こんにちは、元外資系マーケターのまのん(@ManonYoshino)です。
外資系企業で働いてみたいなあとお考えのかたへ。
日本企業の地味なオフィスより、外資系企業のオフィスはずっと働きやすそう、そう思っていませんか?
この記事では、日本に事業所を構える外資系企業のオフィスでよくありがちなことをご紹介しています。今回は特に、外資系企業の社員の日常によくあることです。
外資系専門の人材紹介コンサルタント、英語圏での4年の海外勤務を経て、東京都内外資系企業で長年勤務した筆者が、現場で見続けた実体験です。
★外資系企業で働くってどんな感じ?知りたい方はこちら★
目次
笑える?外資系企業の日常あるある」
外資系企業にありがちな、いわゆる「あるある」にも組織面でのもの、社員の日常に関するもの、キャリア形成に関するものなどがあります。
と、いうと堅いイメージになってしまいますね。でも、この記事の「外資系企業日常あるある」には、世間一般の外資系企業へのイメージとは違った、地味でちょっと笑えるようなエピソードも。
さっそく会社員としての毎日は一般的にどんな感じなのか、詳しくみていきたいと思います。
- 外資系企業の組織面での「あるある」⇨「【外資系企業の組織あるある】転職前に知りたい社内の内側6つのこと」でご説明しています。
- キャリア形成や福利厚生に関する「あるある」⇨「【外資系でキャリアアップ!】転職するなら女性が活躍できる企業を選ぼう」でご説明しています。
外資系企業の日々の「あるある」
ゆとりあるワークスペース、エレガントな家具に囲まれたオフィス。個人のプライベートが重視されて休暇も取りやすい。
そんなイメージで語られる外資系企業。ここからご紹介するエピソードは、イメージを若干くつがえすかもしれません。
1. 実は優雅ではない!
なぜか「外資系=ゆとり」のように思われがちですが、そんなことはありません。
筆者の知る限り、いくら外資系企業といっても、ゆとりある時間で優雅に働いているわけではないですよ。少なくとも日本人スタッフは、日本的労働時間です。
長時間労働は当たり前です。完全年俸制なら、もちろん時間外手当や休日手当もでません。すべては自己裁量で、「やらなくてはいけないことを全てやる」必要があります。
例えば、金曜日まで普通に仕事して、土曜日の朝、空港に移動し午後のフライトでアメリカ本社へ。1週間現地で仕事して、日曜日の午後に日本帰着し、月曜日から何事もなかったように日本のオフィスへ出社、金曜日まで通常どおりに勤務。この場合、合計19日間休みなし、ですね。
週末出社して仕事を終わらせている人も珍しくなく、家に持ち帰って仕事をする人も多いですよ。
2. 外資系なのに日本語しか使わない
「え?そうなの」と思われるかもしれませんが、よくある話なんですよ。
英語などの外国語を活かした仕事をしたくて外資系企業を希望する人は多いんですが、実際に就職すると「ほとんど外国語を使わない」もしくは「まったく使わない」ケースも。
海外の企業と日本企業の合弁会社などでは、「ほぼ日本環境」のところが多いですが、海外企業の日本支社の場合でも、外国人スタッフが全くいないところもあります。そういった場合、本社や海外の支社とのメールのやりとりで外国語を使う場合もありますが、日常の会話はほぼ100%日本語です。
3. 会話が英語混じりなのが当たり前?
全項で「外資系なのに日本語しか使わない」と言った後ですが、会話に英単語(もしくは、本社の言語)が混じっているのがごく普通だったりもするんです。
日本人ばかりのスタッフでも、海外経験者や「外国語が得意」な人が多いところだと、会話にやたら外国語が混じります。
例を挙げます。
「来週のウェブコン、次のフィシカルイヤーのコーポレートオブジェクティブのプレゼンでしょう。それまでにカレントイヤーのコンソリデータでるの?」
(来週のインターネット経由の会議、次の会計年度の企業目標の発表でしょう。それまでに今年度の統合したデータは出てくるの?)
こういった中で毎日働いていると、自分の言葉が変な言語になっていることすら気づかないものです。
4. 世間の常識とずれる
長いこと外資系企業の中で働いていると、日本の「世間の常識」からずれていくことがあります。
外資系企業では中途採用のスタッフが多いのですが、そこに集まってくる人には、ある種の似通ったタイプがいるんですね。「帰国子女」「海外留学経験者」「海外生活経験者」「自己主張の強い人」「個性的な人」「マイペースな人」など。
そういった中で仕事をしていくので、普通に日本の常識とされていることが通用しなかったり、日本では非常識と思われることが普通にされていたりします。
5. 公私の境目がよくわからない
欧米の人って「ファミリー」最優先という場合が多いですよね。「公」より「私」のほうが優先度が高いんです。
親会社がどこの国なのか、外国人スタッフ(とくに経営陣)がどこの国の人たちなのかによって違いますが、「ファミリー」優先の文化をもっている企業は「私」が当然優先です。
会社の公式行事に配偶者が同行したり、会社の運転手が社長の家族の私的なことまで手伝ったり。「ファミリー」という免罪符の前には何でもアリになっちゃったり。
6. 地震は震度2でもパニックに
日本人なら、軽度や中程度の地震はだれでも経験していますよね。
でも、日本に着任したばかりの外国人駐在員にとっては、地面が揺れる経験は生まれて初めての人がほとんど。かなりびっくりするようですよ。
あまりの慌てふためきように、周りの日本人スタッフもびっくり。仕事の手が止まります。
7. 社内略語を社外でも普通に使っちゃう
規模の小さい外資系オフィスではそれほどでもないんですが、中規模以上のオフィスでのよくある話。
社外の人や社内の他部署の人と話すときに、社内(部署内)の略語や業務上の語彙を普通に使ってしまう人がいます。
例えば、こんな感じです:
「LMDの者から連絡ありまして、RDCの分、明日デバンかかるそうですので、宜しくお願いします。」
通訳すると、物流管理部の担当者から連絡がありまして、地区流通センターの分の貨物は、明日積み下ろし作業になるそうです。(* LMD= Logistics Management Department、RDC = Regional Distribution Centre、デバン = 貿易用語のデバンニング(積み下ろし))
新卒で入社した社員に多い印象ですが、駐在員の妻が夫の会社の話をするときにこの社内略語でバンバン話す人もいます。家庭で社内略語を使いながら会社の話をしているんでしょうね。
8. 晩婚・高齢出産は普通
外資系企業で働く女性は、海外留学をしていたり、他社でキャリアを積んでの転職だったりで、結婚が遅くなりがち。
アラフォーでの結婚や出産も、全く珍しくありません。
また、結婚後や出産後もフルタイムで継続して仕事をする人も多く、産休・育休を取った後、復職してまたバリバリ働きます。海外出張のたびに実家に子供を預けに行く、なんていうケースも。自分自身のキャリア設計もしっかり、という女性がたくさんいるんです。
9. アラフォー独身率が高い
外資系企業だからアラフォー独身が多いのか、ある程度の年齢になった独身女性が働きやすい環境が外資系企業なのか?
きっとどちらも正しいと思います。
経済的自立どころか、都会でゆとりをもって暮らせる収入があって、打ち込める仕事があって、それなりに楽しく生きている女性たち。「いまさら結婚して窮屈な思いはしたくないし」という言葉は、独身であることを選んで生きている自信に裏付けされているんですよね。
10. 経費無法地帯がある
「日本は物価が高い」「東京のコストは高くてもしかたがない」というのが、世界の常識。日本に住む者からしたら、出張のホテルでかけられる費用はごく限られていますよね。狭いビジネスホテルがせいぜいです。
でも、海外から東京に出張してくる人たちや駐在の人たちにとって、1泊いくらであっても宿泊する部屋はある程度の広さがあり、ベッドも少なくともダブルサイズ、というのが常識だったりするわけです。その最低限のレベルが1泊2万5000円の部屋なら、「それが相場で仕方がないこと」になります。
同様に、日本支社でも「駐在員の金銭感覚」で、じゃんじゃん経費を使ってしまってもOKというところもあるんです。出張の飛行機はビジネスクラス、国内移動の新幹線は「ひかり」じゃなくて「のぞみ」、接待で使うレストランもあまりコストは気にしなくてよかったり。文房具やその他備品も、特に事前許可なしに購入できたり。
経費無法地帯って感じです。
まとめ
外資系企業の社員生活あるある、いかがでしたでしょうか。
社員が定着しない小規模オフィスでは、いろいろなタイプの人が入社しては辞め、入社しては辞め、という様子もみてきました。本当に企業によって「合う・合わない」があるんですよね。
海外生活経験がある、外国が好き、語学が好き、自分の考えをはっきり言うのが好き、というタイプの人はきっと外資系企業に向いていると思います。
中途採用も多く、数社を経験したという人も多く存在する外資系企業。ご自分にあった企業が見つかるといいですね!
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