こんにちは、まのん(@ManonYoshino)です。
ひと昔前に比べると、海外旅行や海外生活の経験者もどんどん増えていますよね。
ネットの普及もあって、外国に行って強いカルチャーショックを受ける、なんてことも少なくなりつつあるかもしれません。
それでも、海外で暮らしてみると、日本ではごく当たり前だったことが全然違っていたりします。
欧米数カ国で生活してきましたが、やはり現地で生活すると小さなびっくりの連続。
海外生活をぐんと面白くするコツは、違いを愉快だと楽しめることです。
この記事では、
海外(欧米)で生活すると見えてくる、日本人がびっくりすること
を集めてみました。
ヨーロッパに住みたいなあ、アメリカに移住したいなあ、と考えているかたの参考にしていただけましたらうれしいです。
海外生活のびっくり「社交文化」
歴史も風土も宗教も違う外国なので、人との関わり方も日本とは違うところがあります。
(次にあげるのは、居住経験のある国でのことです。)
びっくり1. クリスマスは恋人ではなく家族と過ごす
「クリスマスってやっぱり好きな人とロマンチックに過ごしたい…」
独身の頃は、私もそんな風に思っていました。
日本のクリスマスって、独身なら恋人や仲間たちと過ごすことが多いですよね。
欧米のキリスト教国では、クリスマスは基本、家族と一緒。
日本のお正月と似ています。
せっかく彼氏がいても、さっさとクリスマス休暇で実家に帰省されちゃった…、なんていうこともあるんです。
▼ 彼氏がいるのに「おひとりさまクリスマス」になりがちな国際恋愛の微妙なクリスマスすれちがいとは?
びっくり2. 見知らぬ人にも挨拶する
初めての海外がイギリスだったんですが、見知らぬ人でも街で目があったりすると、にっこり「ハロー」。
お店に入る時にも「ハロー」。
最初はびっくりしました(いい意味で)。
フランスでも、特に田舎だと道ですれ違う人にも「ボンジュール、ムッシュ」なんて挨拶をしますよ。
これ、「敵じゃありませんよ」というアピールでもあるみたいですね。
びっくり3. 議論はするけど丸く収める
欧米の人って、おしなべて議論好き。
ちゃんと自分の意見を主張する、という教育をされてもいます。
自分が正しいと思ったことは堂々と主張するし、簡単には謝らない人が多い。
あーだこーだと議論しつつも、喧嘩に発展させずに丸く収めるのがうまいんですよね。
あれは感心します。
びっくり4. 時間におおらか
だいたいが、時間におおらかな人が多いような気がします。
公共交通機関でさえ時間におおらか(ルーズとも言う)。
「ちょっと2分いい?」で悠々と30分くらい話すし、「10分遅れる」と言いつつ絶対10分では来ない。
おおまかに見積もった時間で物事を進めるんですよね。
びっくり5. 長い食前酒(フランス)
これは特にフランスでびっくりすることなんですが、週末や人を呼んで食事する時の食前酒の時間がとても長いんです。
食欲を盛り上げるための食前酒、のはずなんですが、延々と1時間も2時間もポテトチップスやナッツをつまみながらおしゃべりの花を咲かせます。
そして食事の開始時間が9時を過ぎてしまうんですよね…。
びっくり6. 男女混合のハウスシェア
日本でもルームシェアやシェアハウスという言葉がよく聞かれるようになりました。
でも、ちょっと前まではアパートを友達同士で借りて一緒に住む、というのはよくあることだったようです。
欧米では、 「恋人ではない男女たち」が共同で家を借りて住むスタイルはわりと普通。
家を借りて住む場合、それぞれ個室を持ち、リビング、台所や浴室・トイレなどは共有です。アパートを何人かで借りて住む場合は、個室があるときと、寝室も共有というケースもあります。
いずれの場合でも、一緒に住んでいる人を「ルームメイト」と呼びますね。
海外生活のびっくり「食文化」
食事にまつわる習慣は、本当に国や地域によってさまざま。
住んでしまうと当たり前の感覚になりますが、最初に遭遇した時にはびっくりすることもけっこうあるんですよね。
びっくり7. 曜日ごとに夕食メニューがほぼ決まっている(イギリス)
『旅する女 シャーリー・バレンタイン』というイギリス映画の中に、月曜日は〇〇で、火曜日は〇〇という固定メニューの話がありました。
夫婦の間に隙間風が吹き始めて、本来はステーキの日なのに妻が目玉焼きしか出さず、言い合いになるというシーン。
イギリスでホームステイをしたことがあるんですが、本当に1週間単位でメニューが回ってくるんですよ。
びっくり8. 美味しいものは「鶏っぽい味」(アメリカ)
なんでもボリュームいっぱいに供されていたアメリカでの話。
鶏を丸ごとローストするのが家庭料理の定番なんですが、レストランでも「未知のおいしいもの」に出会うと、こんな風に言っていました。
びっくり9. ポテトチップスは野菜(アメリカ)
子どものお弁当の定番、ピーナツバターとジャムのサンドイッチ。
そこにポテトチップスの小袋をプラスして、「野菜もプラス」と言う感覚には驚きました。
たしかに、ポテトチップスの前世はジャガイモですよね…。
びっくり10. 牛乳ガロン売り(アメリカ・カナダ)
ガロンという単位、日本では馴染みがないですよね。
アメリカは今もメートル法ではなくヤード・ポンド法を使っています。
高速道路の制限時速80というのは、80キロではなく80マイル(約130キロ)。
肉を買うときは500グラムではなく1ポンド(約500g)。
最高気温80度と聞くと驚くけれど、温度単位は華氏なので、華氏80度は摂氏に直すと27度弱。
世界がメートル法を基準にしているため、計量法が混在していることもあってわかりにくいです。
びっくりするのは、牛乳の小売パックにガロン(3.8L)というのが普通に並んでいて、結構それを買っていく人が多いんですよ。
びっくり11. 味噌汁は前菜
西洋料理ではスープはメイン料理の前に供されます。
そのため、欧米の日本料理屋に入ると、お味噌汁が前菜として出てきます。
中華料理のレンゲと共に…。
日本人経営の店では、「お味噌汁はお食事と一緒にお出ししたほうがいいですよね?」と聞かれることも。
びっくり12. 食後のシメがチーズとパン(フランス)
よく知られていることかもしれませんが、フランスの食事では、サラダやチーズはメインが終わってから。
よそのお宅にお呼ばれの時など、どんなお料理がどれだけ出てくるのかわからず、お腹の満たし方に迷います(基本、大皿から取り分けるので)。
全然食べたりないな、というときはシメのチーズで腹を合わせるわけです。
びっくり13. ディナー終了が深夜(フランス)
北ヨーロッパは夕食時間が早く、南に行くと夕食時間が遅くなる…、と聞いたことがありましたが、フランスで本当に食事時間が遅いのを知ってびっくりしました。
子どもたちの食事を先に済ませて、夫婦はゆっくり食事をとるという家庭もあるようです。
週末や休暇中の一例をあげると、次のような感じです。
【 休暇中の夕食 】
日中は出かけたりスポーツをするなどゆっくり過ごし、8時くらいから食前酒とスナックを楽しみ、ディナー開始は9時ごろ。親戚や友人とのお家ディナーなら、食後のデザートが終わる頃は深夜。
結婚式や、50歳の誕生日パーティーなどはもっと遅くなります。
【 結婚披露パーティーの流れ 】
14:00 挙式
19:00 披露宴会場へ再度集合。(子供は会場のベビーシッター室へ)
19:30 庭園でゆっくり食前酒
20:30 披露宴会場で着席 ⇨ コース料理、余興
23:00 デザート&コーヒー
24:00 新婦と父によるワルツで、ダンスパーティーが始まる
03:00 披露宴終了
09:00 披露宴会場宿泊者と新郎新婦、親族で朝ごはん
体力勝負、胃袋勝負です。
海外生活のびっくり「医療・健康」
国が違えば、医療システムも変わりますよね。
日本のように国民皆保険制度がある国ばかりではないんですよね。
また、体調が悪い時にすぐにお医者さんにかかれるわけでもありません。
びっくり14. 専門医の予約が何ヶ月も取れない(フランス)
総合診療医のかかりつけの先生でも当日の予約はなかなか取れないフランス。
大学病院の急患受付(それでも数時間待ち)以外は、どんなお医者さんでも予約が必要です。
専門医となると、数ヶ月待ちは当たり前。眼科なんて10ヶ月待ちとかになったことも。
不調を訴えての内視鏡検査も緊急以外すぐにはできないんです。
▼ かなり面倒で時間のかかるフランスの医療機関での受診など、病気になった時の「大変」をご紹介します。
びっくり15. 隠さない診察
カナダとフランスでは、わりとこまめに婦人科検診も受けてきていますが、最初に婦人科の内診を受けたときはびっくり。
日本のようにカーテンで医師と区切るとか、タオルをかけるとか、ないんですよね。
ばーっと、そのままみせるわけで。
診察を受けるほうも、恥ずかしいとか気にしてませんね。
相手は医者で、自分の体を診るのが医者の仕事、と割り切っている感じ。
でも、逆に事務的でいいかも…とも思います。
びっくり16. 結婚前にHIV検査(フランス)
フランスでしか結婚した経験がないので、他の国での標準がわからないのですが…。
婚前健康診断、というのがあります。
結婚する男女が、お互いの健康状態をしっかり確認するためのもの、と言ったらいいのでしょうか。
このなかに、HIV検査も含まれていました。
フランスのかかりつけ医の先生の場合は、やるやらないの選択肢はなし。
「これは必要なことだから」と。
まだまだエイズがコントロール不能な病だった頃なので、なんか、かなり衝撃的でしたね。
びっくり17. 出産は飲まず食わずの持久戦(フランス)
日本のマタニティ雑誌などには、分娩室に入る前に「ジュースを飲んだ」とか「力をつけるためにおにぎりを食べた」など書いてあります。
フランスは、陣痛が始まって「今日出産になるだろう」と入院になったら、その時点から水分も食事もNG。
一切口に入れてはいけないんです。
陣痛の間隔が10分を切ったので病院に行ったら、出産後2時間経過するまでは飲まず食わず(私は15時間飲まず食わず。もちろん水分や栄養分補給の点滴とかもなし)。
食べないのはまだしも、水分禁止っていうのが、真夏の出産には辛いものがあります。
びっくり18. 喫煙は権利
大きな病院で専門医の診察を受ける時、何ヶ月も予約待ちをしたにも関わらず当日の待ち時間も長いんですね。
すると、医療関係者のみなさんが代わる代わる庭に出ては、喫煙タイムを楽しむ様子が見えるんです。
ストレスが溜まるので喫煙者が多いということですが、患者待合室の目の前でのスタッフ喫煙。
日本だったら考えられないことでびっくり。
日本では、 喫煙するなら休憩室など見えないところでするのでは?
喫煙者の権利も守られるわけですね。
びっくり19. 鼻水はすすってはいけない
欧米では、人前でも派手な音を立てて鼻をかむ人が多いです。
初めてイギリスで、目の前で布製のハンカチを出して「ブーッ」と鼻をかまれたときにはびっくりしました。
「鼻水をすするのはマナー違反」
くしゃみのあとや、鼻水が出そうになったら、すすらずにかむのが常識なんですね。
でも、鼻をかんだハンカチやティッシュを再びポケットにしまう…という動作、不衛生で慣れませんね。
(コロナ禍で、このへんの衛生意識がずいぶん近代化されつつありますが)
びっくり20. 期限切れの薬は薬局へ持ち込む(フランス)
医師の処方箋を持って薬局に行くと、日数分ではなく、パッケージごと薬が出されます。
7日分なのに、24錠入りとか。
頓服薬なのに、36錠入りとか。
これ、ぜったい全部は使用しないんですよね。
で、使用期限の切れた使い道のない薬が残ってしまうんです。でも、普通のゴミで処理するのはNG。
必ず薬局に持って行って処理をお願いするんですね。
びっくり21. 西洋式お風呂の入り方
欧米では湯船に毎晩浸かるという人のほうが少数派。
ほとんどの人はシャワーです。
小さい子どもたちの場合、湯船にぬるいお湯をはって入浴させる家庭が多いようです。女性や高齢者も、湯船に浸かる人もいますね(でも、ごくたまに)。
でも、日本のように洗い場で体を洗ってから湯船、ではありません(洗い場がないので)。浴槽にお湯をはって、そのまま入ります。
バスソープなどを溶かして、浴槽で体を手で洗い、出るときはタオルで拭いておしまい。
ソープを洗い流さなきゃ、という考えはないようです(お皿と一緒)。
▼ 日本人がイギリスで暮らしていく中での最難関の一つ、イギリスの浴室。その真の姿をまとめました。
海外生活のびっくり「家事」
続いて海外生活でびっくりすること「家事」編です。
びっくり22. 洗濯物をどこに干す
日本では、洗濯物は外干しという家庭が多いかと思います。日当たりの良いベランダや、庭先などに洗濯物を干しますよね。
欧米では、筆者の見た限り室内干しか、裏庭に干していますね。
基本、人目につかないところ、です。
日当たりの悪い裏庭に干しても乾かないんじゃ?と思いますが…。
空気が乾燥しているし、冬場はセントラルヒーティングが効いているので室内でも割とパリッと乾きますよ。
びっくり23. 土足の境目がわからない
外国では室内でも靴を履く、と聞いたことはありませんか?
フランスでは高齢者は室内でも靴を履いているケースが結構多いですが、若い世代は靴を脱いで靴下や室内ばきという人が増えています。
夏場は裸足でスッキリという感じ。
ただし、その裸足や靴下で庭にも出たりするので、どこまでが土足OKなのか境目がわからない場合も多いです。
びっくり24. 食器用洗剤は消毒なのですすがない
イギリス系の人々限定なのかもしれませんが、食器用洗剤をすすがない人がいるんです。
「洗剤は消毒だから、洗い流したら効果がない」と信じている人がいてびっくりしました。
洗剤を溶かしたシンクのお湯でお皿を洗い、その洗剤水をさっと切って水切りカゴへ。または、水切りかごさえ使わずにフキンでぬぐっておしまい。
イギリスの洗剤に「必ず水で洗い流してください」って書いてあるくらい、すすがない人がいるみたいです。
▼ びっくりすることが多い皿洗いやキッチン周りの衛生観念、 フランスの例をまとめた記事もどうぞ!
びっくり25. お湯がすぐになくなる
イギリスもフランスも温水がタンク式の家って多いんですが、容量があまり大きくないとお湯がすぐになくなります。
ひとりシャワーを浴びると、そのあと数時間またないと熱いお湯が出ない場合も。
シャワーが共同の安宿に泊まると、先に誰かがシャワーしたのに気づかずに、冷水を浴びることもあります。
海外生活のびっくり「トイレのこと」
海外生活のびっくり、最後はちょっと尾篭なお話。トイレのことです。
びっくり26. トイレが見つからない
日本だと、コンビニやスーパー、ドラッグストア、公園、駅など、トイレが使えるところがわりといたるところにありますよね。
でも、海外では本当にトイレが見つからなくて困ること多いです。
田舎道だと、どこまでいってもなにもない。トイレ休憩できるガソリンスタンドや、カフェやバーのたぐいがない。
村があっても公衆トイレがない。
街中のカフェに入ったけど、一つしかないトイレには列ができていて延々とあかない。
公園でトイレを見つけたら、壊れていて閉鎖されていた。
冗談でなく、街中ですら、なかなかトイレが見つからずに困ることがあります。大きな公園なら公衆トイレがありますが、壊れていて使用不可ということもザラ。
びっくり27. トイレの便器に便座がない
フランスで日本人がびっくりすることの一つが、サービスエリアやショッピングセンターなどのトイレに便座がないこと。
便座があると壊れたり汚れたりの原因になるからなんでしょうが、ちょっとショック。
腰を浮かせて用を足すとか、除菌剤持参で厳重に消毒して座るなど、みなさん苦戦しますね。
▼ 海外旅行先としていつも人気のフランスですが、実際に旅をするとトイレには悩まされることも多いんです…。フランスのトイレ事情はこちらから!
びっくり28. トイレットペーパーの置き場がない
家庭のトイレにトイレットペーパーホルダーが備え付けられていないケースが非常に多いです。
トイレットペーパーを置けるスタンドを購入したり、タンクの上に置いたり。
公共のトイレでは、ドアや壁のフックが壊れていて「荷物はどうする?」と困ることもあります。
トイレの衛生環境や使いやすさが日本ほど重要視されていないなあと感じますね。
びっくり29. トイレのドアに隙間がある
アメリカ・カナダによくあるんですが、ドアをしっかり閉めても、微妙に隙間が開くケース。
会社のトイレなどで、隙間が大きすぎて「あ、赤いセーター。今入っているのはキャリーだな」なんてわかっちゃう。
トイレのドアの下部も床から30cmくらい開いていて、ズボンを下げて座っている足もとが丸見えです。
びっくり30. 手を洗わない
トイレを使った後、何もせずにそのまま出て行く人の多いこと。「小のときなら洗わない」と平気でいう人もいますよ。
もちろん、食事の前に手を洗いましょう、なんていう習慣づけもあまりないみたい。
だから毎年毎年ウィルス性胃腸炎が大流行するのかも、なんて思います。
▼ 海外で、かなり気になる現地のトイレ事情。必要な時に絶望的に見つからないということも。女性一人旅ならなおさら困ります!
まとめ
普段、「こんなの常識」と思っていたり、あるのが当たり前と思っていることが、実は海外では全く違っていることもあります。
日本では普通に通用することも、国によってはマナー違反にあたること気もあるんですね。
社交のこと、食事のこと、医療のこと、家事のこと、そして尾籠ながらトイレのこと。
日本人が欧米で「えっ?」と思いがちなポイントをまとめました。
「郷にいれば郷に従え」ということで、違いを楽しみつつ現地生活を謳歌したいものですよね!