海外在住の子育て中の主婦。
子どもがまだ小さいし、外国での職探しも思うようにはできません。
このさきの子育てのこと、自分自身のこと、いろいろ考えるとイライラ…。
海外での子育てにストレスを感じるのって自分だけなの?
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
子どもを育てるのって、初めてのことばかりでいろいろ悩みますよね。
「これでいいのかな?」
「自分が母親なんて、本当に大丈夫かな?」
なんて、最初は不安ばかり。
慣れない外国での子育てなら、心配なことがさらにいろいろ出てくるでしょう。
現地語がイマイチなので、子育て情報を集められないし、孤立してしまってストレスが溜まる
子育て文化が違うので、夫や義理の母と意見が合わず、なにかとイライラしてしまう
こんなふうに、海外子育てでストレスを抱える日本人ママって多いんですよ。子どもが小さいと、外出もままならないことも多いですしね。
ということで、この記事では、「海外での子育てのストレスにどう向き合っていけばいいのか」についてご案内していきます。
海外育児が大変な6つの理由
海外での育児ストレスと上手に付き合う5つの方法
「外国で育児、つらい…」と悩んでいらっしゃる方へ、ぜひご覧いただきたいと思います。
大丈夫、海外育児にストレスを感じているのは、あなただけじゃないですよ!
目次
海外子育て、ストレスを抱える人が多い
タイトル通りですが、海外育児にストレスを感じる人はとても多いです。
小さな子を育てていくのは、どこに住んでいても「毎日が気を抜けない真剣勝負」で大変ですよね。
「慣れない環境と外国語」がプラスされる海外育児は、住みなれた日本での子育てとは別の大変さがあります。
海外生活ならではの子育てストレスとは?
海外という環境の中では、「異文化の中での子育て」は大きなストレスになりがち。
日本女性心身医学会誌(*)に掲載された、幼児を持つニューヨーク在住の日本人女性を対象にした「ストレス要因」に関する調査を見てみると、
- 言葉に関するストレス
- 子どもの教育に関するストレス
- 医療へのストレス
がトップ3にリストされています。
いっぽう、比較として調査された「日本のある都市在住の女性」の最大のストレス要因は金銭的なこと。そして、環境問題や住宅に関するストレスと続きます。
海外で子どもを育てるとき、やはり最初にネックとなるのが現地の言葉、という人が圧倒的に多いようでした。
子どもの幼稚園や学校など、母親は「子どもと現地社会」に日常的に関わります。ですので、言葉や教育や医療への不安は、海外在住女性にとってのストレス源になりやすいですよね。
(*)参照元:日本女性心身医学会 Journal of Japanese Society of Psychosomatic Obstetrics and Gynecology 2007
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/12/3/12_KJ00004838705/_pdf/-char/ja
海外生活者の子育てストレスの実態
自分や、同じく海外で出産・育児をしてきた人たちの経験では、
文化・習慣の違いに戸惑ってストレスを感じた
という意見が多いです。
海外生活とひとくくりで言っても、留学生や会社員として自分一人で暮らしていた時と、家庭を持ち子どもを産み育てる暮らしではストレス要因がかなり違います。
それは、守るべき対象が「自分一人」から「自分と家族」に変わり、自分だけが頑張ってもどうにもならないことが増えるから、ですよね。
同年代の子どもを持つお母さんたちと集まると、
✔︎ 育児文化の違いに戸惑う
✔︎ 義実家の子育て習慣の押し付けがイヤだ
✔︎ 日本語教育に悩んでいる
✔︎ 夫や義実家の教育方針に納得できない
といった話がよく持ち上がっていました。
国際結婚をして、現地文化や言葉に十分なれている人たちでもこんな感じ。
「二つの国のルーツを持つ子どもの幸せをどうやって最大化してあげられるのか」、から発生するストレスが圧倒的に多いようです。
▼ 海外生活は、環境の急激な変化や言葉の問題など、頑張り続けなくてはいけない状況になりがち。精神的に疲労しがちな海外生活のストレス解消法とは?
海外育児が大変な6つの理由
では、ここからは「なぜ海外で子育てすると大変なのか」について具体的にその理由を探っていきます。
海外育児が大変な理由は6つあると考えます。
- 言葉の不安を抱えているから大変
- 「わからないこと」が多いから大変
- 子育てサポートが得られないから大変
- 子どもの教育の心配が多くて大変
- 自分自身が不安定で大変
- 義実家がストレスになって大変
一つずつ見ていきましょう。
言葉の不安を抱えているから大変
英語やその他の現地語。
言葉の壁って、意外に厚くて高い!
言葉の不安があると、育児にもストレスを抱えがちなんです。
現地語に自信たっぷりな人以外は、外国語に囲まれた生活はそれだけでけっこうストレス。
自分の周りの人の言うことや、目や耳にする情報を、「完全には理解できていない」状態なわけですから、大人には辛く感じることもあります。
ましてや、守るべき子どもを抱えているなら責任も重いですよね。
国際結婚で海外在住の女性、海外赴任の帯同で海外在住の女性、ともに共通してよく言うのが、
現地語に不安があると、子どもの病気や怪我などがとても心配
ということ。
普段の会話には困らない人でも、医学用語までは自信がない場合も多いでしょう。それでなくてもパニックになりがちな子どもの急な病気や怪我の時に、「自分でちゃんと子どもを守れるのか?」と思っちゃいますよね。
▼ 海外生活では「言葉」が大きなストレスになることも。「海外生活の言葉ストレス」との付き合い方をご案内します!
「わからないこと」が多いから大変
最初の子の育児は、どこに住んでいても「わからないことだらけ」。
海外での育児は、さらに「わからないことばかり」になりがちなんです。
ところ変われば子育ても変わる!
日本では「常識」になっていることも、国が変われば「なにそれ?」になります。
現地の子育て事情がわからないし、子育てグッズも日本とは違うものがけっこうあるので戸惑うことも…。
例えば、赤ちゃん用の肌着やパジャマも日本のものと欧米のものでは違うんですよ。
また、生活習慣の違いも子育てに大きく影響するもののひとつ。
例えば、入浴の習慣。
赤ちゃんの沐浴の仕方も日本とは違うようですし、幼児のお風呂習慣に至っては日本と欧米とでは大いに違います。
妊娠・出産のプロセスも考え方も国によってだいぶ違いますので、日本の情報はあまり参考にならないことが多いですね。
子育てサポートが得られないから大変
妊娠中や授乳期、その後の幼児期など、なにかと実家の両親に手伝ってもらう、という人は少なくないですよね。
「孫のためなら喜んで!」と遠隔地から孫サポートに出かけてきてくれるご両親もいるでしょう。
でも海外では、実家を簡単に頼ることが難しい!
(なかには産前産後の数ヶ月、実母に手伝いに来てもらう人も…)
子育てでやはり頼りになるのは経験者である、母親や義母。でも、多くの場合、頼りたいのは自分の母親なので、海外生活者には辛いところ。
また、夫が留守が多くてワンオペになりがち…というケースも多いです。
このケース、夫が海外出張が多いという駐在員のご家庭にありがちなパターン。
さらには、身近に子育ての相談をできる人がいない、気軽に連れて行ける(日本語で遊べるとさらにベター)児童館のような場がない、など逃げ場がない日本人ママは大きな育児ストレスを抱えることに…。
子どもの教育の心配ごとが多くて大変
海外在住者ならではの「教育の心配事」といえば、日本語教育。
特に国際結婚家庭では、日本人親のほぼ全員が通る道、と言ってもいいくらいのポイントです。
子どもには日本語を習得してほしい、でも現地の学校の勉強もしっかりやってほしいと言うのが親の願い。
幼児期は日本語ペラペラだったのに、小学校入学と同時に現地語優位に変わっていくというのがよくあるパターンなんですよね。日本語を続けさせたいけれど、子どものモチベーションが続かないというジレンマを味わう親御さんは少なくないですよ。
さらには、日本にルーツを持つ子が、現地社会で幸せに成長できるかどうかも親としては不安なもの。
海外赴任の帯同家族の場合は、また別の大きな心配のタネが…。
いずれは駐在期間を終えて日本に帰国するわけですから、子どもたちには「現地の学校に行かせつつ、日本に戻った時に困らない教科書学習も」させるご家庭がほとんど。
「現地語には慣れたけれど、今度は日本語が怪しくなってきて…」という悩みを抱える日本人ママたちは多いですよね。
海外子育て、子どもの教育も大きなストレス要因になります。
▼ 海外で子育てする国際結婚や移住家族の多くが頭を悩ます、子供の日本語教育。成功する海外子育てファミリーの日本語教育とは?
自分自身が不安定で大変
子育てをしながら、「じゃあ自分は今の状態でいいの?」と悩むことってありますよね。
外国での育児ストレスの理由の一つが「自分自身のありかた」。
夫の海外赴任の帯同の場合は、「自分のキャリアをストップさせてついてきた」という人も多く、将来を不安に感じ、現状にストレスを感じるでしょう。
国際結婚の場合も、日本でのキャリアを捨てて結婚を選んだという場合もけっこうあるんですよね。
すると、自分自身のキャリアや将来像を描けないまま、日々育児に追われてしまいモヤモヤしたり。
結婚以前に現地でキャリア形成していて、「育休後に帰るべき職場がある」状況で子育てをしている人たちに劣等感を感じてしまうこともありますよね。
義実家がストレスになって大変
海外育児のストレス要因の最後は、義実家。
日本ほどは嫁姑の確執が少ないと言われる欧米でも、ありますよ、義実家ストレス!
フランスを例にとってみると、カソリック教徒が多いお国柄なので「ファミリー意識」がとても強い家庭が多いです。
長い長い休暇になると、実家や親戚に週単位で滞在したり、滞在されたりすることが普通。一緒にいる時間が密で長いと、いろいろ気になることも出てくるものなんです。
育児に関するフランス的考え方の押し付け、衛生観念の違いからくる意見の食い違い…。
義家族にあれこれ介入されてストレスMax!なんていう日本人妻、よくある話なんですよ。
海外育児ストレスと上手に付き合う5つの方法
海外育児には独特のストレスがつきもの、ということで6つの要因をご紹介しました。
次に、それらのストレスと上手に付き合っていく方法を5つほどご提案させていただきますね。
海外育児ストレスの5つの対処法
- 自分の「居心地の良さ」を大切にする
- サポート体制を確保する
- ネット情報とは上手に付き合う
- 外に出て人との関わりを持つ
- 義実家付き合い対策は戦略的に
一つずつ見ていきましょう。
自分の「居心地の良さ」を第一に考える
子どもが小さいときは、どうしても子ども最優先で行動しがちですよね。乳幼児の場合は、なおさら子ども中心で1日が過ぎていくことでしょう。
でもね、あえて言いますが、「自分を優先」という考え方もしてみませんか(実際は難しいかもしれませんが…)?
外国で孤軍奮闘がんばる自分。
だからこそ、自分にとっての「居心地の良さ」を考えてみてはいかがでしょう。
リラックスして自分の時間を少しでも確保することで、気持ちに余裕が出てくるはず。そうすることで、子どもとの時間もより楽しむことができるようになります。
例えばですが…、
- 子どものお昼寝時間には、自分も好きなことをする。
- 自分のお昼ご飯は(作る余裕があるなら)食べたいものだけ食べる。
- 目が離せない時期の子は、ベビーサークルを活用して、「ママだけの時間」も確保する。
- 夫の在宅時間に子どもを預けて街に出かける。
- 友達とランチする。
- エステやネイルに行ってプチ贅沢をする。
など自分のための時間をもっと持つようにしませんか。
「完璧なママじゃなくていい」んですよ。
子どもの安全さえ確保できていたら、「多少泣いていてもらってもいいや」、くらいの気持ちでいいんじゃないでしょうか。
ご近所迷惑にならない程度なら…。
だって、海外で頑張って子育てしているだけで、すごいことなんですから!
▼ 楽しそうに見える海外生活ですが、実際はけっこう大変なことが多いもの。海外で暮らすと見えてくるデメリットと、その中でも楽しく生活するための在住者の知恵をご紹介します。
サポート体制を確保する
外国で子どもを育てていく上で、「助けてもらえる体制を作っておく」、これとても大切です。
サポート要員として、
- 夫
- 義家族
- ベビーシッター
- 託児所
など、日頃からすぐに頼める人やサービスをリストアップしておくと心強いですよね。
まずは、夫。
「欧米の男性は子育て参加意識が強い」と言いますが、これは人それぞれ。誰かに教えてもらわないと「自分が親として積極的にすべきこと」がわかっていない男性だって多いですよ。
夫とよく話し合って協力体制を築きましょう。
夫が現地人なら、友人や同僚を経由してベビーシッター候補を探しておくのもいいアイディア。知り合いや身内の大学生の子にベビーシッターを頼むのは、よくある話。
夫婦だけで食事や映画に出かけてみましょう。
たまには息抜きも大切です。
海外では母親が「子どもを預けてお出かけ」することはごくごく当たり前のことなので、後ろめたく感じる必要は全くないですよ!
ネット情報とは上手に付き合う
海外育児でストレスをためすぎないコツのひとつは、ネット情報との「ほどよい付き合い」です。
妊娠・出産・育児…。
インターネットやSNS上には、本当にさまざまな情報があふれていますよね。ちょっとわからなかったらググる、という習慣が身に付いているという人も多いのではないでしょうか。
専門家が発信する情報や、先輩ママの提供する情報、子育て中の忙しいときには、サクッと検索できてとても助かります。
でも、子育てブログやポストを読んでいると、けっこう時間を費やしてしまったりします。
また、ネット上で語られる「かしこい子育て」や「スタイリッシュな子育て」を自分と比較してしまって落ち込むこともありがち。
さらに、ネット上の情報は正しいものとそうでないものが混在していますよね。役立つ情報が欲しくて検索しているのに、逆にストレスが溜めてしまうことも。
ですので、スマホ時間はほどほどに。
デジタルデトックスの日を意識的に設けてはいかがでしょうか。
外に出て人との関わりを持つ
ストレスを緩和するには、
休む・変える・いたわる
の3通りの行動が効果的。
この中で、「変える」行動の簡単なものとしておすすめなのは、外に出かけて人と関わること。
乳幼児の育児中心の生活をしていると、大人との関わりを持つ機会が少ないんですよね。あまり内側にこもっていると、目の前のことだけで頭がいっぱいになってしまいます。
だから、ちょっとでもお出かけして「いつもの自分を変える」行動を!
誰かと話すことで、新しい情報も入ってくるし、自分の考えを発信することもできます。
季節の変化にも気づくかもしれません。
子どもを連れて公園に通えば、同じように小さな子を遊ばせているママやパパたちと知り合うチャンスだってあります。
日本人コミュニティがあるなら、そこにも顔を出してみてください。日本語で話せる時間は、海外生活での大きなストレス発散になります。
▼ 孤独になりがちな外国での暮らしで、気軽に話せて楽しい時間を過ごせる友達の存在はとても貴重。海外で友達を作るコツと、寂しくてたまらない時の対処法とは?
義実家付き合い対策は戦略的に
海外での育児ストレスの一つの要因、義実家。
ところかわれど、義家族とのつきあいに気を使うのはいずこも同じ。
在仏日本人の話をいろいろと聞いてみると、やはり「義理の家族は苦手…」という人が多いです。
ネチネチ意地悪をされる、というケースはあまり聞かないんですよね。でも、かわりにズケズケ言いたいことを言われるのでイライラする、勝手に自分達のプライベートゾーンに踏み込んでくる、などはよくある話。
義実家付き合いの「キーパーソンは日本と同じく夫」、です。
彼をうまく「緩衝材」に使うのがいちばん。
そのためにも、夫には「義家族付き合いがストレスになる」ということを理解してもらわなければなりません。
これ、けっこう根気が要ります。
だって、彼には
「やさしくて親切な自分の家族と付き合うことがストレスになるなんて信じられない!」
ことなんですから(「お母さん大好き!」という外国人男性は多い)。
相手側(義母や夫)を決して否定せずに、「自分の場合は〇〇だと感じて嫌な気持ちになるから、ストレスになるんだよ」と自分の感じることを冷静に伝え続けることが肝心かと思います。
それから、何事にもストレートにズバズバ言う義母なら、こちらもズバズバ言うだけ。でも、相手の言い分は素直に聞き、後に引きずらないことが大切かと思います。
▼ 国際結婚の場合、なんとなく嫁姑問題なんてなくてサッパリしているイメージがあります。でも、実際のところはどうなのでしょうか。
まとめ
海外での子育て。
異文化のなかでの子どもとの時間は、小さい驚きや楽しさがいっぱい。
日本とは言葉も習慣も違う外国で、幼い子どもを育てていくのは大変なことも多いですが、子どもとの時間を通して得られるものもたくさんあります。
子どもといるからこそ気づくことも多いし、子育てをしているからこそできる貴重な経験も。
海外子育てでストレスを感じるのは、むしろ普通のことです。
上手にストレスと付き合って、今しかないかけがえのない子育て時間を満喫してくださいね!