イギリスと言えば、美しい田園や歴史的建造物など見どころがたくさんです。その一方で、世界共通認識として食事が美味しくない!という意見が多いですよね。
でも、実際にイギリスを旅行したり住んでみた人がこぼす「イギリス困ったネタ」の最たるものが、実は「お風呂」!
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
イギリスは、今も昔も私たち日本人にとって「憧れの旅行先」の一つであり、「住んでみたい」外国の一つ。イギリス大好き!という日本人も少なくないと思います。
その一方で、雨が多くて暗いとか、食事がまずいとか、なにかと「マイナス点」をあげられることも多いイギリス。
この記事では、日本人がイギリスで苦労しがちなお風呂事情をご紹介したいと思います。旅立つ前にご一読いただけるとうれしいです。
目次
日本人がイギリスで一番苦労すること
日本人がイギリスでびっくりすることの一つが、お風呂と入浴文化です。
でもお風呂の話の前に、日本人がイギリスで苦労しがちなことをあげてみたいと思います。
1. 食事が質素かつ美味しくない
イギリスといえば、世界中の人たちの間の共通認識が「食事が美味しくない」ということではないでしょうか。
確かに、味が足りなかったり、調理しすぎていたり、レストランで食べる食事に不満を感じる人は多いようです。(これは、近年大幅に進歩しています。食事が美味しくなってます!)
2. 英語がイギリス英語
イギリスと言えば、英語の本場。
なのに、アメリカ英語を学習する機会の多い日本人にとっては、イギリスの英語はわかりにくかったりします。慣れないイギリス式発音と語彙に、聞き取れないというケースが多いです。
3. いつも天気が悪い
イギリスと言えば、しとしと降る雨。冬場の日の短さ。
「旅行中ずっと天気が悪かった。。。」なんてこぼす人も。夏でも、天気によっては寒さを感じるほど冷えることもあります。
4. お風呂・シャワーが快適でない
そして、イギリスで小さなホテルやB&B(ベッドアンドブレックファースト)に泊まったり、一般のアパートや住宅に暮らしたことのある人が頭を抱えるのが、お風呂です。
とにかく、使いづらいの一言!
イギリスお風呂事情
さて、イギリスのお風呂。というより、入浴文化。なにがそんなに困るのか、具体的に経験談からご紹介しましょう。
イギリス渡航の心配事はお風呂
ユニットバスというお風呂は、珍しくもなんともなくなった昨今。バスタブとシャワーが一体化した浴室の使い方も、ご存知のかたが多いでしょう。
海外旅行でのホテルの浴室の使い方も、ユニットバスと同様ですよね。
でも、一歩ディープなイギリスに踏み込むと「え?」というようなお風呂に出くわすことでしょう。
ずーっと昔、学生としてイギリスに行くことが決まった時、かなり不安に思ったのがお風呂でした。
イギリスではシャワーやお風呂に苦労する
当時、すでに出版されていたイギリス生活に関する書籍は、今ほどは多くありませんでしたが、その中で語られていた「日本人にとってイギリス生活で辛いこと」の代表が入浴文化。
「下宿の場合は週1回しかシャワーを使わせてもらえなかった」
「シャワーをしていると途中でお湯が無くなり冷水になる」
「お風呂に入ろうとすると、ちょろちょろとひなた水しかでない」
「浴室にはバスタブのみでシャワーなし。洗い場もない。どうやって洗えば良いの?」
日本で生まれ育って、毎晩お風呂に入り、髪や体を洗ってきれいになってから寝る、というのが習慣だったので、イギリスのお風呂事情にはとても不安でした。
イギリス旅行でも最大の難関の一つが「入浴」だった
語学学校に通うための渡英の前年、友人と数週間かけてイギリスを回りました。
言葉も不自由な二人の、旅の最大の難関中の難関といえば、毎日の宿泊先の手配。それと、ほぼ同時に、友人と二人いつも苦労したのが入浴。二人とも、やはり毎日洗いたいタイプ。
滞在費を切り詰めていたので、宿泊はいつもトイレ・シャワー共同の B&B(ベッド&ブレックファースト)。一般的に、民間人が自宅の空室を貸している B&B が最も安いので、われらはだいたいこのタイプ。
当然、シャワー(浴室)は、宿泊客何人かで譲り合って使うことになるのですが、問題はお湯の供給量。小さな B&B では、お湯のタンクも一般の民家同様なため、シャワー一回分でお湯がほとんどなくなってしまうんですね。
自分より前にだれかがシャワーを浴びてしまうと、次に温水が十分にたまるまで時間がかかり、シャワーの途中からお湯がなくなって冷水になってしまいます。
だから、二人旅のわたしたちは、1日ごとに「先攻・後攻」を決めていました。「後攻」の日は「水シャワー」のリスク付き。寒い時期だったので、これは憂鬱でした。
暮らしてみたイギリスのお風呂事情
旅行で大変な思いをしたので、ホームステイで滞在する一般家庭ではもっとお風呂事情は悪いかも、とかなり心配でした。
ホームステイ時の「入浴」
語学学校に通った最初の半年は、ホームステイでした。
恵まれた環境、でもお風呂はシビア
海岸近くの素敵なヴィクトリアスタイルのマンションで暮らすステイ先のご夫妻は、引退した元パブ経営者。二人とも陽気で親切で料理が上手という、イギリスのホームステイには稀に見るラッキーな環境でした。
でも、ここでもやはり「風呂問題」はシビアな挑戦。
さまざまな情報から、イギリスでは留学生はみんな「お風呂」と「食事」には苦労する、と聞いていました。そこで、到着後に家の中を案内してもらったときに「できれば毎日入浴したいこと」をできるだけ謙虚に伝えました。
「あまりお湯を使いすぎないならOK」とのこと。
なお、家族と時間がかぶってお湯がなくなったりしないよう、学校の授業が終わって夕食の前16時にシャワーをするという約束ができました。
他の留学生たちの話を聞いていると、うちはかなり恵まれた環境だったようです。
実際も本当にシビア
それでも、ランドレディ(ホームステイ先のおばさん)が昼にお風呂を使った後など、シャワー途中で水になったり。
温水タンク自体が小さくて、せいぜい10分のシャワーが限度のようでした。
普段は親切でも、お湯の使用量にはとても厳しかったです。使いすぎると嫌味を言われたり、イギリスのお風呂にはあまりよい思い出はありません。
なぜ入浴に制限がつけられるのか
① 給湯タンクの容量が少ない
先に書いた通り、一般家庭に設置されている給湯器のタンクの容量が小さくて、給湯にもある程度の時間が掛かるケースが多いという理由から、お湯をたっぷり使い放題にはできないんですね。
② もともと毎日入浴する習慣がない
そもそも、かつては入浴といえば週に1回程度、ぬるめのお湯をバスタブに張って入り、その中で石鹸で体を洗い、そのまま洗い流さずにタオルで体を拭いて出る、というスタイルが主流だったようです。
だから、浴室の床にはじゅうたんが敷いてあって、そこにつくねんとバスタブが置かれている、なんて感じでした。水栓も、温水・冷水別々。
このタイプの浴室で髪を洗い、体を洗うのって、結構テクニックがいるんですよ。
③ 経済的理由
また、「水がもったいない」「給湯器のガス代(電気代)が高いから」との理由で、毎日のシャワーを許可してもらえないケースもありました。
それでも若い世代は、古い世代に文句を言われつつも、なんとかかんとか「毎日シャワー」を敢行しているようでした。
現在でも「毎日はシャワーを浴びない」人たちも少なくないようですよ。空気が乾燥しているから、毎日洗わなくても不快じゃないのかもしれませんね。
アパート生活での「入浴」
イギリスでの学生生活の後半は、シェアフラット(アパート)生活でした。
4寝室のフラットを4人でシェア。トイレと浴室は1つだったんですが、学生は一人だったので時間をずらしてシャワーをすることで、ほとんど問題はありませんでした。
ただ、やはり温水タンクの容量は「イギリスサイズ」。誰かがシャワーしたあとだと、少なくとも1時間はまたないとダメでした。かなり不便でしたね。
まとめ
イギリスを旅したり、イギリスに暮らしたりする日本人が直面するさまざまな、イギリスらしい「苦労」。食事や言葉、気候や習慣など戸惑うことは多いものですが、それも「イギリスらしさ」のひとつ。
ただ、いくらイギリスらしいと言っても、どうやってもそのイギリスらしさを楽しめないものもあります。日本人にとっては、それが、お風呂ではないでしょうか。
日本人がイギリスで一番苦労するであろう「入浴」について、かの国のお風呂事情をご紹介しました。これからイギリス生活をされる方の参考になればうれしいです。
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