
フランスに移住したての「在仏初心者」です。
ウィンタースポーツが好きなのでフランスでもスキーやスノボがしたい!
でもフレンチアルプスとか、なんとなくハードルが高いなあ… 行きたいけど、オロオロしそうで少しこわい。
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
フランスというと、パリやモンサンミッシェルなどの都市や観光名所があまりにも有名ですよね。
でも実はフランス、南東にアルプス、中部に中央山塊、南西にピレネー山脈が連なり、古くからウィンタースポーツが盛んなのです。
山岳リゾートのシャモニーはあまりにも有名ですが、そのほかにも近年開発されたスキーリゾートも多数。ビギナーから超上級者まで楽しめる多彩なコースがあるほか、標高が高いエリアではロングシーズン滑走可能なリゾートも。
ただ、フランスでのスキーが初めてだといろいろ戸惑う点もあるかもしれませんよね。
「ぜひフランスでも滑りたい!」というかたにむけて、この記事では
フランスで初めて滑る人の戸惑いポイント
フランスで滑るメリット
フランスでスキーを楽しむための注意点
フランスの代表的なスキー場
についてご案内していきます。
スキー旅行のプランニングの参考にしていただけましたらうれしいです!
フランスで初スキー、戸惑いポイント8つ

慣れない外国で初めてスキーに行く…。これってけっこう緊張しますよね。
どんなスキー場があるんだろう?
コースはどんな感じなんだろう?
宿泊はみんなどんなところに泊まるんだろう?
などなど、疑問がいっぱいではないでしょうか。
ここでは、ありがちな戸惑いポイント8つについて解説していきたいと思います。
- そんなに上手じゃなくても大丈夫?
- どこに行けばいい?
- そもそもフランスのスキー場ってどんな感じ?
- フランス語が得意じゃないけど?
- ゲレンデのマナーとかあるの?
- 宿泊はどうする?
- スキーやスノボは借りられる?
- ウエアは借りられる?
ひとつずつ見ていきましょう。
そんなに上手じゃなくても大丈夫?
もちろん大丈夫です。
筆者の場合は、フランスで初めて滑った頃は中級。でも年齢を重ねた今は、初級〜初中級レベルのコースをゆっくり滑走。
たいていのスキー場では、あらゆるレベルの人が楽しめるよう初級から上級まで、さまざまなコースが作られています。
そして、本当にさまざまなレベルの人がそれぞれのペースで滑っていますよ。
どこに行けばいい?
フランスのスキーエリアは、大まかに分けて3つ。
スイスやイタリア国境に近いアルプスエリア、国土の真ん中にある中央山塊エリア、そしてスペイン国境のピレネーエリアです。
モンブランで有名なシャモニーから、イタリア国境に沿うように点在する広大なアルプスエリアには名だたるスキーリゾートが揃っています。
下の項「フランスの代表的なスキー場」(←クリックすると飛べます)で、おすすめのスキーリゾートをいくつかご紹介していますのでご覧ください。
そもそもフランスのスキー場ってどんな感じ?
スキー場自体はもちろん日本とさほど変わりません。
ゲレンデのベースには、リフトやケーブル乗り場が並び、レストランやカフェ、スキー学校の事務所などもあります。
強いて言えば、フランスのスキー場は日本のものより標高が高く、ロングコースが多いというところが違いかもしれません。
コースは色分け、名称がついている
スキーのコースは難易度が4段階になっており、
初級 → ●緑色
中初級 → ●青色
中級 → ●赤色
上級 → ●黒色
というふうに、ゲレンデマップやコース上の表示が色分けされています。
さらに日本のゲレンデ同様、それぞれのコースには「Blaireau(アナグマ)」とか「Lac Bleu(青い湖)」などといった名称があるのです。
ゲレンデ上の移動方法
ゲレンデ上の移動も、基本はどこでも同じようにリフトやケーブルです。
麓の街や村からロープウェイ(大型)やケーブル(数人乗り)でベースにあがり、そこからリフトやケーブルで山頂やコース上に移動します。
日本ではほとんど見かけませんが、フランスの古くからある小規模スキー場によくあるのがプラッターリフト(通称:ポマリフト)。
ケーブルからぶら下がった棒の先端に円盤が付いていて、その円盤にまたがる格好で、スキーは雪面につけたまま斜面を登ります。急斜面だとバランスをしっかりとらないと倒れてしまうことも。
このプラッターリフト、わりとよくあるので使いこなせるようにしたいもの。
特にスノーボードの場合は、プラッターリフトで急斜面を上がるのにはコツが必要です。
フランス語が得意じゃないけど?
これはあまり心配しなくて大丈! 基本のゲレンデマップが読めれば、スキー中にフランス語会話力が問われるわけじゃないですから。
リフト券の購入(オンライン購入がメジャーです)や、グッズのレンタル時には多少の会話は必要ですが、いざとなればスマホの通訳機能でなんとかなります。
また、最近はマイナーなスキー場でも、けっこう英語が通じるところが増えてきました。若い世代のスキーインストラクターやレンタルショップ店員、レストラン従業員など「英語が使いたくてウズウズしている」人も。
ゲレンデのマナーとかあるの?
基本はきっと世界中どこでも同じかと思います。
- コース途中の中央部で止まらない(止まるなら左右の端に寄せて止まる)。
- 下方のスキーヤー優先。追い越し時は注意して滑走する
- コース上に座り込まない。
- レベルに合ったコースを滑る。
- むやみにコース外滑走をしない(雪崩誘発のおそれがあります)。
- 混雑時はリフトの相乗りに協力する。
などがあげられます。
宿泊はどうする?
日本との大きな違いは、多くの場合フランス人のスキー休暇は週単位ということ。
まとまった期間を過ごすなら自炊ができる宿泊施設が割安。
ゲレンデ周辺や、ベースの最寄りの村には週単位でレンタルするアパートやシャレーがあるので、そういった施設を利用するといいでしょう。
1週間未満の滞在なら、ホテルやB&Bになります。いかにもアルプスっぽい小さな村の可愛いホテルに泊まるのも素敵ですよね。
だいたいが時間におおらかなフランス人ですが、長期休暇だけはかなり前から計画を立てて宿泊施設も予約をするのが一般的。ですので、「ピーク時にスキー旅行を!」という場合は早め早めの行動がおすすめです!
スキーやスノボは借りられる?
はい借りられます。ゲレンデのベース周辺には、必ずと言っていいくらいレンタル専門店があります。
スキー&ブーツ、ストック、スノーボード&シューズ、スノーシューなどのレンタルが可能。ヘルメットのレンタルがあるお店もあります。
ウエアは借りられる?
スキー・スノボウェア、グローブのレンタルはありません。
すでに持っているものを持参するか、もしフランスに持ってきていないならスポーツ用品店で入手します。
スポーツ用品の大型量販店としては、Decathlon (デカトロン)や Intersport アンテルスポール)が全国展開していて一通り揃います。
老舗のアウトドア用品店Au Vieux Campeur(オウ・ヴュー・カンペール)も有名で、あらゆる山道具が揃っています。
フランスでスキー、5つのメリット

ではここで、フランスでスキーをするメリットを5つご紹介します。
- 世界的に有名なスキーリゾートが揃っている
- 広いゲレンデとロングコース
- アルプスの絶景を独り占め
- レンタルアパートで長期滞在しやすい
- 子供連れが過ごしやすいサービス充実
ひとつずつ見ていきましょう。
世界的に有名なスキーリゾートが揃っている
冬季オリンピック第一回大会開催地のシャモニー・モンブランはあまりに有名な山岳リゾートですよね。
シャモニー谷を囲む山々にはいくつものゲレンデがあり、広大なスキー場を形成しています。
そのシャモニーからフランス・イタリア国境沿いにぐるっと広がる山岳地帯には、数々のスキーリゾートが点在しているのです。
高級リゾートからファミリー向けのスキー場まで、フランスに住むのであれば一度は行ってみたいエリアがいっぱい。
広いゲレンデとロングコース
日本のスキー場もいろいろ行きましたが、フランスのスキー場でまず感動したのはコースが長いこと。
リフトにちょっと乗って滑り、またリフトに乗って…を繰り返すことの多い日本のスキー場(実は個人的には個性的なゲレンデが多い日本のスキー場が大好きです)。
いっぽうで、一気に標高2,000m以上(エリアによっては3,000m超!)まで上がって、延々と滑り降りるコースが豊富なフランスのスキー場。
広々としたゲレンデとロングコースはとても魅力的です。
アルプスの絶景を独り占め
ロープウェイやケーブルに乗り、ぐんぐん高度をあげていくと、雪に光り輝くアルプスの秀峰たちの360度パノラマが目の前に広がる…。
これがフレンチアルプスで滑る醍醐味でしょう。
もちろんピークシーズンのゲレンデはスキーヤーでいっぱいですが、いったんコースに出るとそれほど人も多くなくて「雪&山&自分」という世界。
アルプスの絶景を独り占めしている気分になります。
レンタルアパートで長期滞在しやすい
フランス人はバカンスのために生きていると言っても過言ではありません。本当に誰でもがまとまった休みを取りやすい社会なのです。
そんな長期休暇の旅行ニーズに応えるのがレンタルアパート。
海や山など「休暇で人が行きそうな場所」なら、全国いたるところに週単位で借りられる家具付きアパートがあるのです。
もちろんスキー場周辺にもこういったアパートやシャレーがたくさん存在し、そこで自炊しながらゆっくり雪山バカンスを楽しむわけです。
子供連れが過ごしやすいサービス充実
5つ目にあげたいメリットは、子供連れにやさしいという点。
スキー場の多くは、ギャルドリーという託児所が併設されているのです。
乳幼児を連れた家族連れなら、子供を託児所に預けて親はスキーを楽しむことが可能。
3歳以上ならスキースクールに参加し、インストラクターと遊びながら基礎を習うのもよくある光景です。スクールは週単位で、日曜日から金曜日までの午前または午後の2時間。最終日にはレベル合格のスタンプやメダルがもらえるので子供達は大喜びします。
ベースの村や街には必ずと言っていいくらい児童公園があるし、ゲレンデのレストランでも子供用メニューが用意されています。
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フランスでスキーを楽しむための注意点

フランスでのスキーを安心して楽しむために、いくつか注意点があるのでご紹介しておきましょう。
- スキーコースの難易度を理解しておく
- 凍結しやすいコースがある
- 混雑期を知っておく
- リフト代が高い
- ゲレンデ食が高い
- ウエアやアクセサリーが必要
- パリから遠い
ふたたび、ひとつずつ見ていきましょう。
スキーコースの難易度を理解しておく
フランスのスキー場、「あらゆるレベルに対応しています」というゲレンデでも注意が必要なことが…。
それは初中級コース(●青色コース)。
コース幅があると「初心者でもイケるでしょう」ということで、青色コースになります。
* 一説には、ちょっと難しくても、凍結しやすくても「幅あればOK」で青色コースを設定しておかないとスキー客が集まらない…という事情があるそう。
でも、意外と斜度が急だったり、北面にあるため凍てついていてまるで「斜面状のスケートリンク」状態だったり、ということが…。
フランスの青色コースは、日本でいう「中級コース」と同等であることが多いのでご注意を!
また初級コース(緑色コース)は、「簡単だけど、ロングコースもある」点にご注意を。
緑色コースは、文字通り初級用の傾斜が緩やかでコース幅も広いのですが、長い場合もあるので慣れない人には疲れるかもしれません。
凍結しやすいコースがある
標高が低めのゲレンデ(2,000m以下)では、積雪量が少ない場合があります。その上、アルプスの山は岩盤が多いようで凍りやすい!
滑っていると「シャキーン!」と音がするような凍結した斜面に出会うこともたびたび。
中には雪が薄くなり石がゴロゴロしてるコースも…。
ゲレンデでの初日は、「凍っているかもしれないな」と心に留めておいて注意されることをおすすめします。
混雑期を知っておく
フランスの学校には、年間合計16週間超の学校休暇があります。
12月のクリスマス休暇や、2〜3月にある冬季休暇(もともとは「スキーバカンス」と呼ばれていた)の期間は、スキー場はピークシーズン。
全国を3つに分けてスライド式で休みにする冬季休暇はまだしも、クリスマス休暇は大人も子供も同時にお休み。
ですので、この時期は交通機関も、スキー場も大混雑となるのです。
スーパーなどで買えるカレンダーには学校休暇が表示されているので、混雑期を事前に知ることができます。
リフト代が高い
ユーロを円に換算してしまうと、なんでも「高すぎる!」になってしまいますが…。
日本よりは確実に高めです。
ロングルートが多いので、それだけロープウェイやケーブル、リフトの乗車時間は長くなりますね。日本のゲレンデはコース長が短めなところが多いので「しょっちゅうリフトに乗る」印象。
あまり比較にはなりませんが…。
1日券で65〜70ユーロくらいが相場のようです。
ゲレンデ食が高い
これはもう仕方のないこと。標高の高いエリアに、場所によってはヘリやスノーモービルで食材を担ぎ上げるわけですから。
ベース近辺のレストランなども、日本のスキー場の感覚からすると高いなあと感じます。簡単なランチで20〜25ユーロ、日本円に換算すると3,500円から4,000円以上。
コース上のレストランでは、水もボトルで購入することになるので、さらに割高な感じがするかもしれません。
ウエアやアクセサリーが必要
フランスのスキー場では上述の通り、板やシューズ、ストックなどはレンタルOK。その場ですぐにサイズをチェックし、板も調整してくれます。
でも、自分で用意する必要があるのはウエア。
防水タイプのスキーウエア上下、グローブ、サングラスもしくはゴーグルは必須です。標高が高いゲレンデが多いので、しっかりした防寒具は必須!
パリから遠い
フランスの地図をご覧いただけると一目瞭然ですが…。上質な雪に恵まれた絶景のスキー場はパリから遠いです。
公共交通機関でのアプローチにはやはり時間が必要。
例えばシャモニー・モンブランに行く場合。
パリからリヨンまで高速鉄道のTGVを利用し、リヨンからシャモニーまでは長距離バス(途中乗り継ぎある場合も)というルートが一般的かと思います。順調に行ってもだいたい7〜8時間の行程になります。
公共交通機関でアプローチしやすいと言われるレ・ザルクというスキー場の場合。
パリから最寄駅のブール・サン・モーリスまでは、途中1回乗り換えで最短5時間になります。
フランスの代表的なスキー場

フランスでスキーといえば有名なのは次のようなスキー場です。
- シャモニー・モンブラン
- ラ・プラーニュ
- レ・ザルク
- ティーニュ
- バルトレンズ
- クーシュバル
このなかで2つのエリアについてご紹介しますね。
シャモニー・モンブランエリア(Chamonix Mont-Blanc)

さきにご紹介したように、フランスのスキーリゾートといえばまず真っ先に名前が上がるのがシャモニー・モンブラン。
ヨーロッパ最高峰のモンブランの裾に開けるシャモニー谷を囲むようにしていくつものスキーゲレンデがあります。
初めての冬季オリンピック開催地としても有名ですよね。
モンブラン周辺の山々は、数々のクライマーを惹きつけてきた岩峰群。切り立った崖のような山容が連なります。
熟練のテクニックを必要とするコースも多いですが、初心者に優しいゲレンデも。
モンブランエリアの初心者に優しいスキー場
サンジェルべ・レ・バン(Saint-Gervais-les-Bains)からアクセスする「サンジェルべ(Saint-Gervais)」「メジェーブ(Megève)」のスキー場には、初心者が滑りやすい傾斜が緩くて幅の広いコースが多数あります。
家族連れも多く訪れ、いろいろなレベルのスキーヤーがそれぞれに楽しめるコース構成。
絶景を楽しむスキー場
せっかく冬のモンブランエリアに行くのなら、秀峰モンブランはもちろんのこと、絶景を楽しみたいですよね。
上記のサンジェルべでもアルプスの絶景は息を呑む美しさですが、シャモニーからアクセスするランデックス(L’Index)、ブレヴァン(Brévent)は特におすすめ!
ランデックスからはクライマー羨望の北壁グランドジョラスを望むことができます。
ブレヴァンからはシャモニー谷を挟んで正面にモンブランやエギュイ・ディ・ミディ。
山の絶景好きなら一度は訪れたい地ですよね。
レ・ザルク(Les Arc)

レ・ザルクを選ぶ理由は3つ。
一つ目は、パリやリヨンからの公共交通機関でのアクセスが抜群によいという点。
バカンスの長いフランス人は、自動車での長距離移動を苦にしない人が多いのです。家族や仲間たちと一緒にアパートやシャレーに滞在するため、自動車で一緒に移動した方が安上がりという理由も。
いっぽう、長距離運転は苦手という人もいますよね。フランスの高速道路での長時間運転をストレスに感じる場合もあるでしょう。
電車やバスで旅をしたい人にとって理想のスキー場は、レ・ザルク。
ここは、歴史の古いシャモニーとは違って、60年代以降に開発が進められたエリア。ゲレンデ周辺にアパートやホテル、スーパーやレストランがまとまって存在するので車がなくても大丈夫なのです。
二つ目は、標高の高いエリアにリゾートが形成されているため、オープン期間が長いという点です。
レ・ザルクのコースの70%が標高2,000m以上。そして北面に広がるコースが多いため自然雪が長い期間残るのです。
また、ヨーロッパ最大規模の貯水池を擁するレ・ザルクのスキーリゾートには、そこから人工雪を作る先端技術のスノーキャノン(人工雪を降らせる設備)が600機もあるそう。
三つ目は、オールマイティなスキー場であるという点です。
良質な雪にカバーされた広大なエリアに、あらゆるレベルのスキーヤー&ボーダーが楽しめるコースが組まれています。
ホテルやレンタルアパートから直接ゲレンデにアクセスし、リフトやケーブルを乗り継いで3,000m超まで上がってスリル満点な滑走も可能。
ゲレンデのベースに商業施設やプールやエステなどもあり、アフタースキーのアクティビティも充実!
まとめ
フランスでウィンタースポーツをするメリットは、なんといってもロングコースが多いこと。そして目の前に広がる絶景も大きなポイントです。
この冬は、アルプスやピレネーの山々を前に、思い切り滑ってみませんか。













