記事もどうぞご覧ください!
● 体験入学の手続き・準備・注意点:
● 体験入学のメリット:
ヒント6 親子で未来図を描こう!
ただやみくもに「ママが日本人なんだから日本語勉強しようね」「日本語できる方がトクだから勉強しようね」では、子供はやる気が出ませんよね。
今、頑張っている「漢字の学習」が、「読解」が、「文法」が、その子供の未来にどうつながるのか、親子でイメージができるといいですよね。
将来、日本で働きたいから、日本語能力検定1級がとれる力をつけよう!
大学は日本に留学したいから、今から漢字をしっかり勉強しよう!
日本の親友と、ずーっと親友でいたいから、日本語ペラペラの私でいよう!
未来のビジョンは明確であればあるほど実現できるっていいますからね!
まとめ
小学校からの日本語バイリンガル教育の継続に役立つ学習ヒントをご紹介しました。
ヒントは次の6項目です。
- 夫婦で共通の教育価値観を持つ
- 一親一言語の原則を守る
- 毎日必ずすこしずつ勉強する
- 日本好きの子にする工夫を取り入れる
- 体験入学にトライする
- 親子で未来をイメージする
幼児期はお母さんと一緒に日本語を話していた国際結婚の子供たち。その多くが、小学校に入学した頃から徐々に「日本語離れ」していきます。海外バイリンガル教育「学齢期の壁」ですよね。
一方で、現地の小学校生活をエンジョイしながらも、着実にバイリンガルとして成長していく子供たちもいます。
その違いを作るのは、親の覚悟と時間的投資、そして子供の努力、かもしれません。がんばりましょう!!
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