「イギリスってきれいなところ多いし、ステキだよね〜。でも、食事がおいしくないんだよね〜!」
世界中の人から言われるこの言葉。「イギリスの食事はまずい」というのが、世界的な定説になっています。
こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
イギリス大好き人間としては、これには「否!」と申し上げたいです。実際、確かに信じられないくらいおいしくない食事に直面したことも数知れずありますが、逆においしい食事も数多くいただいています。
今回は、「マズイ食事ばかりのイギリスで唯一おいしいもの」と言われている英国式朝食「イングリッシュブレックファーストについてご紹介します!
イギリスの食べ物については、次の記事でもご紹介しています!
目次
「イギリスの食事はまずい」というのは本当?
何がそんなにまずいのか
ま、様々な議論は、これまで多くの書物に紹介されており、あらためて素人の筆者があれこれ述べることではないので、あえて多くは申しません。
「まずい」という意見の「なにがまずいのか」についての例は、
- 塩味が足りない(もしくは全く塩気がない)
- 塩気が強すぎる
- 野菜が茹ですぎ、煮すぎでクタクタ
- 肉が味気なくて硬い
- デザートが超大味で無意味に甘い
などなど。
上記の例のすべてに辟易した経験があるので、「イギリスで出会う食事はすべておいしい!」とは言い切りません。
でも家庭料理がとても美味しかったりするし、最近ではレストランやパブもかなり美味しい食事を提供してくれるところが多いですよ。
美味しい食事があるところ
特筆すべきは、最近のパブ。
かつてパブといえば、街角ごとにあって、昼間からビールで酔っ払うおじさんや、夕方からは仕事を終えた労働者が大きなパイントグラス(0.5L強)を片手に語り合う場所、というイメージが強かったものです。
食事は、昼食どきに定番のメニューを用意している程度で、基本は「飲むところ」。
でも今や、多くのパブは食事が自慢だったりします。
日曜日のランチタイムには、Sunday Roastと呼ばれるローストビーフやローストラムなどの肉料理目当てに家族連れで賑わっていたりします。そして、その味自慢パブの多くは、本当に、美味しい!
世界に冠たる英国の朝食
イギリスの食事が「まずい」と一方的に言われていたかつての時代にも、「いや、これだけはおいしい」と言われていたものがあります。
それがイギリス風の朝食「イングリッシュブレックファースト」。
旅行者が迎えるイギリスの理想的な朝とは?
パリッと乾いたイギリス(田舎の!)の朝の空気に、ただよってくるベーコンを焼く匂い。
熱くて濃い紅茶に、これまた味の濃いミルクを注ぐミルクティー。
そして、”人の手が加えられた” 温かい朝食。ボリューム満点です。
しっかり食べて、さて今日も一日がんばろう!という気持ちにさせてくれます。
イギリスの田舎の民宿での朝食
イングリッシュブレックファーストを出してくれるホテルやB&B(民宿)では、朝の食卓はこんな風に進みます。
食堂に入ると、宿の(たいていが男性)主人がさっと現れて、コーヒーか紅茶か好みを聞きにきます。
そして、メインの卵料理の希望も聞いてくれます。
「うーん、卵は2つ。ポーチドエッグにしてください。それから、ベーコンを少しとソーセージ。ベークドビーンズは苦手なので付けないでください」
と、いう具合にいろいろ好みを告げます。
テーブルに出ている冷たいフルーツジュースをいただいて、好みのシリアルをサクサクと食べていると、主人が温かい飲み物とトーストスタンドに乗った薄めの食パンを三角に切ったトーストを運んできます。
紅茶を頼むと、熱い紅茶の入ったポットと、継ぎ足し用のお湯がはいったピッチャーと、たっぷりとミルクの入ったピッチャーがついてくるのです。
一人、たいてい三杯くらい飲める量です。
熱々の濃い紅茶に、これまたコクのあるミルクで、ミルクティー。決して上等の紅茶など使われていないのに、水の味の違いなのか、イギリスで飲む紅茶は、間違いなくいつでも最高に美味しいと思います。
そして一杯目の紅茶を一口飲んだくらいのタイミングで、温かい料理が運ばれてきます。
厚めのベーコンがとても塩辛く、ソーセージもパン粉いっぱいでぐにゃっとしてるけど、これがシンプルな卵料理と相性抜群。付け合わせの焼きトマト、マッシュルームとも合う!
(ほめすぎか。。。? でも、「イングリッシュブレックファースト」と名付けられたホテルやB&Bの朝食にはいつも満足されられるのです。。。)
他のヨーロッパ諸国では?
クロワッサンや、「タルティーヌ」と呼ばれるバターやジャムをぬったバゲットを、たっぷりのカフェオレに浸して食べるフランスのシンプルな朝食もそれはそれで美味しいもの。
ドイツ語圏のホテルの、ハムやサラミ、チーズや果物が並んだ朝食も美味しいし、北欧も同様に朝からハム・ソーセージやチーズとライ麦パンなどが出てきて美味しいです。お米のポリッジなども食卓に並ぶ家庭もあります。
けれど、イギリス好きの筆者としては、やはりイングリッシュブレックファーストに肩入れしたいと思います。
だっておいしいんだもーん。
「イングリッシュブレックファースト」のバラエティ
フルブレックファースト
イングリッシュというからには、「イングランド」の朝食。現在、我ら日本人が気軽に「イギリス」と呼んでいる国は厳密には「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国 (United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)」といい、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国で構成される連合国なわけです。
外国からは、一つの国のように思われていますが、それぞれ「我が国」を誇りに思い、つい最近もスコットランドの独立で住民投票が行われましたね。
で、イングリッシュブレックファーストの中身。
1)シリアル(コーンフレークスなど)+冷たい牛乳
2)フルーツジュースもしくは果物
3)温かい一皿
- 卵料理(目玉焼き、ポーチドエッグ、スクランブルエッグ、ゆで卵)
- ベーコン
- ソーセージ
- ベイクドビーンズ
- トマト(半分に切って焼いたもの)
- マッシュルーム(油で炒めたもの)
- その他、キッパー(ニシンの燻製)やブラックプディング(豚肉に豚の血をまぜた太いソーセージを輪切りにして焼いたもの)などが出ることも。
4)トースト(全粒粉・白食パン)、バター、ジャム各種、マーマイト*
5)紅茶かコーヒー(何杯も)
*マーマイト:ビール酵母を原料とするスプレッドタイプの食べ物。真っ黒で「チョコレートクリーム?」のようですが、味は苦いようなしょっぱいような、なんとも言えない味です。「大好き!」というイギリス人、多いです。
朝から、超満腹になること請け合いです。毎日食べ続けたら太りそうと思うかもしれませんが、実際のところイギリス人の普段の昼食も夕食もわりに質素だったりするので、朝ならこれくらいしっかり食べても大丈夫かも。
でも、普段このようなフルブレックファーストを食べているイギリス人って本当にいるのかギモンです。少なくとも、わたしは、会ったことがありません。。。
ま、日本人全員が「日本旅館の朝食」のような手の込んだ朝食を毎朝食べているわけではないのと同じ、ですね。
スコティッシュブレックファースト
スコットランドの朝食ですが、こちらはイングリッシュブレックファーストとほぼ内容は同じですが、ハギスという独特の食べ物が朝食のアイテムに加わります。
羊の内臓を、羊の胃袋に詰めて調理したもの。好きな人は大好き、苦手な人は全然ダメというタイプの食べ物です。
ちなみに筆者は苦手です。
ほかにも、ウェールズにはウェルシュ・ブレックファーストが、アイルランドにはアイリッシュ・ブレックファーストがあります。
イギリスの朝食、実際のところ
もちろん、上に書いたイングリッシュブレックファースト、一般家庭で普通に毎日食べているかというと、そんなことはないと思います。
ホテルもB&Bも、簡素なコンチネンタルブレックファーストを出すところが多くなったと思います。
ホテルなどの予約時に「うちはフルブレックファーストがついていますよ」とわざわざ宣伝するくらいですから、特に都市部の安価なホテルでは朝食はコンチネンタルが基本だったりもするようです。
独身者は、トーストにコーヒーだったり、シリアルに牛乳だったり。
クランペットという、イングリッシュマフィンに酷似した朝食の定番もあります。もっちりしていて穴がいっぱいあいています。一度食べたらクセになる食感です。
まとめ
以上、「イギリスの食事はまずい」という定説にちょっと抵抗して、まずはおいしい朝食についてご紹介しました。
忙しい朝から温かい卵料理にソーセージ焼いて、という家庭は実は少なくなっているのかもしれません。子供たちは、ささっとシリアルとジュースだったりしますから。
イギリスを旅するなら、ぜひ田舎のベッドアンドブレックファーストを試してみてください。本当においしい、イギリスらしい朝ごはんを楽しめると思いますよ!