海外で暮らしてみたい。
住むならカナダがいいかな、ってなんとなく思います。
カナダって住みやすそうなイメージがあるけれど、実際の生活はどんな感じなんだろう?
元カナダ永住者の管理人まのん(@ManonYoshino)が、こんな疑問にお答えします。
実は隣の国カナダ。
日本から旅行や留学で渡航する人も多く、永住権を取得して移り住んでいる人もかなりいるんですよね。
でも、意外とカナダについて詳しく知らない人も多いのではないでしょうか?
目次
カナダってどんな国?
カナダという国について一般的なことをまずはざっくりと。
アメリカに隣接していて、経済的にも文化的にも深く関わっている国カナダ。
例えば、テレビ番組などアメリカのものが多いんです。トロントに暮らして、毎朝ニューヨーク州のニュース番組を見てから会社に行く、みたいな。
その一方で、ヨーロッパの影響も強く受けています。連邦立憲君主制のカナダ、イギリス連邦加盟国で、国王はイギリスのエリザベス二世。
公用語は英語とフランス語で、あらゆるものの表記が二ヶ国語です。
広大な大地に豊かな自然が広がり、スキー、スノーボード、トレッキング、カヌーなどアウトドアスポーツ好きには憧れの地でもあります。
日本とはオーストラリアなどと並んで、いち早くワーキングホリデーの協定も結んでいるので、実はカナダ滞在経験者の日本人はかなりの数になるはず。
カナダを選んでやってくる留学生やワーキングホリデーの人たちは、「カナダってなんかとっても住みやすいイメージがあった」と言いますね。
実際はどうなのでしょう。さっそく「現地生活者が見たカナダ」をご紹介していきたいと思います!
カナダと日本の生活、どこが違う?
まずは、住んでる人種も言葉も違うでしょ!
その通りですが、他にもいろいろ違いがありますよ。
多民族国家
移民がとっても多いカナダ。
トロントのような大都市は、まさに人種のるつぼです。
中華街はもちろんのこと、ギリシャ人街、イタリア人街、インド人街など、「ご近所一帯が別の国状態」の地区もあります。
日本からの移住者もかなり多く、日系二世、三世の人もたくさんいらっしゃいます。
移民とマイノリティ
とにかく移民の人が多いので、いちいち「あの人はガイジン」みたいな区別があまりないように思います。
例えば働いていると、オフィスの中にはいろんな民族的背景をもった同僚がいる状態。
隣の席はアイルランド系カナダ人、向かいのオフィスにはフィンランドからの移民一世、電話の先の取引先はスリランカからの移民一世…、などと本当にいろんなバックグランドの人がいるんです。
「訛りのある英語が恥ずかしい」なんて心配することもなく、ごくごく日常に「訛りのとても強い英語」の会話が交わされているのが普通。
また、ゲイのパレードが行われたり、同性婚も早々と認められたのがカナダです。
ふたつの公用語
さきにもお伝えしたように、カナダの公用語は英語とフランス語。
街中にも英語・フランス語の二ヶ国語表記があふれています。商品のパッケージも、みんな二ヶ国語表記です。
夏時間・冬時間
欧米にはよくあることですが、春から秋にかけてはデイライトセービングタイム(夏時間)が採用されています。
つまり、ある日を境目に1時間時計の針が進んだり戻ったりする、ということ。
冬時間から夏時間に変わると、一気に日暮れが遅くなった感覚です。昨日の午後5時が今日からは午後6時なわけなので、日没の時間が1時間遅くなります。
逆にハロウィンが終わって、木枯らしピューピューの11月初旬に夏時間が終わると、一気に日没が早くなります。昨日までは午後6時まで明るかったのに、今日からは5時には真っ暗状態。
慣れないと、結構びっくりします。
気候がやっぱりかなり違う
冬はかなり本気で寒いです。
都市部でも普通に毎日「マイナス気温」が続き、風の冷却温度を加味すると-15℃なんてことも。
外にしばらく立っていると鼻の穴がパリパリ凍り出す感じですね。
「じゃあ、夏は涼しくていいですね!」
なーんて思われますが、かなりしっかり真夏日だったりしますよ。
プライベート最優先
ほかの欧米の国でも同じですが、プライベートが何よりも最優先!ですね。
普通に会社員をしていても、ガチガチに会社に縛られているわけではない感じ。
ランチタイムに友達と待ち合わせしてランチ、長引いちゃって「あら、遅くなっちゃった〜」と14時過ぎにオフィスに戻っても誰も何も言いません。
ちゃんと仕事をこなせばいいわけで。
また、気候が穏やかな春から夏は、全体に「人生楽しもうモード」が高め。
金曜日の午後など仕事を(ほぼ)テキトウに終わらせて、15時には高速道路を別荘に向かって車を走らせる人も多いです。
また、夏時間で日没が遅いので、早めに退社して夕方からゴルフやセーリング、などという人も珍しくありません。
カナダで感じる「よいところ」
「違い」に寛大
寛大、というよりもむしろ「違い=独自性、特性、よいこと」みたいな感じですかね。
出る杭は打たれない、というのがカナダの一番の良さかと思います。
移民が多いので、異文化や異言語に対してかなりオープンなんですよね。
同性婚の手続きがもっとも簡便なのが、現在はカナダなんだとか。昔から同棲カップルへの一般の理解は深いという印象がありました。
プライベート重視
上記ですでにご紹介した通りなんですが、公私の「私」を重視する風潮がかなり強いと思います。
みなさん、あまり細かいことにこだわらないというか、「やるべきことをきっちりやれば、あとは自由でしょ」という感じですね。
家族生活もとても大切にするし、親戚や友達との集まりもかなり重要視するようです。
暮らしにゆとりがある
管理人がカナダ生活をしていた時、収入自体はカツカツの状態でした。
毎月、なんとかやりくりして暮らす状態、です。
それでも、「貧乏だ、つらい」という感覚が少なかったです。お金はなくても、時間や住空間や仕事空間など、あらゆるスペースにゆとりがありました。
全体的に「暮らしにゆとりがある」という感じです。
夏が楽しい
冬は厳しいですから、その分、太陽さんさんの夏は本当に楽しいんです。
夏時間が始まった最初の「気温が暖かな日」には、こぞって外へ。多少風が冷たくったって、もう「夏の始まり」なんですね。
庭でバーベキュー、外で乾杯。
街角にはホットドッグスタンドがやってきて、ランチタイムを外で憩う人も増えます。
そして、夏は10時くらいまで明るいです。
住まいにゆとりがある
都市部では住居費は高いですが、一人分のスペースは東京よりずっと余裕があります。
郊外の家をシェアする、なんていう場合はかなりのゆとりあるスペースを楽しめるのではと思います。
家が暖かい
冬の酷寒対策で、家の中は暖かいですよ。
セントラルヒーティングが一般的で、家やアパート全体に暖房が入ります。日本の家屋ように、廊下やトイレや浴室がとっても寒くて「心臓に悪い…。」ということもめったいないです。
日系人多いため日本人が生活しやすい
都市部に限ったことなのかもしれませんが…。
日本企業も多数進出しているほか、日系人の方たちがかなりいるので、日本人が生活しやすいかと思います。
日本食レストランも、食材も、ヨーロッパ諸国よりずっと揃います。
カナダで日本人が生活して「困ること」
ここからは、カナダ生活で「ここはちょっと…」と言いたい部分をご紹介します。
冬の寒さが半端ではない
本当に寒いですよ。
冬の夕暮れ、雪の中でトラムやバスを待つときの辛さは、なかなか日本では味わえないかと…。
時間の感覚が大雑把
上記の冬の辛さが一層増すのは、この時間の感覚の大雑把さです。
地下鉄も、バスも、トラムも、なかなか時間通りに来ません。続いて何台も来たかと思うと、待てど暮らせど来ない時もあります。
ただ、全体に時間の感覚が大雑把なので「多少の遅刻」には誰も文句を言わない、というのはメリットでもありますよね(笑)。
太る
欧米に渡った日本人の多くが経験するのが、体重増加です。
なにしろ一人分の食事ポーションが大きい。外食だと多分一食で2,000キロカロリーとかいっちゃいそうな勢いです。
気をつけてないと、簡単に太ってしまいます!
言葉
移民が多いので、訛った英語でも恥ずかしくないよ、とすでにお伝えました。
確かにそうなんですが、やはり日本語が通じるわけではないので、少なくとも英語は必須ですね。
公用語がふたつ、と言っても英語圏の州ならフランス語はほぼ使わないと思って大丈夫です!
日本食
カナダで感じる良いところで、「日本食レストランも、食材も大体揃うので生活しやすい」とご説明させていただいたのですが…。
確かに都市部では、だいたいなんでも揃うかと思います。
でも、お値段は日本よりずっと高くなります。これがネックですね。
カナダで日本人が注意すべきこと
自己主張はきっちり、言葉で表現する
カナダでは、「察してよ」は通じません。
考えや気持ちは、きちんと言葉で表現する必要があります。これは、欧米諸国どこでも共通ですね。
「ニヤニヤっと笑ってごまかす」「イエスともノーとも言わない」曖昧な態度は誤解の元になるので、注意が必要です。
英語では、「言葉で言わずにお互いになんとなく気持ちを察し合う」などという技は通じない!伝えたいことは言葉でしっかり話すべし…。
スモーカー要注意
日本でも分煙が当たり前になってきました。
カナダはかなり昔から喫煙者には厳しい国。近年より一層厳しくなっているようです。
オンタリオ州を例にとると、公共の場所ではもちろん禁煙ですが、その入り口から9メートル以内も禁煙!
「ああ一服したいからちょっと表に出て吸ってくるわ」は、できません。冬は特に大変かと思われます。
本気で冬は寒い
室内はぬくぬくと暖かですが、一歩外に出ると冬のカナダは都市部でも寒いです。
11月初めくらいにはかなり冷え込むようになり、ちょっとした覚悟が必要かもしれません。
みんなが防寒用の帽子をかぶっているのもうなずけます。
チップが必須
レストランやタクシーなど、サービスを受けたらチップを払う習慣があります。
クレジットカードで支払う際にも、チップを加算して払います。相場は、金額の15%くらいでしょうか。人によって「え、チップは2割でしょう」というケースもあります。
伝票に「サービスチャージ」という名目での追加金額がすでに表示されていれば、加算済みなのでチップはいりません。
女性は注意すべきこと
カナダは一般に治安がいいと言われていますが、それでも街中には「怪しいエリア」が存在します。
女性は、そういったエリアに一人では近づかないのがベスト。用心するに越したことはありません。
また、男性に一対一のディナーに誘われたら、その気がないのにホイホイついていかないことです。二人きりのディナーがOK = その先もOKと思っている男性も多いです!
まとめ
日本人が、なんとなくよいイメージを抱いている国、カナダ。
でも実は意外と詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか。
カナダと日本の生活の違いや、カナダ生活のよいところと困るところをそれぞれご紹介させていただきました。
とにかくカナダは広大な国です。色とりどりの花が一気に咲き始める初夏、秋には360度ぐるっと広がるメープルの紅葉、冬の凍てつく雪景色など、息をのむ四季折々の自然を楽しむこともできます。
いちどカナダに行ってみませんか!