外国人の人たちって、何気なくさりげなくのおしゃべりが上手だと思いませんか?
例えばこんなシチュエーション。
街に買い物に出かけたら、バスが渋滞と事故で大幅に遅延。バス停には、なかなか来ないバスを待つ人があふれています。隣に並んでいたご婦人と目が合い、おたがいにっこり。
「まったくしょっちゅう渋滞するわよねえ。どこで事故なんでしょうね」
「そういえば、大通りの道路工事、ずいぶん長い事やってますよね」
バスを待つ間の時間、その場に居合わせたもの同士の小さな会話。
さらに職場のシチュエーション。
職場の休憩室で、ときどき会議で一緒になる同僚と会いました。
「おはよう。このあいだの会議はお疲れ様! 今日はすごくいい天気だね」
「ほんと。昨日までは毎日雨だったのにね。週末はどうなのかな」
「今朝のニュースだと、どうやらまた雨らしいよ」
あまりよくお互いを知らない。だから、なんてことはない、天気の話。
こんなたわいのない、ちょっとした会話を交わす人たちの姿が、欧米ではよく見られます。買い物をしてお金を払ったら、なにかしら会話をしていかないと、という姿勢さえ見られます。
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
今回は、ちょっとした会話についてのお話です。
目次
英語のスモールトークって何?
あたりさわりのない小さな会話をスモールトーク(small talk)と言います。
日本語でも、ご近所さんや同僚などと会った時、ちょっと会話を交わしたりしますよね。お天気の話とか、共通のイベントとか。
英語でも、同じようにちょっとした社交のための軽い会話をよくします。英語、というより欧米の方がスモールトークの機会は多いような気がします。
昔読んだ、海外生活を紹介したエッセイの中にも、この手の話題はあったような気がするのですが、「欧米の人の社交上手」、みたいな話。
英国好きな筆者は、イギリス関係のエッセイはたくさん読みました。
その中でよく紹介されるイギリス人の社交上手ぶり。街ですれ違う全くの他人とも、お互いにニッコリしあったり、こんにちはのあいさつを交わしたり。
これは実際に体験すると、本当に気持ちの良いものです。
。。。一説には、ヨーロッパの場合、敵国と隣接しているために「お互いに敵じゃないよ」アピールのために、まずにこっと互いに微笑み合う、とのこと。確かに、長年領地を取ったり取られたりしてきた人たちなので、「敵じゃない」アピールは説得力があります。
で、こんにちはのニッコリのあと、差し障りのない会話の出番。スモールトークです。
スモールトークって誰とするもの?
基本、スモールトークの相手は、すごーーく親しい人とではなく、全く知らない人とか、あまりよく知らない人です。
- お店の人。
- タクシーの運転手。
- (それほどよく知らない)近所の人。
- 同僚。
- 公園で犬の散歩をさせていた人。
- 外部セミナーなどで偶然席が隣になった人。
- 居酒屋のマスター。
- etc., etc.,…
スモールトークはどんな時にする?
ちょっと時間が空いたとき。
例えば、スーパーのレジ待ちの時間、前に並んでいた人と目があってお互いにニコッ。
「今日はまたすごく混んでますよね。。。」
「みなさん、バケーション明けで街に戻ったばかりからかしらね。」
「ああ、だから道がすごく混んでいるんですねーー。」
「あわてて新学期の買い物しているのよ」
という感じ。
手持ち無沙汰なとき、やはり身近にいる手持ち無沙汰そうな人と。
会社から送られた外部セミナーで、周りは知らない人ばかり。セミナー開始まで10分、すごく手持ち無沙汰。
お隣の席には同世代の男性。ふと目があって、お互いにニコッ。
「こんないいお天気の日に、1日室内にカンヅメなんてツイてないですよね」
「ほんと、そうですよね。週末は雨だったのに」
「今日のセミナーは会社からですか?」
「いえ、フリーで仕事しているので、自費ですよ、自費」
「へえ、どんなお仕事か聞いてもいいですか?」
こんな感じ。
(ドラマだとこの後、また偶然に会う事が重なって、恋をしたりする。。。)
顔見知りの人と、その日最初に会ったとき。
コーヒーブレイクに自動販売機の前で、他部署の同僚と会いました。
「おはようございます」
「おはようございます。今日も朝からめちゃくちゃ暑いですよねー」
「ほんとにね。通勤するだけでサウナ状態よね」
「来週いっぱいまで猛暑が続くらしいですよーーー」
てな具合です。でも、そのあと同じ同僚と廊下ですれ違った時は、会釈する程度だったりします(毎回顔を会わせるたびにスモールトークしてたら仕事にならないし。。。)。
スモールトークって、どんなことを話すの?
差し障りのないことを話す
いちばんよくあるのは、天気の話題でしょうか。暑いとか寒いとか、雪が降りそうだの、夕立がありそうだの、そういった当たり障りのない話題。
顔見知りの人だったり、毎日会社で会う同僚などとは、お互いにヘビーにならない程度の「安全な」共通の話題を話します(ごく親しい人以外は、どこでどう誰とつながっているかわからないので、あまりプライベートな話は基本的にはしないでしょう)。
触れてはいけない話題
要注意なのは、政治の話や宗教の話、人権の話などですね。また、そこにいない人物の話題は、やはり避ける方が賢明というのは世界共通です。
安全な話題とは?
安全な話題とは、時事ニュース(宗教・政治がからまないもの)、スポーツ、芸能などでしょうか。
北米、アメリカ&カナダで仕事をしていた時の職場やオフィスビル内(エレベーターやカフェテリア)でのスモールトークによく登場していた話題は、スポーツでした。
オリンピック時期には、オリンピック。サッカーワールドカップの開催時期が近づくとサッカー。冬はアイスホッケー。
芸能、といっても欧米のスモールトークのネタは、日本のように芸能人ゴシップだらけ、というわけではなく映画やミュージシャン。人によってはその時々のコンサート情報など話していましたね。
シーズンものもあります。夏が近づくと、夏の休暇の過ごし方。10月後半からは感謝祭。それが終わるともちろん話題の中心はクリスマス、です。
職場でも、既婚者の女性たちはクリスマスの準備の多忙さを嘆き合ったりして。
まとめ
日本人の自分からすると、欧米の人は本当に気軽なスモールトークが上手だなあと思います。
ニコッと微笑んで、さくっと会話。(ときに、長すぎる会話時間)
個人主義が徹底されているからこそ、社交も上手なのかなあなどといつも感じます。話題の引き出しが多い、のかもしれませんよね。
見習いたいものです。。。
次の記事では実際にどんな風にスモールトークをするのか、例文を見ながらご説明しますね!(→「【初心者のための役立つ英語】スモールトークで英語を楽しもう!」)