海外で子育て中の国際結婚ママです。
子どもを日本の小学校に体験入学させる人がいるって聞いた。
海外の学校と比べた日本の学校の良さはどんな点なのかな?
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
フランスの学校に通う我が子は、小学校1年生からずっと日本で体験入学させていたいただいています。
最初は、
「大丈夫かな…?」
と不安もありましたが、結論から言うと「体験入学に行って大正解!」でしたよ。
親子で毎年感心させられるのは、日本の教育システムのオールマイティぶり。
いろいろなことを学び、体験できる、というのが日本の学校のすごさです。
この記事では、海外で暮らす子どもと親が日本の学校で見聞きして感じた
日本の学校のすごいところ
日本らしい、びっくりする点
をご紹介します。
「うちの子も体験入学させてみようかしら…。」と検討されている海外にお住まいのかた、ぜひぜひご覧ください!
海外から体験入学 日本の学校のすごいところはここ!
自分も日本の小中学校で学んだはずなのに、親の視点で見てみると日本の学校教育がとても優れていることが見えるようになりました。
子どもの毎年の体験入学を通じて、
「これはすごい。さすが日本!」
と強く思う点は次の通りです。
- バラエティに富んだ年間行事を通じて文化や習慣を学べる
- 式典を通じて礼儀やマナーを教えてもらえる
- トータル教育がすごい(生活指導、衛生指導、バラエティ豊かな学科)
- 先生が子供たちと深く関わってくれる
- 自治活動を通じて社会を学べる
- バランスの取れた給食を提供してくれる
- 清掃時間を通して衛生観念や実践に役立つことを学べる
- 遊具が用意されている
- 学校にプールがある
- 子どもだけで登下校する
ひとつずつ見ていきましょう。
バラエティに富んだ年間行事を通じて文化や習慣を学べる
日本の小中学校って、いろいろな行事が多いですよね。
大きなものから言えば、入学式や卒業式、運動会、遠足、宿泊学習に修学旅行。
社会科見学や交通安全指導、体力測定に身体測定なんかもありましたね。
そのほかにも、各学校独自のイベントがたくさん。
最近では、安全なインターネット利用についてのセミナーなども開催されているようです。
思い返せば、学校で主催してくれたさまざまなイベントを通じて、地域の経済や文化を知り、日本の歴史や文化を学ばせてもらっていたんですね。
フランスでも校外学習や旅行はいろいろあるんですが、日本の学校のようにバラエティ豊かでもないし、頻度も極めて少ないです。
式典を通じて礼儀やマナーを教えてもらえる
卒業式や運動会など、子どもが集団でのマナーを学ぶ機会が多いのも日本の学校のすごいところ。
きちんと整列する、私語は禁止、号令で一斉に立ち上がる…。
壇上で誰かがスピーチをしているときは、姿勢を正して聞き、おしゃべりはしない。
子どもの頃は「なんでこんなことしないといけない?」と批判的でしたが、大人になってみればこの頃のマナー教育は間違っていなかったのかも…、と思うことがしばしばあります。
欧米の学校では、この手の「うるさいくらい細かいマナー指導」はあまりないので、家庭でのしつけが子どもの品格を決める感じ。
日本の学校でマナー教育をしてもらえたことを、今更ながらありがたいことだったなと思いますね。
トータル教育がすごい
子どもからしたら、「めんどうくさい、ウザい」衛生指導や生活指導。
これも、親の視点からみるとありがたい集団指導。
爪は伸ばしすぎない、ハンカチやティッシュは持参、食事の前に手を洗う。
少なくともフランスでは、こういう指導は皆無。
毎年、秋から冬にかけて必ずウィルス性胃腸炎が流行するのは、トイレの後も手を洗わず、食事の前も手を洗わない人がけっこう多いからなのでは?と思いますね。
また、日本の学校で教える教科のバラエティがすごいですよね。
図画工作、家庭科、音楽が特にすごいと思います。その内容の多岐にわたる指導が特筆すべき点。
公立の小学校に通うだけで、楽譜が読めるようになって、鍵盤楽器も弾けるようになるんですから。
図画工作の授業では、絵を描くだけでなく、木工細工や版画、粘土細工などなどいろいろな表現方法を体験できます。
さらには、食材の扱い方、調理の仕方、ミシンの使い方やアイロンのかけ方まで家事一通りを教えてくれるのも素晴らしいですよね。
子どもたちが、将来につながる「好き」を見つけるチャンスがたくさん与えられる日本の学校教育はめちゃくちゃ優れていると思います。
先生が子どもたちと深く関わってくれる
日本の学校では、教員の子どもたちとの関わりが非常に深いですよね。
生活全般まで関わってくれます。
「教員は教えるだけが仕事」とキッチリ線引きされているフランスの学校と比べると、日本の先生は細部にわたって子どもの指導にあたります。
ランチタイムも子どもと一緒に教室で給食を食べますし、清掃の時間も子どもの指導がてら一緒に過ごしますよね。
委員会活動、クラブ活動や部活動も教員が分担してアサインされるので、日本の教員というのは本当に負担の多い仕事で大変だと思います。
でも、かつては必ず行われていた家庭訪問は、最近は廃止になった学校が多いらしいですね。
自治活動を通じて社会を学べる
小学校でも高学年になると、クラブ活動や委員会活動が始まりますよね。
あれも、「小さな社会」運営。
委員会や児童会・生徒会などが中心となって、学校のイベントも運営していくスタイルは、社会の仕組みを学べる機会です。
それぞれの活動も、指導する先生がついてくれるとはいえ、ある程度の自由が子どもたちにも許されているのでちょっとした自治組織。
大人の社会のミニ版という感じですよね。
バランスの取れた給食を提供してくれる
子どもの体験入学で一番感心したことが給食です。栄養バランスの良い食事を、安価な負担額で提供してくれますよね。
フランスの学校を例にとると、日本の給食費はフランスで払う額の2〜3割です。
子どもいわく、
クオリティは天と地の差。日本の給食はおいしすぎ!
だそうですよ。
欧米の学校のカフェテリアでは、嫌いなものを避けることができることもあり、自由度が高いんですよね。
いっぽう、日本の学校給食はみんなで同じものを教室でいただくシステム。
今どきの小学校では、「嫌いなものも残さず食べる。食べ終わるまで席を立ってはいけない」みたいな決まりはないらしく、こちらも和気あいあい。
清掃時間を通して衛生観念や実践に役立つことを学べる
欧米で育つ日系家庭の子が、日本の学校に体験入学してびっくりすることの代表が清掃の時間。
掃除は専門の業者の仕事、というのが欧米の一般的な考え方なので、
「なんで僕が掃除しないといけないの💢?」
と一悶着を起こす子もいるらしいです。
それでも、普段あまり家事に参加させることのない子が、箒をかけたり、雑巾掛けをしたりするのはとてもよい経験でしょう。
トイレ掃除の当番をしたときには、「トイレは普段からきれいに使わないと掃除が大変になるよね」なんてちゃんと学んでいました。
遊具が用意されている
こちらはもしかしたら減少傾向にあるのでしょうか。
滑り台や鉄棒、ブランコは今も小学校遊具の定番といったところですが、そのほかにもボールや一輪車などの遊具が用意されていることが多いですよね。
自分で何か遊び道具を用意しておくか、あとは追いかけっこやボール遊びくらいしかネタがないフランスからしたら日本の小学校は子ども天国。
学校にプールがある
都会の学校はともかく、地方の小学校には今も敷地内にプールがある学校が少なくないのではないでしょうか。
これは、外国育ちの子どもにはびっくりと感激が両方だったようです。
全体の傾向としては、徐々に校内プールを廃止し、プール授業自体もなくす自治体も増えているらしいですね。
維持が大変ですし、教職員と高学年児童で清掃を担当するなど、人的負担も大きいから仕方ないかもしれません。
子どもだけで登下校する
フランスでは、小学校までは保護者や保護者に代わる大人の送迎が原則必要なんですが、日本は小学校1年生から子どもだけで登下校。
それだけ安全だということでしょうが、海外から体験入学する子どもにはとても新鮮な体験。
大冒険、みたいな感じのようです。
日本の学校の良いところのひとつに子どもたちがあげるポイントがこの集団登下校なんですよね。
通学班を作り、上級生の班長さんについてトコトコ歩く。要所要所で当番の保護者や地域のボランティアが見守るシステム。
とはいえ、保護者には負担も大きいでしょうし、通学路の安全性に不安を感じることもあるかもしれませんよね。
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海外から見るとびっくりする「日本の学校らしい」こと
ここからは、海外の学校に通学する子どもがいる親の視点から、「ほー、日本ならではだなあ」と思うびっくりポイントをご紹介していきます。
良い点もありますが、保護者から見ると「これはちょっとつらいな…」という点もおりまぜての10選です。
- 通学鞄がおそろい
- 道具類・楽器など購入物が多い
- 長期休暇なのに学校に行く
- 長期休暇なのに宿題が出る
- 教室で先生も子供も一緒にお昼
- 上履きに履き替える
- 指定の体操着・体育館シューズがある
- なにかと式典が好き
- 運動会が一大イベント
- 授業参観・研究授業がある
通学鞄がおそろい
小学生の通学鞄といえばランドセル。
昔と違って、色のバリエーションが豊富になりましたが、それでもみんな同じくおなじみの形のランドセルです。
中学生になると、学校によっていろいろ違いがあるようですが、基本は学校指定の鞄を購入するケースがほとんどですよね。
所属の学校が一目でわかる、蛍光テープが貼ってあるなど、安全性を考慮しての指定鞄なのでしょうね。
道具類・楽器など購入物が多い
フランスで子育てをしていてまず気づいたのは、文房具以外の備品購入がとても少ないということ。
教科書は学校が貸し出したものに、カバーをつけて丁寧に使用するんですよね。それを年度末には返却するんです。
いっぽう、日本の学校は本当に備品購入が多いよう。
鍵盤ハーモニカ、おどうぐセット、リコーダー、書道セット、裁縫セットなど。
そのほかにも、プール授業のためにはスクール水着と帽子を「指定販売店」で購入するとか。
「みんなおそろい」のほうが管理しやすく、平等という事なのでしょうか。
でも保護者はちょこちょこと出費が多くて大変ですよね。
長期休暇なのに学校に行く
海外からみると、夏休みの「登校日」や「試験で登校」「部活で登校」など、本当にびっくりする人が多いと思います。
家族で長期休暇、という家が多いフランスなど、「夏休み中に学校に行かなくてはいけない日がある」と言われたら暴動が起きるかもしれません(笑)。
そもそも教職員全員が、夏には2ヶ月休む国ですからね。
教員の方々も交代で休みをとりつつ出勤しているようですよね。部活の顧問の先生など休みなし、という場合もあるようで…。
子どもがびっくりしていたのは、休み前に「休み中の生活について」の指導があって、「夏休みのしおり」なるものを配られたことでした。
休み中まで先生がいろいろ管理するんだね。びっくり!
との感想でした。
長期休暇なのに宿題が出る
さらに、休み中に当然のように宿題が出ることも日本の学校のびっくりのひとつ。
「休暇は休むためにある」という徹底した考えの欧米では考えられないことでしょう。
絵日記などは、「なぜプライベートを先生に知らせる必要がある?」などと怒られそうですよね(笑)。
夏休み最後の日、家族総出で子どもの宿題を手伝う
という夏の終わりの風物詩も、外国の人にはピンとこないようですよ。
教室で先生も子供も一緒にお昼
自分が子どもだった頃、何の違和感もおぼえなかった「先生も一緒に食べる給食」。
いざ大人になってみると、
昼食時間まで子どもの世話をする先生って大変すぎ…
と気づきました。
ランチタイムが2時間取れて、同僚と外食したり家に帰ったりする先生たちが多いフランスの学校。
食育のため、監督のためとはいえ、あまりに自由がなさそうな日本の学校の先生が気の毒に思えます。
小学校の校長先生は、
「給食が届いたら、自分が一番先に材料を確認しながらいただきます。
その上で、各クラスから提出されているアレルギーの子のリストを見て、アレルゲンになる食材があるかないかをチェックするんですよ」
とおっしゃっていました。
上履きに履き替える
これは、衛生面ではとても優れている点だなと思います。
そとから泥や埃を持ち込まないし、教室の床の汚れが少なくて済みますよね。
でもとても日本ならでは。
外履きと内履きをはっきり分ける日本の文化があるからこその習慣です。
デメリットは、揃いの上履きを購入する必要があることと、週末に持ち帰って家で洗う手間がかかることでしょう。
指定の体操着・体育館シューズがある
内履きと外履きとをはっきり分ける日本ならではのキッチリ習慣は、体育館でも同様。しかも運動用ということで、上履きではなく専用の体育館シューズを使いますよね。
これも、学年ごとに色指定があったりなどします。
そして指定販売店で購入しなくてはいけないんですよね。
兄弟でおさがりを使うのも難しい場合(学年の色が違う)もあって、お財布にやさしくないシステムです。
通学鞄、上履き、体育館シューズだけでなく、体育の時間に着用する体操着も学校指定。
苗字を刺繍する「名入れ必須」の学校の場合、親戚や近所のおさがり利用が不可で、こちらも親にとっては新たな出費。
「🇫🇷 運動のできる服装ならなんでもいいわよ〜」
というゆるいフランスからしたらびっくりな点(フランス人親にとっては理解し難い点らしいです)。
なにかと式典が多い
これは海外の学校に通う子から見たら、びっくりでもあるけれど、羨ましく思う点でもあります。
入学式から始まって、運動会の開会式、終業式、始業式、創立記念日、卒業式。
そのほかにも学校によって式典が催されますよね。
昭和の時代には、小4で「二分の一成人式」があり、中2で「立志式」がありました。
運営する学校の教職員は本当に大変。
運動会が一大イベント
運動会って、日本以外の国では行われているんでしょうか。
確か、アメリカやカナダで働いていた時に「Field Day」という自由参加の会社主催スポーツイベントはありましたね。
うちの子どもが通うフランスの学校では年に1回、年度末に球技大会があります。でも、半日程度クラス対抗でゲームして終わり。
日本の盛大な運動会とは全く別物ですよ。
いくつもの競技があり、高学年児童も運営を担い、保護者がお弁当をもって終日応援に駆けつける…。
学校あげてのお祭りですものね。
授業参観や研究授業がある
子どもの学習の様子を、実際に教室に行ってみることができる授業参観。
普通にあること、だと思っていたら海外ではそれがない(実際は、学校によってはあるらしいです)!
フランスでは送迎が必ず必要、といっても子どもは校門まで送り届けてバイバイなので、あまり学校に入るチャンスはないんです。
社会科見学などの時に、保護者引率係に立候補すれば子どもたちの様子は見ることができますが。
なので、日本の授業参観は海外からしたらびっくりなシステム。
さらに、日本の学校では「視察授業があります」「研究授業があります」というお知らせをよくいただくんですよね。
日本の先生、大変だなあとつくづく思いますね。
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まとめ
日本の小学校教育は、教科の学習や各種の活動を通して「子どもたちを育てる」もの。
勉強を教えるだけでなく、社会性を養う教育でもあります。
もし「海外から夏休みだけ日本の学校に行かせたいな。でも、大変そうだな…」とお考えでしたら、ぜひトライされることをおすすめします。
日本語学習のモチベーションになるだけでなく、さまざまな角度からの教育はお子さんにとってかけがえのない経験になるはず。
お子さんが、自分のルーツのひとつである日本を深く知ることは、アイデンティティ形成にも役立つのではないでしょうか。
▼ 夏休みに日本の小学校へ通う体験入学は、海外在住の子どもたちにとって得るものがたくさんあります。日本語習得や文化の理解だけではない、体験入学の具体的なメリットを5つのポイントでご紹介します。