フランスへの移住を考えたいと思っています。
まだちょっと先の話だけど、日本人にとってフランス移住の良いところとそうでないところを知りたい!
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。フランスに住んでみたい!と思っていませんか?
最近、フランス移住を考えてみたいという人は意外に多いようです。日本の有名人のフランス移住の話も、昔からよく雑誌やネットで目にしますよね。
モードの都パリをはじめ、文化遺産が数多く点在し、またグルメを唸らせる食通の国フランス。
「卒業旅行がパリだった」
「新婚旅行で行った」
そんな人も少なくないでしょう。
では、住むのはどうなのか?
日本人にとって、フランスは住みやすい国なのでしょうか?
この記事では、旅行ではちょっと見えてこないフランスの住み心地について、
フランス生活の良いところ
フランス生活のデメリット
フランス生活に向いている人
の3つの項目について、在住者の視点でお届けします!
フランス生活、12の良いところ
本当をいうと、住み始めて数年は「フランス苦手だわ〜」と思っていた筆者。それまでに暮らしたことのある英語圏の国や、日本と比較しては文句を言っていたかもしれません。
もちろん今も日本は大好きですが、フランスも居心地がいい国だなあとつくづく思う今日この頃。
まずは、日本人から見た「フランス生活の良いところ」をご紹介します。
- 全体的におおらかな社会
- 個性を尊重する社会
- プライベート優先社会
- 気候が穏やかで暮らしやすい
- 自然災害が少ないので安心できる
- ゆとりある住まい
- 豊富な文化遺産にふれることができる
- ヨーロッパ各国が近く、旅が気軽に楽しめる
- 年齢差別を感じない社会
- 全体的に親日的
- 食を大切にする文化が日本人向き
- 社会保険が整備されている
ひとつずつ見ていきましょう。
▼ フランスの「普通」って日本とはやっぱり違う?フランスで暮らすと経験する「フランスならでは」のフランスあるあるをご紹介します。
全体的におおらかな社会
フランス社会というと、暴動が起きたり、年中ストで揉み合っていたり…というイメージがあるかもしれません。
確かに、「自分の主義主張」を大切にする人が多く、政治にも興味を持ち、議論も大好き。
でも、全体におおらかなんですよね。
いい感じでラテン。
すぐにカッとなりやすい人が多いけれど、パッと怒ってスッと冷める感じ。怒りをネチネチ溜め込まないというか。
あまり規則で人を締め付けないというか、どことなくアバウトでゆるい。
これはフランスの良いところの代表格でしょう。
個性を尊重する社会
フランス人は実際におしゃれです。
シンプルな服装をしていてもどこかセンスが光る、という人をよくみかけます。
だからといって外見だけを重視したりはしないんですよね。
「その人らしさ」で勝負するわけです。
脂肪が多少ついていても、そのために体型隠しの服なんか着ません。自分の好きな、自分らしい服を自由に切るのがフランス流。
おしゃれはフランスを語る上でのほんの一例ですが、フランスは、個性的であることを尊重する社会なんです。
みんなそれぞれ自分の個性をよくわかっていて、自分であることに心地よさを感じているよう。
プライベート優先社会
「仕事のためにプライベートを犠牲」になんかしないフランス人。
多くの人が、「プライベート」を大切にし、家族や家庭生活を最優先に考えるようですよ。
日本の場合、大都市で働くと、通勤時間も長いし辛いし、勤務時間も長い。そのため、少なくとも平日は仕事のために生きている状態になりがちじゃないですか。
フランス(というより欧米全体)だと、仕事もするけれど、それ以外の時間もしっかり取れる、というような働き方。
昼食時間に家に帰って食事をする人もいますし、子育て世代は週4日勤務や在宅勤務も多いですよ。
そして、土日休みはもちろんのこと、休暇もしっかり取って人生を楽しむわけです。
▼ 「とにかく休みが長い」と言われるフランス人。なぜ長く休めるのか、休みに一体何をするのか、フランス人のバカンスについてご紹介します。
▼ フランス人にとってバカンスはとても大切なリフレッシュ期間。バカンスをいつとるか、どこで何をして過ごすのかは彼らにとって重要事項。フランス人のバカンスでよく起きる「あるある」をご紹介します。
気候が穏やかで暮らしやすい
フランスに暮らす大きな利点が、気候。
夏は確かに猛暑日もあります。
一般家庭ではエアコンの普及率はまだまだ高くないですし、集合住宅ではそもそも取り付け自体不可というところも多いよう。
でも、日本ほどの湿度にならないため、上手に工夫すればなんとかなります。
早朝に涼しい空気を室内に取り込み、日中は日差しが入らないよう窓も雨戸も閉め切る…という方法で暑さがしのぎやすくなるんですね。
冬はさほど寒くならず、山間部をのぞけば交通がマヒするほどの大雪もそう頻繁には降りません。
「ヨーロッパは寒いでしょう?」とよく聞かれますが、室内は暖かくされているし、外も氷点下になる日は年々少なくなっているようです。
自然災害が少ないので安心できる
嵐が来て水害が起きる…というのは、雨が多い年にはよくあります。
それでも、大型台風が何度もやってきて、水害や土砂災害が頻繁に起きる最近の日本と比べたら「自然災害の恐怖にさらされることは少ない」と言ってもいいでしょう。
地震もほぼありません。
日本人の自分からすると、頻繁に自然災害の脅威を感じないですむのは安心なことだなあと思います。
ゆとりある住まい
フランスも日本に負けず住宅価格は決して安くありません。
パリの中心部など、今となっては庶民には手が出せないほどの高価格物件も。地方都市ですら、日本の同等の規模の都市より住宅価格は高いかも、と感じるくらいです。
それでも、フランスの住宅のほうが「ゆとりがある」よう。
どこのお宅を訪問させていただいても、ゆったりとしたリビングに広いキッチン、浴室も2箇所以上で…というところが多いです。
庭にプールを作るお宅も少なくありません。
豊富な文化遺産にふれることができる
フランスというと、歴史的建造物や美術品などを思い浮かべるかもしれませんよね。
ユネスコの世界遺産登録数では、フランスは世界第3位だそうです。
そう言われてみれば、自分の周りも趣のある古い建物が多く、旧市街など歩いているだけで「旅してるなあ」と感じます。
歴史ある宗教建築や、お城などもあちこちに。
また、ルーブル美術館やオルセー美術館に代表される世界的に有名な美術館や博物館も多いフランス。教科書に載っているような優れた美術品の本物も間近で見ることができます。
ヨーロッパ各国が近く、旅が気軽に楽しめる
フランスを起点にすると、ヨーロッパの多くの国が「車で行ける」範囲なんですよね。
航空機を利用したとしても、1〜3時間程度で行ける国がいっぱい。
海を渡るイギリスでも、フランス側のカレーからイギリス側のドーバーまではフェリーで1時間半という近さ。
風光明媚で観光名所満載のイタリアやスペインは「となり」なので、普通に車で行く範囲なんです。
いわゆる外国旅行が気軽に楽しめるのは、フランス生活の良いところの一つですね。
年齢差別を感じない社会
フランスで年齢を重ねていきながら感じることは、「若くなくても心地よく生きられる社会」だということ。
移住したての頃、ちょっと驚いたのはファッションのエイジレス。
若者向けプチプラショップでも、上品な老婦人が普通にお買い物している光景にびっくりしました。
日本では服や小物にはっきりとした「コンセプトエイジ」というのがありますよね。
近年ぐんと広がったプチプライスのお店では、さまざまな年齢層の人たちが買い物をしていますが、百貨店やファッションビルにあるお店では「似たような年齢層の人ばかり」を見かけるでしょう?
若者向けのお店に入るのは勇気が入ります。
でもフランスでは「自分は年齢的に合わないから…」なんて感じる必要がない。
自分が似合うと思うファッションをすればよく、高齢者でもノースリーブにミニスカートをはく社会です。
そして、いくつになっても恋愛現役な人がいっぱい。
フランスは年齢差別(エイジズム)を感じない社会だと言えます。
全体的に親日的
日本が大好き、というフランス人は本当に多いですよ。
「日本に行ったことがある、とてもよかった、また行きたい」
「日本に行くのが夢」
「マンガがとにかく好き。将来日本に住みたい」
こんな話をよく聞きます。身近にも、日本に親近感を抱いている人が何人もいます。
そして和食レストランや和食材店はいつでも本当に大賑わい。
ちょっと昔なら、「天ぷらと寿司」くらいの範疇だったフランスの日本食ブームも、ラーメンからうどんに広がり、おにぎりや和スイーツに浸透してきています。
スーパーにお寿司のテイクアウトコーナーがある、といったらその人気ぶりが伝わるでしょうか。
多くのマンガのフランス版も出版されていますし、日本映画もひんぱんに上演されていますよ。
「日本」と聞いて、「敵だった(第二次世界大戦)」というイギリス人とは対照的で、フランス人は全体的に親日的な感じがします。
食を大切にする文化が日本人向き
フランス人と日本人の共通点の一つが「食」。
美味しいものを追求する情熱が似ていると思います。
食べることを大切にし、そして楽しむ、という点では他のヨーロッパ諸国と比べても抜きん出ているフランス。
だからこそ数々の有名レストランが生まれてきたんだと思います。
温暖な気候と肥沃な大地に恵まれた農業国フランスには、「逸品」と言われる食材がたくさん。肉類や加工肉、チーズやバターなどの乳製品、そしてワイン。
よい食材があるからよい料理が生まれ、それを楽しむ人々が集うんですよね。
週末や休暇には、家族や親戚や友達と、ゆっくり時間をかけて食事とお酒を楽しむフランス人たち。
食を大切にする文化は日本と通ずるものがあるので、日本人には住みやすい国だと言えるでしょう。
社会保険が整備されている
フランスも日本と同じように国民皆保険で、社会保険システムが整備されています。
医療機関の受診データや予防接種記録、検査データなどがデータ管理され、被保険者証として発行されるのは「カルトヴィタル」と呼ばれる写真付き健康保険証。医療機関を受診するときは、この保険証を提示します。
まずは「主治医」を登録し、医療機関を受診したい際には主治医の診察を受けたあと、必要の応じて専門医に行くというシステムが一般的。
直接専門医にかかることもできますが、社会保険でカバーされる金額が少なくなります。
▼ 意外と似ている点も多いフランスと日本。詳しくはこちらの記事をどうぞ!
フランス生活、8つのデメリット
ここからはフランス生活の「困る」点についてご紹介していきましょう。
おおざっぱにくくってしまうと、フランスでは日本のような「痒い所に手が届く親切なサービス」は期待できません。
なんでも便利に揃う日本の感覚のままフランスに来てしまうと、最初は戸惑うことやガッカリすることがあるかも。
「フランスの悪いところ」とまでは言えませんが、ちょっと困ってしまうところは次の8つです。
- フランス語を習得する必要がある
- 社会インフラと感覚が日本とは違う
- ストやデモが多い
- 治安が良くないエリアも多い
- 日本から遠い
- 学歴格差社会
- 時間や約束にルーズ
- 医療アクセスがちょっと面倒
こちらも、ひとつずつ見ていきましょう。
フランス語を習得する必要がある
当たり前のことなのですが、フランスで暮らすにはフランス語が必須です。
でもこの当たり前が意外とびっくりポイントだったりするんですよね。
「英語ができればなんとかなるのでは?」と思っていませんか?
実は私がそうでした。
「フランス語の単語は英語と同じだったり似ていたりするものがあるし、文法も日本語と比べれば英語に近いよね〜」なんて甘く見ていましたが、そんなに簡単な話ではなく…。
大人になってからの語学習得がこんなに難しいとは思っておらずに苦戦しました(今も苦戦中ですが)。
フランスに住むなら、フランス語ができないとかなり困りますよ。
社会インフラと常識への感覚の違い
自分の話なのですが、過去に英語圏3カ国に暮らした経験があるので、フランス移住も「楽勝でしょう」と思っていました。
ところが、フランスでは「え?なんで?どうしてこうなるの?」ということにたびたび遭遇し、その都度モヤモヤしてきました。
公共交通がいまいち
まず公共交通機関がよく遅延したり、ルート変更したりで不便だということ。
フランス国鉄の長距離列車ではマイナーな故障に何度か遭遇しました。真冬に「ヒーター故障しています」といわれ、震えながら数時間を過ごしたことも。
生活に「便利さ」が不足している
個人が気軽に使える宅配便も存在しないので、そこは日本と比べると大いに不便です(郵便局や、DHLなどの集荷センターまで持っていくと送れます)。
なぜフランスには、あの便利な日本のような宅配サービスやコンビニエンスストアが登場しないのかな?と考えてみたことがなん度もあります。
行き着く答えは、「必要と思われていないから」「そこまできめ細やかなサービスに従事したがる人がいないから」。
日曜日は一部を除いて商店は休みなのですが、これも不便ですよね。
でも、フランス人の義母曰く「日曜日に誰かを働かせようなんてありえない。その考えはひどすぎる」そうです。
トイレが少ない(でも誰も問題視していない)
そして個人的に一番困っているのが、公共のトイレが異常に少ないという点です。
フランスの人って、本当にトイレにあまりいかないんですよね。そのためなのか、一度個室に入ると長い長い。
個人宅におよばれなどという場合、まず滅多に他人のお宅でトイレをお借りする人はいません。
あまり公共の場でトイレに行かないから絶対数が少ないのか、絶対数が少ないから行かないで済むようにコントロールしているのか?何年暮らしてもその辺はよくわかりません。
公衆トイレというのが、街中に点在してはいますが、けっこうな頻度で「故障中」。デパートやショッピングモールのトイレも数が少なく、故障が多いです。
週末に田舎道をドライブ、などというときはトイレ難民になることを覚悟しないといけない感じです。
▼ フランス生活を経験した日本人の多くが指摘する、フランスのトイレの不便さ。フランスのトイレの何が問題なのか、フランス人にとってはどうなのか詳しくはこちらから!
ストやデモが多い
政治に物申さずにはいられないフランス人。
黙って泣き寝入りなんて絶対したくない彼らは、よくストもデモも行います。
大きな制度改革があるときなどは、何ヶ月もの間繰り返し繰り返し「政策反対デモ」が行われることも。
そして、季節の風物詩とも言える「長期休暇前のスト」。
10月後半からの「諸聖人の日」休暇やクリスマス休暇の初日にぶつけてくる交通機関のストライキは、人々の悩みの種でもあります。
デモの騒ぎに混じって破壊行動をする人たちもいて、警察が出動する事態も頻繁に起こっています。
治安が良くないエリアも多い
フランス、全土が「文化遺産に恵まれた美しい街」というわけではありません。
当然ながら治安に問題のあるエリアも多数存在します。
首都パリはいうまでもなく、いろいろな人々が集う大都市やそれを取り巻く郊外にも、暴力行為や犯罪が日常茶飯事になっているようなところも。
事前によく地理を理解していないと、治安が良くないエリアに足を踏み入れてトラブルに巻き込まれかねないのが怖いですよね。
日本から遠い
コロナ禍や戦乱で、最近ますます日本は遠い国になりつつあります。
フランスと日本、直行便でも現在13〜15時間。
これが、フランスの地方から出発して、日本でもまた地方へ移動となるとドアツードアで20時間以上になります。
いくらIT技術が進んで、ビデオ通話まで可能になったと言っても、実際にその場に行くのとは大違い。
日本の友達とも家族とも距離が大きく離れてしまいます。
親の病気などで頻繁に帰りたいとき、距離が遠いのと航空券代が高いのとで思うように動けないのがジレンマ。
そして一番困るのは、いざという時に間に合わないこと。
海外移住する上で覚悟すべきとはいえ、やはりつらいことですよね。
学歴格差社会
フランスの国のスローガンは「自由・平等・博愛」ですが、こと学歴に関しては格差社会。
ごく一部のエリートは、その高等教育スタート時点からエリート組なんです。
たとえば、企業の上級管理職に就ける確率は、高校卒業後にどのような教育機関に進んだかで決まってしまいます。
途中から「ちょこちょこっと資格の勉強して」キャリアチェンジというのが難しいフランス。
ですので、フランスの教育システムを通っていない外国人が、途中からハイキャリアの仕事を見つけるのは至難の業と言えるでしょう。
時間や約束にルーズ
フランス社会はおおらかだ、と言いましたが、逆に言えば「ルーズが許される」社会でもあります。
時間や約束にルーズな人がたくさん。
例えば、ボイラーが故障して修理業者を頼むとしますよね。修理の日時を決めるわけですが、これが約束通りに来てくれないことがよくあります。
待ちぼうけをくった、というのはよく聞く話。
修理や配達は、遅れてくるのは普通ですが、割とちゃんと来てくれます。が、例えば新規で何か業者を家に呼んだときなどは、待てど暮らせど来ないし連絡もないことも。
面白いのは、個人宅をお訪ねするときは「必ず約束の時間より遅れていく」ことがマナーとされていること。
時間前に到着するのはもってのほかで、だいたい15分から30分くらい遅れていくのが良しとされています。
ただ、医療機関や学校では、遅刻は御法度です。
医療アクセスがちょっと面倒
日本では、医療機関を受診したいとき、自由に選ぶことができますよね。
事前の予約が必要な場合もありますが、自分がかかりたい医療機関や医師を選ぶことができます。
フランスでは「主治医」を登録し、その主治医が出す処方箋を持って検査センターや専門医へ行くという流れ。
体調不良だなというときは、まず主治医の診察予約を撮るところから始まるのですが、即日診てもらえることはまれです。
数日後から翌週の診察になることも多く、「予約日までに治ってしまった」ということも。
また、専門医の予約はなかなか取れず、数ヶ月待ちということもザラにあります。眼科や皮膚科で6ヶ月ほど、歯科医で3ヶ月。
先日予約した耳鼻咽喉科は、一番早い先生で6ヶ月、評判のいい先生だと1年待ちでした。
処方箋を手に検査センターに行き、その結果を持って再び主治医を訪れ、そこから専門医に…と医療機関受診の旅が続くのです。
▼ フランスで生活する上で知っておきたいことの一つ、医療と健康。医療アクセスが日本とは違うフランスではどうすればいい?
▼ フランス生活で多くの日本人が苦労することのひとつが言葉の壁。フランス生活の大変さを「楽しみかた」と一緒にご紹介します!
フランス移住に向いている人
フランス生活の良いところとそうでないところにふれたあと、ここからはフランス移住に向いているのはどんな人なのか?についてご案内したいと思います。
- フランスやフランス語が好きな人
- 柔軟な考え方ができる人
- 自分をしっかり持っていて芯も気も強い人
- 社交的で行動力のある人
- 胃腸の丈夫な人
またひとつずつ見ていきましょう。
フランスやフランス語が好きな人
フランス上陸以来、フランス語の摩訶不思議に翻弄されてきて痛感するのが、
「好きこそ物の上手なれ」
です。
フランス生活に向いているのは、まずフランスが大好きという人。そして、フランス語が「好きな」人です。
フランス語は決して上級である必要はないと思います。言葉の響きが好きとか、そんな感じで十分!
好きというポジティブな気持ちがあれば、きっと言葉は時間と共に上達していくでしょう。
柔軟な考え方ができる人
フランスはおおらかで、ちょっとルーズな面もある社会。
いちいち「これは常識と違う」「こんなの受け入れられない!」とカリカリしていると身がもたないんです。
直情的ですぐにカッとなりやすい人が多いフランスですが、パッと怒りを示した後はスッと落ち着いて平和的になっちゃう。
婉曲表現とか、必要以上に下手になんか出ない人々なので、いちいち気にしていたら疲れるだけ。
自分の価値観とは違うな、と思っても「そういう文化なんだな」と受け入れられるとラクに過ごせると思います。
自分をしっかり持っていて芯も気も強い人
海外生活を楽しめるのは、どの国であっても一本筋が通っている人でしょう。
「文句を言ってなんぼ」のフランスで暮らすのは、気の弱い人には向かないと思います。
遠慮なくグイグイ行けるくらいの気の強さと、ちょっとやそっとでは挫けない芯の強さも必要。
自己主張を美徳とするフランス。他人に遠慮していると、「弱い人なんだな」と相手にしてもらえなくなりそうですよ。
謙遜なんていう考えはなくて、下に見られるだけです。
ポジティブに自分を捉え、いうべきことははっきり言える、そんな人がフランス向き。
社交的で行動力のある人
フランスに住んで初めて実感したことのひとつに、「フランス人とはつくづくラテン民族」だということがあります。
イギリスやドイツとの距離感が近いため、なんとなく北ヨーロッパに近い感じかなと思っていたのですが、全然違うんですよね。
とっても享楽的。
人生は楽しまなくては損、というのがフランス人。
その中で生きていくには、積極的に人と関わり、そして積極的に動けるタイプの人が向いていると言えます。
胃腸の丈夫な人
最後に、胃腸の丈夫な人はフランス向きです!
夜の食事が遅めなフランス、週末や休暇やイベントなどはさらに遅くヘビーな食事になりがち。
8時から食前酒、9時から食事、11時にチーズやデザート…と、こんな感じです。
普段の食事はヘルシーで質素とはいえ、赤身肉や乳製品、小麦粉をふんだんに摂取する食生活は、日本人には長期では辛いことも。
つくづく「胃が丈夫じゃないとフランス辛い」と思います。
▼ フランス生活に向いている人、向いていない人とはどんなタイプなのでしょうか?
まとめ
「ちょっと最初は取っ付きにくいけれど、親しくなったらすごく気が合った…」
親しい友達との出会いを後から振り返ると、よくあるのがこういうパターン。
フランスという国に対しても、実は同じように感じます。
短期間ではなかなかわからないけれど、住み続けていると居心地が良い国フランス。
移住にはいろいろなパターンがありますが、機会があったら長期で滞在してみてはいかがでしょうか。