海外在住で子育て中です。
外国生まれの子供の日本語教育もがんばっています。
夏休みを利用して、日本の小学校に子供を体験入学させるには
どうすればいいのかな?
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
海外に住んでいると、日本への一時帰国がホント楽しみですよね!
せっかくの日本だから、子どもたちにも日本でしかできない体験をさせてあげたいもの。
この機会に、日本をもっと知って、日本語にも親しんで欲しい…。
日本の小学校に短期間通う「体験入学」を考えてみてはいかがでしょうか。
この記事では、
夏休みだけ子どもを日本の学校に通わせたいけど…
どんな手続きを、いつ頃から始めたらいいの?
注意点とかはあるの?
という疑問にお答えしていきます。
この記事を書いている管理人も、体験入学で子どもが毎年貴重な経験をさせていただいてきました。
すべて実体験に基づく情報です!
これから体験入学を考えたいという方の参考になればうれしいです。
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一時帰国の小学校体験入学とは?
夏休みなどを利用して、日本の学校に短期間通う「体験入学」。
毎年恒例の家族行事だというご家庭も多いようです。
どこの学校に通うの?
国際結婚や就職で海外に永住している場合、子どもの父親か母親の実家がある市町村の学校に通うケースがほどんどではないでしょうか。
親の母校の小学校へ、というのが定番かと思います。
また、日本に自宅のある駐在員家庭では、自宅の近くの小学校にお願いすることもあるようですね。
ただ、なかには日本の祖父母が高齢者住宅に入居したり、他界してしまって実家がないなどという場合もありますよね。
「実家がないからムリかな…」とあきらめてしまうかたもいるかもしれません。
でも、親類や友人宅を連絡先(滞在先)にお願いすれば、体験入学受け入れ可能になる場合もあるので、調べて見る価値はあると思います。
誰でも体験入学できるの?
これはケースバイケース。
日本に住民票がある場合は、住民登録してある自治体から「就学案内」がありますが、「海外転出届」を出している海外移住者の場合は
お願いして「体験として」通わせていただく
ことになります。
日本の公立学校には、体験入学という確立された制度はないということなんですね。
各自治体や学校単位での受け入れ判断になります。
地域によっては、海外からの体験入学をまったく受け入れないところもあるそうですよ。
日本の小学校の体験入学への手順
とても貴重な経験となる日本の小学校体験入学。手続きはどのようにすればよいのでしょうか。
体験入学の手続き、何から始める?
- 希望するエリアの学校が体験入学を受け入れているかを調べる
- 市区町村の担当部署に手続きの問い合わせをする
- 一時帰国の予定が決まったら、正式な申し込みをする
まずは、一時帰国の滞在先(実家など)のお役所に打診してみます。
市区町村の「学校教育課」とか「学務課」などが担当部署になるかと思います。
お友達や親戚の子で、希望先の学校や学区に通っているお子さんはいませんか?
もしいるなら、「海外からの一時受け入れをしているか」聞いてみるといいと思います。
すでに先例がある学校なら、話がかなりスムーズになるはず。
【 体験談 】
うちの場合、幼稚園の年中の時に最初の問い合わせをしました。
学校教育課と学校に問い合わせましたが、「ご遠慮願いたい」との回答。
そこで、地元で長年教員をしている従兄に相談。
従兄から教育委員会を経由して学校長に再度相談し、両親に学校に挨拶に行ってもらい、最終的に承諾を得ました。
当初は、受け入れに渋っていた学校でしたが、年を重ねるごとに柔軟な対応を申し出てくれるように…
「お友達と同じクラスにしましょうか?」
「通学班に入った方が楽しいよね?」
「修学旅行も一緒に行きましょうよ」
などなど、6年間、言葉ではいい尽くせないほど、本当によくしていただきました。
最初のコンタクト時に、やんわり断れたのには理由がありました。
うちの子がお願いする前の年、体験入学で学校側が困ることがあったそうです。
日本の学校のシステムに否定的な体験入学のお子さんがいて、クラスが揉め事に巻き込まれたとのこと。
体験入学はあくまでも「受け入れ校の善意」なので、感謝の気持ちを忘れないようにしようと思いましたね。
というわけで、まずは、受け入れの承認を得られるかどうかが一番のカギですね。
受け入れ申請はいつから始める?
- 体験入学の可否は、学齢期前に調べておく
- 体験入学受け入れOKなら、新年度に入ってから申し込む
- 体験入学開始は、1年生からがおすすめ
前項でご紹介したように、うちの場合は子どもが幼稚園のときから可能性を探りました。
普段から海外在住児童の体験入学を受け入れている学校なら、おそらく年度始め(4月)で大丈夫ではないでしょうか。
また、体験入学を始める年齢ですが、小学1年生からをおすすめします。
可能なら幼稚園から体験できるともっといいかと思います。
1年生から始める理由は、子どもがもっとも馴染みやすい時期だからです。
幼児期から日本語に親しんでいるお子さんなら、6歳はまだ母語である日本語が強い時期。
日本の小学校のクラスにいきなり入っても、なんとかやっていけます。
学年が上がるにしたがって、海外の現地語が強くなって来るんですよね。
その段階になっての体験入学は、子ども自身にとっても、受け入れ側にとっても負担が大きいんです。
慣れない日本語環境の小学校にいきなり行っても、子どもはなじめないもの。
子ども自身が、自分の日本語能力の限界を感じ始めると、「ゼッタイ行きたくない」となってしまいます。
そのため、「楽しい、うれしい」で参加できる1年生からが理想です。
日本の小学校を楽しむために
日本の小学校での体験入学、多くのお子さんは「楽しい!」といいます。
それでも、初めての学校、初めて会う先生やクラスメートに、子どもたちはきっとドキドキのはずですよね。
より楽しい思い出となるよう、そして日本語へのやる気アップにつながるよう、親が基礎固めをしておくといいと思います。
幼児期からの「慣らし」が大切
幼児期から日本の通信教育を続けていた我が家。
日本から送られてくる教材を見て、つくづく感心するのが、「飽きさせない工夫」。
子どもが思わず毎月の教材を心待ちにしてしまう仕組みがすごいです。
そして、
「小学生になるのが楽しみで楽しみで仕方ない!」
と思わせるカリキュラムもすごい。
おかげで、日本の小学校に行ける日を楽しみにするようになりました。
小さい時からの「慣らし」って大切だなと思います。
「日本の学校にぜったい行きたい!一年生になりたい!」
こんなふうに子どもが思えるのが理想的ですよね。
▼ 日本の幼児向け通信教育ベネッセの『こどもちゃれんじ』について、2歳から始めた体験をもとにレポートした記事はこちらからどうぞ!
赤ちゃん期から日本語を
おそらく、日系のご家庭では赤ちゃん期から日本語で話しかけるなど、言語にふれる機会を作っていらっしゃることと思います。
日本人親からは日本語でたくさん話しかけるようにしたいもの。
毎日の暮らしの中に、自然に日本語があふれている状態にできたらいいですよね。
現地の幼稚園に通うようになったら、ぜひスタートしたいのが「ひらがな」です。
ひらがな学習用のカードや、かるたなどで遊びながら覚えるといいかもしれません。
現地語 x 日本語のバイリガル育児のコツ
「ひらがなは学齢期前に!」
現地の小学校に入学すると、どうしても現地語の学習が優先になります。
その時期に、ひらがなを一緒に学ぶのはとても大変。
現地での小学校の勉強が始まる前に、ひらがなの読み書きを習ってしまうと、その後の日本語学習がスムーズに進みます。
ひらがなの読み書きができると、子どもの日本語ライフの幅がグンと広がりますよ!
日本の祖父母に手紙が書ける
絵本が自分で読める
マンガも読める
日本を好きになる仕掛けをしておく
日本のアニメやキャラクターは子どもたちに人気ですよね。
小さい時には、絵本やおもちゃ、テレビで日本に親しむ時間をたっぷり作るようにするといいですよ。
子ども向け番組は、親も一緒になって遊ぶことが大切。
日本の祖父母やいとこたちとも、できるだけたくさんの交流をもちましょう。
ビデオ通話で、海の向こうとも簡単につながることができますよね。
▼ 子どもがバイリンガルに育つためには、幼児期の学習環境が重要。日本語教育を早期に始める理由と、実際に国際結婚カップルのみなさんがされている工夫をご紹介した記事はこちらからどうぞ!
日本の小学校体験入学で準備するもの
日本の小学校への体験入学、準備するものもけっこうあります。
帰省してから購入するものもあれば、渡航時に持っていかなくてはいけないものもあるので、荷物も多くなりますよ。
また、学校によって、学年によって必要な準備品は変わってきます。
また、先生によっては「わざわざ持ってこなくても、予備を貸しますよ」とおっしゃってくださるケースも。
ここからは、体験入学で準備するものについてご案内します。
必ず必要なもの
体験入学するなら、必ず用意しなくてはいけないものが結構あります。
毎年サイズが変わる上履きなどは、ほんの数週間のために指定のものを購入しなくてはいけません。
必ず準備しなくてはいけないもの | |
通学用かばん | ランドセル、もしくはそれに代わるもの |
教科書 | 海外子女向けに政府から支給される教科書。体験入学先の使用するものと違っている場合は、学校と相談する |
筆記用具 | 日本の学校でしか使用しないものは、帰省したら購入が必要 |
ノート類 | 学校指定のもの |
上履き、体育館シューズ | 学校指定のもの |
体操服 | 短期間なので、学校指定以外でもOKのことが多い |
また、体験入学期間をカバーする「こども保険」の加入を指定されることもあります。
学年によって必要なもの
教科ごとに使う「お道具類」も、いろいろあります。
これらを見ていると、日本の小学校教育の守備範囲がとても多岐にわたっていることを実感しますね。
小さい時からいろんな分野を経験できる日本の学校はすごいと思います。
学年によって準備するもの | |
音楽の授業用 | カスタネット、ハーモニカ、鍵盤ハーモニカ、リコーダー |
図画工作の授業用 | 色鉛筆、クレヨン、絵の具セット |
家庭科の授業用 | 裁縫セット |
書写の授業用 | 書道セット |
滞在期間中、1〜2回だけしか使わないものもあったり、用意しても特別日課に変わったために全く使わなかった…ということもありました。
場合によっては、学校が貸し出してくれる場合もあるようです。
その他
生活指導もしてくれる日本の小学校。
「手洗い、うがい」などの指導から、給食を通した食育まで、欧米の学校では行われない内容です。
その他、準備するもの | |
ハンカチ、ティッシュ | 海外では子どもが持ち歩くことはあまりない |
通学帽、体育帽 | 体育時の赤白帽は購入が必要かも |
給食グッズ | ランチョンマット、箸セットなど |
衛生グッズ | マスク、歯ブラシセットなど |
体験入学前に気をつけたいこと
子ども自身が、日本の学校生活を楽しむことができるのが一番の重要事項。
でも、お世話になる先生方や、一緒に勉強する児童にも「あの子が来て楽しかったね!」と思って欲しいですよね。
次年度もみんなに歓迎してもらえる、そんな体験入学でありたいもの。
そのために体験入学の前に気をつけておくといいことが2つあります。
子供へのポジティブインプット
親にとって日本は自分の国ですが、海外で暮らす子どもにとっては「外国」。
体験入学は、いきなり外国に行って、時差もある中で「転校生」になるわけです。
最初はどんな子でも緊張するのではないでしょうか。
だから、親からは「日本の学校の楽しいこと」をいっぱい話してあげるといいと思います。
音楽の時間にどんな歌を歌うとか。
カスタネットはどうやって使うとか。
ラジオ体操をいっしょにやってみるとか。
体育の時間にはどんなことをするかとか。
子どもの夢をいっぱいに広げてあげるといいかもしれません!
日本の学校の注意点を教えておく
日本の学校で、子どもが戸惑いそうなことは、事前に説明して理解させておくといいと思います。
【 外履きと上履き 】
昇降口で靴を履き替えること
【 あいさつ 】
「おはようございます」「さようなら」「ありがとうございます」など、大きな声で言えるようにしておきたいですね。みんなから好印象を持たれたらうれしいですものね。
【 掃除の時間 】
日本の学校には掃除の時間があります。自分たちの学校は、自分たちできれいにするのが日本。「お掃除は、お掃除の人が来てしてくれるものでしょ?僕はやりたくない」なんて言わないように…。
【 給食 】
子どもたちが配膳して、教室で先生も一緒に食べる給食。この一連の流れも事前に説明しておきたいもの。
▼ 海外から見ると、日本の小学校は本当にすごいところがいっぱいあるんです。日本の小学校に体験入学した子供の視点からレポートします!
体験入学中に気をつけたいこと
子どもの体験入学期間中、親として気をつけておきたいこととは何でしょうか。
学校へは感謝の気持ちを
海外在住の子どもの体験入学は、あくまでも自治体や学校の善意での受け入れです。
短期間だけやって来る子どもを受け入れることは、学校の先生方や子どもたちに世話をかけることになるわけです。
特に担任の先生には、特にいろいろと負担をおかけすることになってしまうでしょう。
学校への感謝の気持ちを忘れずに!
連絡がすぐにつく体制を整えておく
体験入学の保護者は、クラスの普段の連絡網に入っていませんよね。
保護者同士はLINEなどで連絡を取り合ったりしますが、一時帰国の親たちは保護者同士の横のつながりもありません。
そのため、子どもが学校に行っている時間帯は、いつでもすぐに連絡がつく体制でいましょう。
学校から急な連絡があるかもしれないので…。
怪我や病気以外でも、特別時間割で下校時間が変更になるなどのお知らせが来ることもあります。
保護者の参加イベントには進んで出席
担任の先生から、保護者参加のイベントのお誘いを受けることがあるかもしれません。
子どもの授業の協力者として声がかかることもあります。
そんな時にはぜひ進んで参加することをお勧めします!
日本の教室で授業を受ける我が子の様子も見られるし、他の保護者と知り合う絶好の機会なので!
子どもに「仲良し」ができたら親同士連絡してみる
もし、子どもが特に仲良くしてもらっている友達ができたら、こちらからアプローチしてみるのもいいかもしれません。
短期間だけお世話になる体験入学では、クラスの他の保護者と知り合う機会はほとんどなし。
だから、「仲良し」ができたら、子どもにメッセージを渡してもらうなどして交流を図るのも一案です。
【 子どもの「日本の仲良し作り」を応援しよう! 】
体験入学期間中に気の合う友達ができたうちの子ども。
学校が夏休みに入ったあと、一緒にあそばせることができたら…と考えました。
お友達のママ宛に手紙を書いて、子ども経由で届けました。
会って話してみたら、相手のママと意気投合。
…以来、家族ぐるみでお付き合いしています。
▼ 海外で暮らす子どもたちが、 現地語同様に日本語も習得するのは、日々の努力の積み重ねが必要です。日本の小学校への体験入学については、次の記事でもメリットをご紹介しています!
まとめ
海外に暮らす子どもたちの日本語習得に、大きな効果をもたらす日本の小学校への体験入学。
この記事では、日本の小学校への体験入学の手順から注意点まで、主に次の内容でご紹介しました。
体験入学の手順
子どもが楽しめるためにしておく事前準備
用意が必要なもの
気をつけたいこと
短い期間でも、日本の学校で、同年代の子どもたちと一緒に学ぶことは、海外在住の子どもたちにとって代え難い経験です。
生きた日本語を学び、そして使うことは、子どもの日本語への自信につながるはず。
小学校の体験入学、ほんとうにおすすめです!